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「背広の忍者」 [映画]

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〔1963年/日本〕


ある雨の降る夜、
産業調査会社の所長がトラックに轢かれて死亡する。
運転手は、相手が飛び出してきたのだと主張。


所員の田宮二郎は、
所長の遺品の中に枯れた葉っぱがある事に着目。
この枯れ方は、
テレビを作る際に出る薬品によるものだと気付く。


一方、日本の二大家電メーカーの
東邦電気と旭電気は、
新型テレビの開発で、
互いの情報を探り合っていた。


どうやら旭電気は、
超小型テレビの開発に成功したらしく、
その情報をキャッチした所長が、
東邦電気に報せようとする途中、
何者かに殺されたらしい・・・。





昨日書いた、
田宮二郎の「黒の爆走」が白バイ警官なら、
こちらは、いわゆる産業スパイもの。
といっても、「忍者」はないだろうと思う(笑)。
まぁ、言いたい事は分かるけれども。


田宮二郎や、登場人物たちは、
様々な方法で、
相手の会社の動向を探ろうとする。


たとえば、
観葉植物に仕込んだテープレコーダーや、
ライターやペンに見せかけたカメラなど。
今のスパイ映画と比べたら、
笑っちゃうような品々だけれど、
これでも当時は画期的だったのでしょうね。


それから、最新と言われる、
超小型テレビというのが、
ちょっと可愛い。
それは卓上型の小さなテレビで、
ブラウン管というのか、
モニターの後ろが膨らんでいる、
今の薄型テレビにはない形。


もし本当にこのような物が
当時開発段階だったとしたら、
それは大変に画期的ではないかと想像できる。


もちろん、今のケータイやゲームを考えれば、
「そんな物」って感じなんだろうけど、
でも、人間はそうやって段階を踏んで、
様々な家電や通信機器を開発してきたんだろうなぁと考えると、
その努力を本気で凄いな、と思う。
感動してしまう。


単身赴任している旭電気の社員の所に、
終末、妻がいそいそと訪ねていく様子が、
とっても可愛くて微笑ましかった。
「そうだよね、会いたいよね」って。
そんな場面にばかり注目してしまう私に、
このような映画を観る資格はないのかも(笑)。


評価 ★★★☆☆


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