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「嵐を呼ぶ楽団」 [映画]

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〔1960年/日本〕


ジャズピアニストの宝田明は、
その腕前は一流であったが、
他人と上手く合わせる事が出来ず、
トラブルばかり起こしてしまう。


仲間のトランぺッター・高島忠夫と
九州に巡業に行った宝田だが、
客は不入りな上、
マネージャーに金を持ち逃げされ、
旅館の支払いができず、布団部屋に監禁されてしまう。


しかし、旅館の息子でベーシストの神戸一郎に助けられ、
また、喧嘩がもとで知り合ったギタリストの水原弘や、
サックスを吹く電車の車掌や
ボーカリストの朝丘雪路らと、
新しいジャスバンドを結成する事になる。


彼らの人気はグングン上がり、
スターへの道を歩み始めるが、
人気絶頂のスター・雪村いずみと朝丘の
宝田をめぐる確執や、
朝丘に思いを寄せる高島の気持ちなどがこじれ、
バンドは解散する事になってしまう・・・。





数日前、「徹子の部屋」にゴスペラーズが出演した時、
「音楽グループで揉める原因は、必ず金と女」と話されていたのを、
とても面白く聞いていたのだけれど、
この映画を観ていて、
「それって本当なんだなぁ」と確認した次第(笑)。


この映画に出てくる女はみんな(といっても2人だけど)、
クールでカッチョいい宝田明に惚れてしまい、
お調子者の高島忠夫が割を食うって流れ。
まさしく、女が原因の揉め事。


それから、大阪を拠点に活動していた宝田らが、
東京に進出してはみたものの、
まるで上手くいかなかったというのは、
つまり、興行的な失敗=お金。
ゴスペラーズの説がここで証明されたってわけで(笑)。


一緒に観た友人に、
「宝田明主演のアイドル映画みたいだったね」と言ったら、
ものすごく納得されたのが可笑しかった。
彼女曰く、「嵐のメンバーで同じ話を作っても、違和感ないかも」との事。


まず、ジャズバンドのメンバーが集まる過程からして、
都合良過ぎ(笑)。


宝田が出会う人出会う人、
みんなジャズが好きで、楽器が弾けて、
しかも、その楽器が全員かぶっていないという凄さ。
なんて運の良い巡り合せなんだ(笑)。


なんだか茶化すような感想しか浮かんでこないや。
もっと真面目に観ないと駄目だなぁ。


評価 ★★★☆☆

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「ライセンス・トゥ・ウェディング」 [映画]

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〔2007年/アメリカ〕


ジョン・クラシンスキーとマンディ・ムーアは、
出会ったその日に恋に落ち、
順調に結婚への道のりを歩み始たカップル。


ムーアには幼い頃から、
挙式をしたいと夢見ている教会があり、
クラシンスキーを2人で出向く。


ところが教会の牧師・ロビン・ウィリアムズは、
結婚式までの3週間、
「結婚準備講座」を受講し、
それに合格しなければ、
2人を結婚させないと言う。


その内容とは、
結婚生活においてのトラブル対処のシュミレーションや、
人形を使っての育児の練習、
さらに、結婚式を挙げるまで、
ベッドを共にしてはならないなどなど、
幸せな2人には辛い課題ばかり。


しかもウィリアムズは、
こっそりと2人の部屋に盗聴器をしかけ、
全ての会話をチェックし・・・。





うーん、よく分からん(笑)。


ロビン・ウィリアムズ扮する牧師は、
何故、幸せなカップルの仲を
引き裂くような事ばかりするんだろう。


例えば、結婚前に互いの本音を知っておいた方がいい、
みたいな事で、
2人を試したりするけれど、
そんな事って必要なんだろうか。


そんなの、
一緒に暮らしていく中で、
笑ったり、怒ったりしていくうちに、
自然に分かってくるもので、
何も蜜月の期間に知らなくたっていい気がするんだけど。


結婚前にそれを知った事で、
離婚のリスクが少なくなるとでも言いたいのであろうか。
いや、どんな事をしたって、
別れる時は別れるし、
こんな講座が必要とはとても思えない。


カップルの部屋に盗聴器を仕掛けるのも
気持ち悪い。
しかもウィリアムズは、
それを、助手として使っている10歳前後の少年にさせている。
コメディだからって、何でもしていいわけじゃない。


私だったら、こんな面倒臭い試練をくぐらなきゃ
結婚できないのなら、
教会を変えるな。
婚約者に悪いもの。
マンディ・ムーアが、
ジョン・クラシンスキーより、牧師のいう事を聞くのも
解せない。
宗教観の違いかしら。


評価 ★★☆☆☆

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「スリーデイズ」 [映画]

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〔2010年/アメリカ〕


大学教授・ラッセル・クロウと
妻・エリザベス・バンクスは、
深く愛し合った夫婦。
幼い息子と3人で暮らす彼らの日々は
満ち足りていた。


ところが、ある朝、
突然踏み込んで来た警察に
バンクスが逮捕されてしまう。
容疑は殺人。


「犯人は自分じゃない」
どんなに主張しても
現場の状況から有罪になってしまったバンクス。
クロウは、彼女の無実を証明する為、奔走するが、
上手くいかない。


絶望したバンクスが自殺未遂で病院に担ぎ込まれたのを機に、
クロウは、彼女を脱獄させ、
新天地で暮らす事を考え始める。


チャンスの3日間に賭け、
綿密に計画を練るクロウ。
その作戦は成功するのか・・・。





これはもう、エリザベス・バンクスに肩入れせずには
いられない。


だって変すぎる。
バンクスが絶対殺人などしていない事は、
彼女の回想シーンから、
映画を観る者は知っている。


なのに、判決は有罪。
それって完全に冤罪じゃないか。
アメリカの裁判物を観ると、
本当に不思議だと思う事がある。
犯人でない人物が、
状況証拠だけで、犯人にされてしまう場面が多い気がする。


一番辛いのは、
バンクスと息子の関係。
幼い息子は、母が殺人犯に仕立て上げられた事で、
辛い思いをしている。
ラッセル・クロウに連れられて
刑務所に面会に行っても、
無表情なままだ。


子供にしてみたら、
この理不尽な状況が、
分かっているような、いないような、
とにかく尋常じゃない、というの感じているはずで、
でも、小さな心は、
それに対して対処するだけの
経験も知恵もまだないのだろう。


そうなると、余計にバンクスの切ない気持ちが心にくる。
息子の性格にまで影響を及ぼす、
現在の状況が辛すぎる。


クロウが、バンクスを脱獄させると決意してからの
3日間は緊張でいっぱいで、見入ってしまう。


なんとかなんとか、成功してほしい。
家族3人で幸せに暮らせる場所まで逃げ延びてほしい、って。


これはフランス映画、「すべて彼女のために」の
リメイクなのだそうだ。
近いうちに絶対観よっと。


評価 ★★★☆☆

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「キルショット」 [映画]

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〔2008年/アメリカ〕


ベテランの殺し屋・ミッキー・ロークは、
誤って弟を殺してしまったトラウマに、
今も悩まされている。


そろそろ殺し屋稼業も潮時だと考えた彼だが、
マフィアからの依頼を受け、
ターゲットの家へ出向く。
しかし、ターゲットの愛人に顔を見られた事から、
彼女を殺してしまい、
報酬をもらえないどころか、追われる羽目にまでなってしまう。


そんな中、
凶暴なチンピラ・ジョゼフ・ゴードン・レヴィットと知り合ったロークは、
彼と組み、不動産屋を恐喝し、
金を奪う計画を立てる。


ところが、従業員の女・ダイアン・レインと、
たまたま居合わせた彼女の夫・トーマス・ジェーンに反撃され、
計画は失敗。


レインたちに顔を見られたロークは、
2人を殺そうと、居場所を捜し始める。
FBIはそんな夫妻を証人保護プログラムの元、
名前を変えさせ、全く別の州に住まわせるのだが・・・。





日本では劇場未公開だったらしい。


以前のイケメンスターから、
すっかり容貌が変わってしまったミッキー・ロークだけど、
そんな彼だからできたと思われる、
この映画での役。


彼は本作の中で、
なぜかネイティブアメリカンという設定で出ている。
「ナインハーフ」の頃の彼だったら、
そのような設定は考えられない気がするんだけど、
この映画では、私には全く違和感を感じずに
観る事ができた。


こういう事って、
アメリカ人からするとどうなんだろう。
彼はちゃんと、ネイティブアメリカンに見えるんだろうか。
その辺の所はよく分からない。


ジョセフ・ゴードン・レヴィットのチンピラっぷりがすごい。
私は彼が好きだけれど、
どちらかというと、インテリっぽい雰囲気を買っていたので、
そのギャップに驚いてしまう。
これはこれでいいけどね。
どんな役でもこなせるスターという証明だろうし。


よく犯罪映画で、
証人を守るために、保護プログラムで、
知らない土地に住まわされたりする場面があるけれど、
観ていて、とても不安な気持ちになってしまった。


だって、自分の意思とは関係なく、
まるで縁の無い、
知らない土地に行って暮らすだなんて、
大海原に浮き輪も無しで放り出されたような、
怖さを感じる。


日本では、犯罪に巻き込まれた場合、
そういったシステムはあるんだろうか。
神様、どうか、
私がそのような目に遭いませんように。
(遭わねーよ(笑))


評価 ★★★☆☆

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「龍三と七人の子分たち」 [映画]

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〔2015年/日本〕


70歳の高橋龍三(藤竜也)は、
昔はヤクザとして恐れられていたが、
今は、息子・龍平(勝村政信)の家で暮らす、しがないただの老人。


ある日龍三は、
龍平からの電話を受け取る。
「会社の金500万円を失くして困っている」、と。
慌てた彼は、なんとか50万円を都合し、
約束の公園へと出向いた。
まるで疑う事なしに。


実はその電話は、最近台頭してきた、
暴走族あがりの集団・京浜連合の仕業だった。
京浜連合は、表向きはヤクザらしくない、
税金まで納めている連中で、
しかし、その分、
やり方が阿漕で冷酷だ。


龍平は、京浜連合のやり方が、
どうにも許せず、決意した。
昔のヤクザ仲間を招集し、
新たな組を作ろうと。


組の名前も「一龍会」と決まる。
以来、一龍会と京浜連合の諍いは激化してゆき・・・。





以前に何度か書いているけれど、
「日本の芸能界で誰が一番好きか」と尋ねられたら、
北野武と答えるくらい、私は彼が好き。


といっても、
もう以前のように、彼の出ているテレビを必ず観るとか、
そういった事はしなくなっている。
なんというか、
生涯たった一人愛した男を
今でも忘れられないと言うのが、
一番近い感情かもしれない。
彼以上の男が現れないので、
愛情の上書きができず、そのままになっているといったような。
(とはいえ、他の男と付き合わないかといえば、
それは別問題(笑))。


で、その北野の監督最新作。
彼の今までの映画は、
既存の映画の流れを無視した作品が多いように
感じてきたけれど、
この映画には、むしろ既視感を覚える。


それは、今までの北野氏の笑いを
深く愛してきた者には分かる、
彼の言いたい事がなんとなく「分かっちゃう」といった感じ。


冒頭からクスクス笑いが止まらない。
元ヤクザの爺さん・龍三が、
派手な彫物を見せびらかすように、
玄関先で素振りの稽古をしているけれど、
息子夫婦は、それがもう恥ずかしくて、
「みっともない真似はするな!」とキツイ言葉を投げる。


そのやり取りは、
北野氏が昔テレビで描いていたコントそのもののようで、
本当に可笑しい。
「これよね、これ」と言いたくなるの(笑)


その後、龍三と「七人の子分たち」が出揃って、
様々な事をしでかすわけだけど、
やっぱり笑ってしまう。
詳しい事は書かないけれども。


私は、昔ながらのヤクザが是だとは決して思わないけれども、
若者で構成される京浜連合のやり方で、
とても恐怖を覚えた場面があった。


彼らは、独居老人の家にやって来て、
無理矢理キッチンに浄水器を取り付け、
「これは無料です」と言いながら、
「買ってほしいのはこれ」と、布団を運び込む。


その、有無を言わせない圧力が本当に怖くて、
「私が年を取って、同じような事をされたらどうすればいいんだろう」と
本気で不安になる。
「要らない」と突っぱね、
それでも執拗なら、
警察を呼べばいいんだろうか。
年老いて、判断力や瞬発力がなくなっていたら、
咄嗟に行動できるんだろうか。


コメディ映画として、
後々まで残るとは思わないけれど、
ひととき笑って、楽しい時間を過ごすには
もってこいの作品だと思う。
3点と4点の、本当に真ん中くらい。
でも北野氏だから、四捨五入(笑)。


評価 ★★★★☆

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