「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」 [映画]
〔2018年/日本〕
じゅん(安田顕)とちえ(榮倉奈々)は、
結婚3年目の夫婦。
じゅんはバツ1で、
もう二度と悲しい思いはしたくないと思っている。
ある日、じゅんが仕事を終えて帰宅すると、
ちえが口から血を流して倒れていた。
一瞬、慌てたじゅんだが、
それはちえの死んだふりだった。
翌日からちえは、
毎日、じゅんの帰宅に合わせて
死んだふりをするようになる。
エスカレートしてゆくその行為に
じゅんは次第に不安を覚え・・・。
榮倉奈々さんは確かに魅力的だ。
彼女は、長身で、
手足がとても長い。
いや、女優さんの中には、
同じくらい背の高い方もたくさんいる。
なのに、なぜ、榮倉さんは、
特別スタイルよく見えるのだろう。
姿勢がいいからだろうか。
なーんて、思いながら観ていたけど、
私はストーリーより、
別の事が気になって気になって。
榮倉さんは、
「死んだふり」をするために、
毎日毎日、
ものすごく凝ったセット(?)を設えて、
夫の帰りを待つ。
それが、私にはどうしても駄目で。
なんというか、
私は、生きてゆく上で、あまり必要と思われない物を
買うのがちょっと苦手で。
だから、榮倉さんが、
「死んだふり」に必要なセットの為の
小道具、大道具を見ると、
そ、それらの物は、一度使ったら捨てるのか?
なーんて、思ってしまうのよ(笑)。
それは別に、
私が無駄遣いをしない立派な人間だ、
なんて言いたいわけではなく、
お金を使う部分が違うんだろうと思う。
私も、映画には大分お金を掛けているし、
旅行に行くのも好き。
人から見たら、
散財してるじゃん、と言われるかもしれない。
榮倉さんの事は言えない。
それに、コレクター気質もないわけじゃない。
観た映画を50音順に並べたり、
駅や都道府県を制覇するもの大好き。
これを自分では「脳内コレクター」と呼んでいる(笑)。
この映画を観て、
夫婦愛の美しさや複雑さを
楽しめばいいのに、
つまらない事ばかりが気になって、
こんなブログ、
何の参考にもなりゃしない。
評価 ★★★☆☆
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「哀愁のサーキット」 [映画]
〔1972年/日本〕
満田和郎(峰岸徹)は、
プロのカーレーサー。
彼はある日、海岸で、
自分のレコードを海に投げ捨てている
人気歌手・榊ナオミ(木山圭)と出会う。
数日後、満田は再びナオミと出会った。
マネージャーを撒き、
仕事をほっぽり出して、
デートする2人。
それから数日間、
濃密な時間を過ごしたあと、
ナオミは帰ってゆくが、
芸能レポーターに囲まれ、
激しい追及を受ける・・・。
なんだかベッドシーンの多い映画だなぁ、
全体の3/4くらい、ベッドシーンだよ、
ここまでくるとお腹いっぱい・・・
なんて思いながら観ていたのだけど、
ブログを書くにあたって、
この映画について調べてみたら、
えーーー!ビックリ!
これって、日活ロマンポルノなの!?
一般映画がポルノっぽかった、
という経験はあるけど、
ポルノと知らないでポルノを観た経験は、
初めて(笑)。
何も知らないから、
そのシーンになると、
音量を落として観ていた(笑)。
近隣の皆様に聞こえたら、
恥ずかしいので(笑)。
しかも、ウィキペディアによると、
ベッドシーンは、
「愛のコリーダ」顔負けの、
本番だったとか。
なんだ、それを知っていたら、
そのつもりで観たのに(笑)。
もう一度観ればいいんだろうけど、
またDVDをセットするのが面倒くさいしなぁ。
いや、この映画、
私にとって重要なのはそこではない。
何がすごいって、
この映画には、
歌手の石川セリさんが、
ご本人役で出演されているのだ。
高校時代のある日、
クラスメイトが、
私の机に、
何か詩を書いたメモをぽんと置いた。
そこには、石川セリさんの、
「小さな日曜日」の歌詞が書かれていて、
それを読んだ私は、
感動で泣いてしまった。
クラスメイトは、きっと私の好きそうな歌だと思って、
そんな事をしたのだろう。
今思えば、
JKが好きそうな、感傷的な歌だけど、
その頃の私にはショックだった。
クラスメイトがなぜそんな古い歌を知っていたのかは、
今でも分からないのだけれど。
それがきっかけとなり、
セリさんの曲を聞きまくった私は、
彼女が大好きになった。
なので、
お若い頃のセリさんが
歌手役で、何曲か歌を披露しているシーンに、
感激で。
そんな事もあって、
ポルノだとは夢にも思わなかったんだろうなぁ。
(まだ言ってる(笑)。
評価 ★★★☆☆
「しあわせの一番星」 [映画]
〔1974年/日本〕
山梨県に住む16歳の美世子(浅田美代子)は、
故郷を出て、
鎌倉市の神山家に、
お手伝いさんとして住み込む事になった。
神山家の主・周造(山形勲)は、
元刑事で、融通の利かない頑固者。
周造は娘・夕子(篠ひろ子)が、
結婚前に妊娠した事に激怒、
夕子は美世子と入れ違いに、
家を出て行った。
美世子のお手伝いとしての毎日が始まった。
大好きな歌手・西城秀樹にそっくりな
クリーニング屋の店員・東条英雄(西城秀樹)や、
神山家の二階に下宿するジャネット三原(ジャネット八田)らと、
仲良くなり、
充実した日々。
ところが、そんなある日、
美世子は、ジャネットの秘密を知ってしまう・・・。
私は古い映画が大好きだけど、
ドラマも古いものが好き。
中でも、「寺内貫太郎一家」は、
DVDで何度も何度も、繰り返し見ているせいで、
台詞を空で言えるくらい(笑)。
で、この映画は、
「寺内貫太郎」でお手伝いさん役をしていた、
浅田美代子さんが、
ドラマと同じく、
お手伝いさんとして、地方から出てきて、
その愛くるしい魅力を振りまく、といった物語。
基本設定も似通っている。
お手伝い先の、
頑固な主、
結婚を反対されて飛び出した娘、など。
西城秀樹の役には笑った。
最初、西城さんは、
美世子が憧れる歌手として、
本人役で出てきて、曲を披露したので、
「あぁ、昔よくあった、ステマの手法ね」と思っていたのだけれど、
まさか、その後、
そっくりさん役で出てくるとは。
しかも名前が東条英雄て(笑)。
篠ひろ子さん、ジャネット八田さんが、
めちゃくちゃ綺麗。
以前、タモリさんが、高良健吾くんに向かって、
「俺がこの顔に生まれていたら、有頂天になるな」と
言ったけれど、
その言葉をそのまま引用したい。
「私が、篠ひろ子さんの容姿に生まれていたら有頂天になるな」(笑)。
浅田さんが、
山形さんの竹刀の素振りに合わせて、
ラジオ体操のような体操をする場面は必見。
あまりの可愛さと、
その、とぼけた感じに、
あはははは~、と笑ってしまった。
浅田さんって、大人になっても、
基本、この感じが変わっていない。
とっても魅力的。
ラストは、
青春のほろ苦さいっぱい。
評価 ★★★☆☆
「喜劇 トルコ風呂王将戦」 [映画]
〔1971年/日本〕
実業家を夢見る東次郎(山城新伍)だが、
いつまでたっても、夢は叶わず、
そんなある日、
トルコ風呂の招待券を拾う。
それがきっかけで、
トルコ嬢の玉子のアパートで暮らすようになった次郎は、
ヒモの掛け持ちをするようになった。
ところが、ある日、
次郎は、
街で美しいお嬢様・礼子(大原麗子)に一目惚れし、
自分を実業家だと言ってしまう。
なんとかして、本物の実業家になって、
礼子と結婚したいと思った次郎は、
ピンクタクシーなる商売を始めるが・・・。
過激なタイトルの割に、
内容は、特にエロくもなく、
まだ若い山城新伍氏が、
なんだかドタバタしているコメディ。
当然、深みも何もなく、
サラーっと、観てしまうが、
当時、このような映画でも
お客さんが入ったんだろうか。
タイトルに騙されたのか、
もしくは、時間つぶしに使われたのか。
まさか、デートで観にいくわけがないし(笑)。
いや、でも、馬鹿にしてはいけない。
なにせ、大原麗子さんと、菅原文太さんという、
凄いスターが2人も出ているし、
京唄子さん、鳳啓介さん、西川きよしさんという、
関西のお笑いスターや、
私の大好きな由利徹さんなど、
多彩な顔触れも見える。
特に大原麗子さんにはビックリ。
なんと、彼女の役は、トルコ嬢。
登場した時から、
たぶんそうだろうなぁと思っていたとはいえ、
やっぱりそうだったと分かった時は、
山城氏もショックを受けてたけど、
私もショック(笑)。
大原さんも、昔はそんな役をしていたんだなぁ、と。
菅原文太さんは、
もう、そのまんま、菅原さんの役(笑)。
そして、最後は、
大原さんと結ばれ、
山城氏が置いてきぼりになるのも、
お約束通り。
今、こういった一般映画は、
作られないだろうなぁ。
いや、だからこそ、
誰か作ってくれないかな。
観に行っちゃうけどな(笑)。
評価 ★★★☆☆
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「しなの川」 [映画]
〔1973年/日本〕
昭和3年。
朝田竜吉(仲雅美)は、
信濃川上流の高野家に丁稚奉公に出た。
高野家には、16歳の美しい娘・雪絵(由美かおる)がおり、
いつしか2人は恋に落ちる。
しかし、雪絵は父親の方針で寄宿学校に入れられ、
そこの国語教師・沖島雄介(岡田裕介)と親しくなる。
沖島は校長から注意を受け、
雪絵は家に連れ戻されるも、
沖島と駆け落ちする。
沖島との恋が終わり、
実家に戻った雪絵を、
人々は
「母親ソックリの男好き」と噂した。
雪絵の母親は、
雪絵が幼い頃、家を出て、
消息不明なのだ。
雪絵は、母が佐渡島にいるとの噂を聞き、
会いに行くが・・・。
「しなの川」「由美かおる」と聞けば、
おそらく、大多数の方が
エロ方面を想像する事だろう。
私もそうだった(笑)。
確かに、由美かおるさんのヌードシーンはある。
でも、それは1回だけだし、
特にいやらしさを感じる場面ではなかった。
それに、物語も悪くはない。
由美かおるさんには
淫蕩な血が流れている、というけれど、
私の中で、淫蕩ってのは、
不特定多数の男と関係する女ってイメージだから、
特に彼女がアバズレだとは思わない。
彼女は恋をする時は、いつも真剣だもの。
恋の相手が、竜吉から沖島に変わったのだって、
それほど驚く事ではない。
彼女はまだ16歳よ。
16歳で、生涯の相手を決められる人なんて
ほんの少数でしょ。
そもそも、竜吉との事は、
ただの淡い初恋だ。
初恋が成就しないなんて、当たり前の事だ。
母親が番頭と駆け落ちしたのは、
確かに良い事とは言えないけど、
でも、映画を観ていただければ、
その理由も納得する。
それは父に理由があるのだ。
あれを見たら、
母親だけを責める事はできない。
あれではいくらなんでも、可哀想だ。
由美かおるさんは、
彼女なりに、最後はちゃんと落とし前をつける。
まぁ、その後の彼女の人生が、
平穏なものとなるのか、
母と同じ道を歩むのかは分からないけれども。
評価 ★★★☆☆