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「マッドマックス 怒りのデス・ロード」 [映画]

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〔2015年/オーストラリア〕


核戦争後、
水も石油も殆どなくなったオーストラリア。


元警察官のマックス(トム・ハーディ)は、
そんな世界で、
最愛の家族を亡くしたトラウマに苦しみながら、
本能だけで生きている男。


ある日、マックスは、
その辺一帯を支配する、
強大な権力を持つ独裁者・イモータン・ジョーの
手下に捕らえられてしまう。


そんな中、ジョーに反旗を翻した女戦士・フュサリオ(シャーリーズ・セロン)が
ジョーの5人の妻を引き連れ、
逃亡した。


怒り狂ったジョーは、
彼女たちを追い、
広大な砂漠の中を走り出す。
その追跡に巻き込まれたマックスは・・・。





これは本当に「マッド」だ。
今まで想像もした事のなかった
人間の扱いに驚く。
こんな扱い、反則だと言いたいくらい。
詳しく書きたいけど、やっぱり書かない。


お話は単純で、
独裁者が、裏切った女たちを追って、
砂漠を疾走するのがメインなんだけど、
たったこれだけの事が面白くて、
全く目が離せない。


そのセンスも凄い。
例えば、
観た方なら分かるけど、
ある楽器を弾く男。
なんでそんな所で?何の意味が?と思うけど、
でもカッコ良くて、
やっぱりこの人必要かも、と思ってしまう(笑)。


なんかこれ、
撮影中に何人か死人が出てないか?と思うくらい、
圧巻のアクションシーン。
もちろんそんな事があるわけないけれど、
そう思わせるだけの迫力が
スクリーンからビンビンに伝わってくるし、
砂漠を走るトラックの激しい振動まで
体感しているような気分になる。


独裁者の、独裁っぷりも、
ここまで徹底的に描かれていると、
憎らしさよりも、天晴れだ。


とにかく何も考えずに観られる映画。
お口ポカーンな2時間(笑)。


評価 ★★★★☆

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「海街diary」&是枝監督と夏帆さんのティーチイン [映画]

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〔2015年/日本〕


幸(綾瀬はるか)、
佳乃(長澤まさみ)、
千佳(夏帆)は、
鎌倉の古い家で、
3人だけで暮らす姉妹。


ある日、15年間も交流のなかった父が
亡くなったとの連絡が入り、山形へ赴いた3人。
そこには、腹違いの妹・すず(広瀬すず)がいて、
健気に振る舞っていた。
すずは実母を亡くしており、
このままでは、父の再々婚相手の継母と暮らす事になる。


幸は、山形を後にする際、
すずに声を掛けた。
「鎌倉で、私たちと一緒に暮らさない?」、と・・・。





27日は、
若尾文子様の舞台挨拶付き映画鑑賞が2回、
その後、「海街diary」の鑑賞&是枝裕和監督と夏帆さんの
ティーチインイベントがあり、
さらに夜は、ぼんぼちぼちぼちさんのオフ会参加、と、
自分でも「大丈夫か!?」と思うような1日だった。
内容、濃すぎ(笑)。


舞台挨拶には何度か行った事があるけれど、
「ティーチイン」というイベントに参加するのは初めてで、
正直、どんな事をするのかもよく分からず、
ただ、生の夏帆さんを見てみたいという
ミーハーな理由でチケットを取った。


それは、映画を観たあと、ゲストが登壇し、
お客さんと質疑応答するというもので、
一般の人が、監督さんや演者の方に直接疑問をぶつけられるという
ものだった。


映画終了後、
是枝監督と夏帆さんが登場。
夏帆さんのお顔の小ささには、もうビックリ。
グーくらいしかない!(笑)
それに、本当に可愛い。
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※映画ナタリーさんより


夏帆さんの映画は何本か観ているけれど、
2013年の「箱入り息子の恋」の素晴らしさに感動し、
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2013-06-11
以来、とっても好きな女優さん。
生で観られて嬉しい。


挙手をした観客さんの質問に
ゲストが答えるのだけれど、
皆さんの質問が鋭くて、
ぼんやり観ているだけの私とは、
レベルが違うなぁ、と、
本気で尊敬しながら、質問とそれに対する答えを聞く。


映画で使われた家の事や、
セリフをより自然なものにするための脚本の直し、
監督の観察力などなど、
興味深いお話に、
「映画ってそうやって作り上げるんだ」と、
勉強にもなるような内容に感激する。


映画自体も、本当に良かった。


4姉妹それぞれの、
悩みや葛藤が上手く描かれていて、
綺麗事だけではないのも、とても好き。


それから、舞台になっている鎌倉や藤沢が
映るのが嬉しい。


私は藤沢と縁が深く、
夏の日の暮れる頃、辻堂海岸に立って、
海を見たり、134号線を縁取る明かりを見たり、
相模湾の形を確認したりするのが、
たまらなく好きなんです。


見どころの多い映画と、ティーチイン。
良い時間を過ごせて本当に良かったです。


評価 ★★★★☆

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「青空娘」・「女は二度生まれる」&若尾文子さんトークショー [映画]

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「ついにこの日がやって来ましたよー!」と
叫び出したいような気持ちです。
昨年の12月26日に、
この、「若尾文子映画祭」の事を知って以来、
(興奮して、友人にLINEしたので記録が残っている(笑))
6月27日が、もう待ち遠しくて待ち遠しくて。


「若尾文子の映画に外れ無し」
これは私の持論で、
若尾さんの映画を全制覇する事が、
私の、映画における一番の目標でもあります。
(現在、160本中88本)


この映画祭で、未見の作品が沢山入っているといいな、と思っていたのですが、
上映される60本中、12本もそれがあるのも、
嬉しい限りです。
(考えてみたら、これで100本いけますね(笑))。


一番の目玉は、
幻のデビュー作と言われる「死の街を脱れて」。
それを観られる喜びの気持ちと同時に、
「フィルムが残っていたんだ」と、
今まで名画座でかからなかったのが、不思議な気持ちです。
これを機会に、若尾さんの古い映画が
もっともっと名画座で上映されるといいのですが。


「映画祭」のオープニング作品は、
「青空娘」。
これは、この映画祭のポスターにもなっている作品で、
とにかく明るくて元気になれる、
幕開けに相応しい映画です。


そして、さらに嬉しい事に、
オープニング1作目の「青空娘」と後と、
2作目の「女は二度生まれる」の前に
若尾さんのトークショーが開催され、
2回共、出席させていただきました。

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※映画.comさんより


去年の「市川雷蔵祭」での、
若尾さんのトークショーに行った時の経験から、
登場される際の扉を知っていましたので、
そこに一番近い席を購入。
入ってこられた若尾さんと目が合って、
天にも昇る気持ち(笑)。
あぁ、なんて素敵な方なんでしょう。


お話も楽しかったです。
小津安二郎監督が大好きで、結婚したいと思った事、
映画は若尾さんの青春そのものだという思い、
三島由紀夫氏の運動神経があまりよろしくなく、
ダンスをしたら、人にぶつかってばかりだった事など、
マル秘エピソードを多数聞かせて下さいました。


8月14日まで、
未見の12本を中心に、
出来るだけ通いたいと思っています。
楽しみです♪

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「モナリザ」 [映画]

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〔1986年/イギリス〕


ムショから出てきたばかりのジョージ(ボブ・ホスキンス)は、
娘に会いたくて家に戻るが、
妻は決して彼を受け入れず、
玄関先で大喧嘩になってしまう。


実は彼は、
組織のボス・モートウェル(マイケル・ケイン)の
身代わりで、「おつとめ」を果たしただけ。
その貸しを返してもらおうと、
事務所に行くも、モートウェルは留守。


ジョージは、
黒人の高級コールガール・シモーヌ(キャシー・タイソン)の
運転手の仕事を得る。


最初は、シモーヌの態度に腹を立てていたが、
次第に彼女に惹かれてゆくジョージ。
シモーヌは、「仕事」を終えた後、
必ず、娼婦たちが「立ちんぼ」をする橋の上を
通過するようにジョージに頼んでは、
誰か人探してをしているような素振りを見せる。


彼女は親友のキャシーを探しているのだと、
ジョージに打ち明ける。
少ない手懸りを元に、
傷つきながら、やっとキャシーを見つけたジョージだが・・・。





冴えない中年男が、
美しい娼婦に惚れ、
彼女の為に孤軍奮闘するという物語。


どう見ても主演のボブ・ホスキンス扮するジョージは、
「ステキなおじさま」とは対極の位置にいる、
パッとしないおっさん。
でもだからこそ、
この役にピッタリだし、
感情移入もしやすい。


シモーヌは、そんな彼に、
「服を買え」とお金をくれるのだけれど、
次に現れた時に彼が着てきた物には笑ってしまう。
シモーヌが望んだ服装とは全く違う、
お世辞にも、上品とは言い難いそのセンスに、
なぜに敢えてこの服を選ぶ!?と
突っ込みを入れたくなる感じ(笑)。


シモーヌは、ジョージを洋服屋に連れてゆき、
カッコいいスーツを選んでくれる。
その辺りから、
ジョージが彼女に惹かれてゆくのが分かるし、
彼自身も、なんだかカッコよく見えてくるから不思議。


彼はシモーヌと一緒にいるおかげで、
裏社会の倒錯した世界に入ってゆくけれど、
決して、彼自身が女の子に手を出す事はなく、
意外なほどに潔癖。
シモーヌに惚れてるってものあるけど、
もともと、良い人なのだろう。
そんな様子に、好感度がますますアップするのよね(笑)。


ボブ・ホプキンスはこの映画で、
カンヌ映画祭の男優賞を取ったのだそうだ。
中年男の悲哀に、
審査員の皆さんは何か感じるものがあったのかしら(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「エージェント・マロリー」 [映画]

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〔2011年/アメリカ〕


フリーでスパイ活動をするマロリー・ケイン(ジーナ・カラーノ)は、
かつての恋人で、
民間軍事会社の社長・ケネス(ユアン・マクレガー)から、
バルセロナでの人質救出の依頼を受ける。


ミッションを成功させたマロリーに、
ケネスは再び仕事を持ち込む。
それはイギリスの諜報機関からの依頼で、
同業者のポール(マイケル・ファスベンダー)と
新婚夫婦のフリをしながら、
スチューダー(マチュー・カソヴィッツ)というフランス人男性の
動向を探るという内容。


マロリーはポールと、
揃ってパーティに出掛けるが、
何かがおかしいと予感した彼女が、
周辺を探ったところ、
倉庫で、バルセロナで救出したはずの人質の遺体を発見する。


その後、彼女は武装集団に追われるようになり、
なんとかして父親の住む家に辿り着くが、
追手はこの家にもやって来ており・・・。





登場人物が皆、
ビッグネームで驚いてしまう。


マイケル・ダグラス・
アントニオ・バンデラス、
ユアン・マクレガー、
マイケル・ファスベンダー、
マチュー・カソヴィッツ、
ビル・パクストン、
そして、チャニング・テイタムなどなど。


こんな凄い人たちが、
みんな脇役扱いで、
とっても贅沢なのだけれど、
それにしては主演のマロリー役の女優さんが
ちょっと地味?
そもそも、この方の事知らないし・・・


と思っていたら、
今調べて、ビックリ。
このジーナ・カラーノという女性は、
女優ではなく、
総合格闘家として、
大変な人気があるそうだ。


なるほど、それなら納得。
女優がアクションシーンをこなした、のではなく、
格闘家が女優として映画に出たのだから、
激しいアクションシーンの本物感があったのも、
そのせいか、と。


そう考えると、
むしろ彼女と闘う男優陣の方がビビっていたのでは、
などと邪推してしまう(笑)。
チャニング・テイタムや、マイケル・ファスベンダー、
そして、ユアン・マクレガーとの争いは、
肉体と肉体がぶつかり合うような、
かなり激しいもので、
女相手に手加減するといった事はまるでない。


マロリーがファスベンダーと、
新婚夫婦を装った場面がちょっと面白かった。
駅で初めて会った彼らは、
誰が見ていても、疑われないように、
いきなり夫婦っぽい雰囲気を醸し出すように演じる。


たしかに、
「初めまして」の空気を漂わせてしまっては
絶対にマズイわけで、
それは当たり前の行為なんだけど、
なんだか面白そうで、
私も同じ事をしてみたいと思ったり(笑)。


全体的には、
マロリーは常に逃げ回っているような印象。


それは、私がしょっちゅう見る、
誰かに追われる夢にもよく似ている。
もちろん夢の中でも、
私はマロリーのようにカッコよくは逃げられないのだけれど。


評価 ★★★☆☆

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