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「落葉の炎」 [映画]

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〔1965年/日本〕


横浜で暮らす大学生の山内賢は、
あるクラブで、白人と黒人が激しい喧嘩をする場に居合わせる。
すると、そこにいた若い女・和泉雅子が、
強い口調で白人を罵倒し、
クラブから追い出した。


和泉を忘れられなくなった山内は、
翌日、街角で彼女を見かけ、
デートを重ねるようになった。


山内は、自分の家庭の秘密を和泉に告白し、
母に会わせた。
けれど和泉は、山内の事情に動じる事なく、
むしろ、「その程度の事で、甘い」と言わんばかりの
様子を見せる。


その後、山内は、
和泉の出生の秘密と、
正体を知らされ、
大変なショックを受ける。
しかし、それでも彼女を思う気持ちに変化はなかった。


突然、和泉と連絡が取れなくなり、
和泉の見張り役の男に居所を聞いた山内は・・・。





1月に、和泉雅子さんの「非行少女」の感想を書いた時、
「明るい役の多い和泉さんだけど、こんな役もできるんだ」
みたいな事を書いたけれども、
この映画の役も、
「非行少女」に近い感じ。


なにしろ彼女は、
クラブに出入りし、
いつも激しいダンスを踊っては、
周囲の者を圧倒させている。


ただ、彼女のイメージは一つではなく、
とても可愛らしい表情を見せる事もある。
その二面性がとても謎めいていて、
観ているこちらは、どちらが本当の彼女なのかと、
思わずにはいられない。
そして山内賢は、どちらかと言うと、
清楚な時の和泉さんに惹かれている感じがする。


舞台が横浜というのも、
雰囲気があっていい。
山内はとても大きな屋敷に住んでいるのだけれど、
「僕が幼い頃遊んだ場所」と言って、
和泉を家の裏に案内すると、
そこは海。


まぁ、海はともかく、
洞窟があるってのが凄い。
そこでフルートを吹く山内さん。
ちょっといいムードな場面だった。


それから、古い映画に時々出てくる、
横浜の船上生活者や船上賭博場。
こちらも大変に興味深い。


和泉さんが時折する
高笑いがちょっと耳につくし、
ダンスにも無理があったけれど(笑)、
お話はそれなりに面白い。
暗く、救いようがないけれども。


評価 ★★★☆☆

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