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「世界の果ての通学路」 [映画]

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〔2012年/フランス〕


ケニアの11歳の少年・ジャクソンは、
6才の妹と一緒に、
野生動物が生息するサバンナを横切り、
2時間をかけて学校に通う。


アルゼンチンの11歳の少年・カルロスは、
6才の妹・ミカと一緒に、
愛馬・キベルトに乗り、
石ころだらけの道を1時間半かけて通学する。


モロッコの12歳の少女・ザヒラは、
全寮制の学校に通い、
週末だけ家族と過ごす。
月曜の朝、4時間の道のりを出発する。


インドの13歳の少年・サミュエルは、
障害があって歩けない。
手製のボロボロの車椅子を
弟2人に押してもらい、
1時間以上をかけて通学する・・・。





こういった映画を観ていて、
「これって、いっさいのヤラセ無し?」とすぐに考えしまう私は、
本当に汚れた女だと思う。


仕方ない、
頭に浮かぶものを消せはしない。
考えてしまうのだから、どうしようもない。


ケニアの少年と、彼の妹が
サバンナを歩く時、
ナレーションがやけに、象の怖さを強調する。
象は確かに、現地の方々には怖い存在なのかもしれない。
ただ、私には、象より、ライオンや豹などに遭遇した時の方が
怖い気がするんだけど・・・などと思えてしまう。
もしかしたら、彼らの通り道は、
猛獣が生息しない場所なのかもしれないけど。


キリンの群れの近くを突っ切る場面も、
臨場感を期待したけれど、
遠くにキリンが見えた、次の場面になると、
もうすでに、ジャクソンたちは群れを通り過ぎ、
かなり離れた場所を歩いていたのが残念。


インドで、兄の車椅子を押す弟たちは、
近道だからと、
いつもは通らない川を横切るけれど、
これが難しく、悪戦苦闘している。
カメラが回っている前で、
今までした事のない事をするってのが、
なんか変な気がする。


素晴らしいと思ったのは、
学校での授業風景。
どの子も真剣。
「勉強させてもらっている」。
国は違っても、言っている事は同じ。


学校に行くのが当たり前の先進国の子供と、
そこが決定的に違う。
授業中に居眠りするなんて、
きっと勿体なくてできないのだろうし、
そんな事、考えもしないのだろうと感じた。


馬で学校に通うのって、
ちょっと羨ましいな。
って、彼らにしてみたら、
決してそんな甘いものじゃないのは
分かっているのだけれども。


タイトルの「果て」って言葉が、
あまり好きじゃないかも。
だって、世界に「果て」なんて無いし。


評価 ★★★☆☆

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