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「母孔雀」 [映画]

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〔1956年/日本〕


兜町で活躍する、
紅一証券の女社長・紅谷しず江(三浦光子)は、
元夫と、その愛人に、
2人の娘を連れ去られたという、
悲しい過去があった。


そんなしず江を救ってくれたのが、
紅谷梅太郎で、
梅太郎が亡くなった後、
しず江が、会社を継いだのだ。


梅太郎には、28歳になる先妻の息子・敏夫(高倉健)がおり、
叔父夫婦は、
自分の世話する相手と結婚させようと躍起になっていたが、
敏夫は、
ひょんなことで知り合った、
淳子(田代百合子)と愛し合うようになっていた。


ところが、淳子が、
しず江と引き離された娘だと分かり・・・。





あぁ、
なぜ人は、時に、
自分の大切な人の悪い噂を聞いた時、
それをそのまま、
信じてしまうんだろう。


この映画の、
淳子の意固地で頑なな事ったら、
「人の話を聞けー!」と言いたくなる(笑)。


というのも、
淳子は、
愛する高倉健さんの義母・しず江が、
自分の実母であり、
さらに、淳子を捨てた悪い女だと、
ある男から吹き込まれる。


その男は、
淳子をやけっぱちにさせて、
手籠めにしようという魂胆なのに、
彼女はそれに気付かない。
危ない!
淳子の貞操が危ない!


そんな部屋に飛び込んできたのが、しず江。
しず江は、淳子に、
部屋から出て、一緒に帰ろうと必死に説得するのだが、
しず江を悪い母だと洗脳されてしまった淳子は、
しず江の説明など耳に入りはしない。


なんで?
なんで大切な人の話より、
昨日今日知り合った、赤の他人の話を信じる?
まずは両方の話を聞いてよ。
ちゃんと聞いて、判断してよ・・・
・・・と私が思うのは、
いい年になったからなんだろうなぁ。
20歳そこそこの淳子さんには、
まだ無理なんだろうなぁ。


それにしても、
女を酔わせて、
自分のものにしようとする男が、
しょっちゅうニュースになってるけど、
それは別に新しい事ではなく、
昔からあった事なのね。


それも、ちょっと席を立った隙に、
薬まで入れるというのだから、
怖ろしい。


出会い系などで知り合った、というだけでなく、
仕事の一環で飲みに行った時や、
一生懸命、就職活動をしている女の子にまで、
そういった事をする輩がいると聞くと、
もうどうすりゃいいの、と思う。


いくらなんでも、
私が今後そのような目に遭う事はないと思うけど、
女の子は気を付けた方がいいのかもしれない。


評価 ★★★☆☆

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「マルサの女2」 [映画]

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〔1988年/日本〕


前作で、
国税局査察部に昇進した板倉亮子(宮本信子)は、
ある地上げ屋の脱税を調査していた。


ところが、地上げ屋のバックには、
更なる大物が蠢いていた。


それは「天の道教団」という宗教団体と、
大物政治家。
宗教法人には税金がかからないという部分に
目を付けた悪人たちが、
儲けた金を隠しているらしい。


証拠を掴むため、
亮子は「天の道教団」に、
信者のように振る舞い、
中に入り込む事に成功するが・・・。





「マルサの女」の続編。
私は、「1」より面白いと感じた。


なにがって、
それは、「マルサ」の活躍より、
地上げ屋の手口と、
宗教団体の胡散臭さ。


地上げ屋って怖いのね(笑)。
って、それは当たり前の事だけど、
噂に聞くより、
映像として見るとゾッとする。


何せ、立ち退きを渋るマンションの住人に、
大音響で音楽を鳴らす、
廊下をゴミだらけにする、
その廊下にホームレスのような人を住まわせる、
さらに、ドーベルマンを放つ、
といった具合で、
私なら、すぐに逃げ出すって事柄のオンパレード。
負けるのは悔しいけど、
自分が大事。
勝ち負けなんか、この際どーでもいいと、多分思ってしまう。


宗教法人も、
信者には上手い事、言ってはいるけど、
代表の三國連太郎には、
隠し部屋があり、
さらに、少女のような愛人までいて、
その子は妊娠している。


色々、
裏の裏まで見せてもらったようで、
勉強になった。


そして、
どんなにマルサが頑張っても、
やっぱり限界があると思い知らされるラスト。
世の中、
結局、やったもん勝ちなのね。


評価 ★★★☆☆

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「いつかギラギラする日」 [映画]

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〔1991年/日本〕


ギャングのチーム、
神崎(萩原健一)
井村(石橋蓮司)
柴(千葉真一)の3人は、
ある仕事に取り掛かる。


それは、ディスコのマネージャー、
角町(木村一八)が持ち込んだ企画で、
洞爺湖の温泉ホテルの売上金、2億円を積んだ
現金輸送車を襲う、という計画だった。


計画は成功したが、
奪った現金を数えてみると、
5千万円しかない。
仕方なく、それを4等分にしようとしたとき、
血迷った井村が、
神崎たちに銃口を向け、
金を独り占めしようとし・・・。





友人がDVDを貸してくれたので、
なんとなく観始めた映画だけど、
途中で、


え!?恩ちゃん!?
と驚き、一時停止した。


劇中、出てくるロックバンドのメンバーの一人が
恩田快人氏で、
その瞬間、
私の中で、
「ああ、そうだった」と全てが繋がった気がした。


恩ちゃんは、この映画に出演した時、
友人の付き添いでエキストラとして出演した、
YUKIと出会い、
そして、バンド「JUDY AND MARY」を結成したんだ。


JUDY AND MARYは、
ファンクラブに入るくらい好きなバンドだったけど、
結成のきっかけとなった、この映画は観た事がなく、
解散して19年も経って、
こんな形でお目にかかれた事が
とても嬉しかった。


それから、もう一つ、
「あぁ、そうだった」と思い出したことがある。


それは、以前、
荻野目慶子さんの、
ご自身の半生を描いた本「女優の夜」を読んだ時、
「何か」の映画の撮影していた、ある夜、
その映画の監督だった深作欣二さんと、
最初に結ばれた時の描写が細かく描かれており、
そういえば、その「何か」の映画というのが、
この作品だった!と思い出したというわけで。


凄いな。
1本の映画がきっかけとなって、
伝説にまでなったバンドが結成され、
そして、
巨匠と言われる監督と、有名女優の、
その後、10年も続く不倫カップルが誕生するなんて。


その、荻野目慶子さん、
この映画で、
めっちゃキレた演技を見せている。


とにかくハチャメチャで、
エキセントリックで、
この映画より前の作品では、
こんな役をした事がないんじゃないかってくらい。


興行的は失敗だったという、この映画、
私はそうつまらならいとは思わなかったけど、
やっぱり観終わって、
何が一番印象的だったかって、
荻野目さんの演技に尽きるかなぁ(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「俺は上野のプレスリー」 [映画]

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〔1978年/日本〕


津軽出身で、
荒川駅の駅員をする、福士幸介(水島涼太)は、
いつも改札を通る、
可愛い女性・裕美(早乙女愛)に片思いしているが、
声を掛けられずにいる。


ある日、不正乗車の客を捕まえた幸介が、
そやつの顔をよく見ると、
津軽の同級生・弥三郎(吉幾三)ではないか。


弥三郎は、スターを夢見て、
東京に出てきたのだが、
まるで芽が出ず、
幸介のアパートに、そのまま転がり込んでくる。


そんな中、幸介は、
あるきっかけで、
裕美と口をきくようになり、
サイクリングの約束をする・・・。





津軽から出てきて、
東京で懸命に生きる若者・幸介と、
彼の同級生で、
東京でヘラヘラ生きる(笑)、若者・弥三郎の物語。


何と言っても、
まず最初に目に入って、
気になるのが、
幸介が駅員として働く、
「京成電鉄・荒川駅」の文字と、
チラッと映る、駅のホーム。


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以前、
「23区全駅制覇・京成押上線」で、
八広駅の事を書いたけれど、
 ↓
https://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2018-12-10
この映画の「荒川駅」は、
今の「八広駅」の事・・・ですよね。


映画は、その時代の風景を映す、
とても貴重な記録にもなる。
一度も行った事のない、
荒川駅が見られて良かった。


吉幾三さん演じる、弥三郎の方は、
カルーセル麻紀さんに迫られたり、
ドタバタしたコメディだけど、


真面目な幸介の恋が、とってもいい。
早乙女愛さんとの恋愛が、
成就すればいいのにな、と思いながら観ていた。


早乙女愛さんって、
さすが、「愛と誠」の愛役に選ばれただけの事があって、
本当に可愛い。


早乙女愛さんだけでなく、
他の出演者も、思いの外、豪華。
ハナ肇さん、加藤嘉さん、沢田雅美さん、榊原ルミさんなど、
凄いなぁと思っていたら、
なんと、原案が、
山田洋次監督なのだそうだ。
そりゃあ、スターが出るはずだわ。


評価 ★★★☆☆

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「マルサの女」 [映画]

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〔1987年/日本〕


板倉亮子(宮本信子)は、
やり手の税務署調査員。


ある日、亮子は、
ラブホテルのオーナー・権藤(山崎努)が、
所得隠しをしているのではないかと、
調査を始める。


しかし、権藤は抜け目ない男で、
中々証拠が掴めない。


そんな中、亮子は、
国税局査察部・通称「マルサ」に抜擢された。
彼女は「マルサ」の立場で、
権藤と対峙する事に・・・。





なるほど、
所得隠しとは、こうやってするのか、と、
興味深く観る。


色んな所に、
色んな物を隠すものだなぁ、
現金やら、
印鑑やら、
書類やら。


そして、それを家探しして見つける、
国税局の職員さんたちも凄いものだ。
隠す者と、
見つける者。
これはもう、永遠にいたちごっこなのでしょうね。


宮本信子さんの、
敏腕税務署調査員っぷりがいい。
決して強引ではなく、
どちらかといえば、
地味な感じなのに、
その勘は鋭く、
不正を見抜く。


私も会社で、
多少お金に関わる部署にいるのだけれど、
宮本さんのような調査員さんが
突然来られて、
矢継ぎ早に質問されたら、
絶対不正はないと言い切れるとしても、
緊張して、しどろもどろになってしまいそうだ(笑)。


以下は聞いた話なのだけれど、
脱税などがバレるきっかけは、
密告がかなりの割合を占めているのだとか。


元の社員が、
経営者に何らかの恨みを持ったり、
経営者に捨てられた元愛人が、
腹いせに告発したりとか、って。


この映画の、
山崎努さんの不正がハッキリばれたのも、
きっかけは、そんな感じ。


やっぱり、会社を経営する人ってのは、
人を大切にしないとね、って、
それ以前に、不正をしない事が
一番なんだけど(笑)。


評価 ★★★☆☆

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