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「ずべ公番長 夢は夜ひらく」 [映画]

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〔1970年/日本〕


ずべ公の矯正施設「赤城学園」を出た
影山リカ(大信田礼子)は、
クリーニング店に勤めるが、
店主に襲われそうになり、飛び出す。


バー「紫」で働くことになったリカ。
この店は、
ママ・梅子(宮園純子)や、
長子、マリ、ミツ子らホステス達も「赤城学園」出身で、
働きやすかったが、
店は暴力団・大羽興行に狙われている。


大羽興行は、麻薬を密輸しては、
不良たちに売り捌き、
マリの妹・バニー(五十嵐淳子)も、
そのせいで薬中になっている。


ある日、リカが、
バニーを匿った事から、
「紫」と大羽興行の関係が拗れ、
ママは窮地に追い込まれてしまう・・・。





藤圭子出演映画コンプリート計画、5作目。
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2024-09-16
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2024-09-10
やった!
これで藤圭子さんが生涯出演した5本の映画を全部観た。


本作の藤さんの出番はほんの数分、
流しの役で歌い、
二言三言のセリフがあるだけ。
(声は、ちゃんとご本人)
それでも、ポスターではこの扱いなので、
当時、藤圭子さんがいかに人気があったかが分かる。


ちなみに、この写真は、
外国で発売された、本作のDVDのジャケ写。
このような映画が海外でも売られているのが興味深いけど、
クエンティン・タランティーノ監督が、
「古い日本映画が大好き。世界一好きな女優は梶芽衣子」と
言って憚らないくらいなので、
古い邦画の需要は想像以上に大きいのだろうと思う。
それは、古い邦画大好きな私にとっても、
とても嬉しい事です。


本作では、大信田礼子さんがカッコよく、
それから、チョイ役で出ている夏純子さんが綺麗で、
2人のずべ公同士の喧嘩が見もの。


そして、途中からなぜか助っ人として現れる、
梅宮辰夫さん、カッケー(笑)。
しかも彼、ラストに殺されちゃうし。
なんだかとっても無駄遣い(笑)。


しっかし、映画ってのは、
1本観ると、芋づる式に(使い方あってる?(笑))、
次の映画を観たくなるものですな。


というのも、この「ずべ公番長」シリーズ、
当時ヒットしたのか、本作のあと続編が3本作られている。
・ずべ公番長 東京流れ者(1970)
・ずべ公番長 はまぐれ数え唄(1971)
・ずべ公番長 ざんげの値打ちもない(1971)


そうなると、私の性格上、
コンプリートせずにはいられないわけで(笑)、
すぐ取り掛かるつもり。
ブログに書くかは分からないけど(笑)。


宇多田ヒカルのライブに行ったのがきっかけで、
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2024-09-03
藤圭子さん出演の映画を全制覇ができたわけだけど、
宇多田ヒカルといえば、昨年8月に出演したテレビ番組で、
「一番会いたい人は前川清さん」と発言し、
これに呼応して、前川さんも、
「私も会いたいですよ」発信して話題になった。


あぁ、本当に2人の対面を実現してほしいなぁ。
宇多田ヒカルと前川さんは、
本当の父娘ではないけれど、
なんだか私の中では、
生き別れた実の親子というイメージがあって。


前川清さんは現在76歳ですが、
テレビやyoutubeなどでお話しを聞いていると、
とても柔軟なお考えを持ったかたで、
素敵だな、と思いながら見ています。


早いうちに2人が会えますように。


評価 ★★★☆☆

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「涙の流し唄 命預けます」 [映画]

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〔1970年/日本〕


多田弘子(生田悦子)は、
出稼ぎに行ったまま帰らない父(伴淳三郎)を訪ねて、
東京に行こうとするも、
最終電車に乗り遅れ、
平雄作(目黒祐樹)の運転する長距離トラックに乗せてもらう。


父は東京で女と暮らしており、
頼る事ができないと分かった弘子は、
喫茶店でウエイトレスを始め、
そして、雄作と愛し合うようになる。


実は、雄作は、
バーのママ(佐藤友美)に囲われており、
弘子との結婚のため、
ママに別れを切り出すも、
ママは、決して彼を離そうとはしない。


「別れるなら金を寄越せ」と言われた雄作は、
血のにじむような思いで、
昼夜トラックの運転を続け、
やっと金を作るが・・・。





藤圭子出演映画コンプリート計画、4作目。
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2024-09-10


この映画で、
藤圭子さんは、主役ではなく、
主役の生田悦子さんの
お友達という役どころ。


そう考えると、
主役の生田さんより、藤圭子さんが大きく写っている、
このポスターは、
詐欺のようにも思えるが(笑)、
きっと藤さんが出演しているとアピールする事で、
観客が呼べると見込んだのでしょうね。


藤さんは、とっても優しくて、
生田さんの惚気話を、
うんうんと、笑顔で聞いてくれるし、
生田さんが悩んでいるときは、
本気で心配してくれる、
すごくいい子・・・
なんだけど、


何これ?


藤さんの声が・・・
喋っている時の声が・・・
明らかに、本人じゃないじゃーん(笑)。


藤圭子さんって、歌声も渋いけど、
お話しする時も、
結構渋い声だと思うんだけど、
この映画では、明らかに別の人。
だって、凄く甲高くて、
可愛い声なのよ。


うーん、どうした事か。
本業が女優ではない藤さんだから、
アフレコが上手くいかなくて、
別の人が、声だけ演じたのだろうか。


他の人の意見が聞きたくて、
ネットを検索してみたら、
お一人だけ、観ているかたがいたので読んでみたら、
そのかたは、
「藤圭子の演技が棒すぎて」と書かれている。


私が観たのは、「棒」ではなく、
別の人だと思うので、
別のバージョンがあるのか。


ただ、藤さんの、
歌っている時の声は、勿論ご本人・・・


・・・って、当たり前よね(笑)。
歌声まで藤さんじゃなかったら、
映画館で暴動が起こるわ(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「藤圭子 わが歌のある限り」 [映画]

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〔1971年/日本〕


本日、あと2時間足らずで、
新人歌手・藤圭子(藤圭子)のリサイタルが始まる。
しかし、圭子はまだ来ていない。
超満員の観客は、幕開けが待ちきれない様子。
圭子の師匠で作曲家の石中(天知茂)は、
信じていた。
圭子は必ず来ると・・・。


・・・圭子は、北海道旭川市で、
浪曲師の父と三味線弾きの母(長門勇・扇千景)の間に生まれた。
家は大変に貧しく、
両親、圭子、弟の4人で、興行に歩く日々。


そんなある日、母の目が見えなくなってしまう。
歌が上手いと評判だった圭子が、
母の代わりに舞台に立ち、
それを見た作曲家の石中が、
「東京で自分がレッスンをする」と言ってくれる。


厳しいレッスンのおかげで、
レコードデビューする事ができた圭子だが、
週刊誌に、ある事ない事書かれた事に
嫌気が差し、
旭川時代の先輩・吉田(田村亮)と暮らし始め、
もう歌手は辞めると言い出す・・・。





先日、宇多田ヒカルのライブに行った事を
書いたけれど、
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2024-09-03
そうなると、やっぱり気になるのは、
彼女の母・藤圭子さん。


調べてみると、
藤圭子さんは、5本の映画に出演している。


そのうち、既に観ているのが、
 ↓ この2本
・盛り場流し唄 新宿の女(1970年)
・女子学園 ヤバい卒業(1970年)


観ていないのが、
 ↓ この3本。
・ずべ公番長 夢は夜ひらく(1970年、東映)
・涙の流し唄 命預けます(1970年、松竹)
・藤圭子 わが歌のある限り(1971年、松竹)


この機会に、
今日から連続3本を全部観るぞ!
藤圭子コンプリートだ!という事で(笑)、
最初に観たのが本作。


物語は藤圭子さんが5歳の時から始まり、
リサイタルを開く所までが、
自伝のように描かれる。


もちろん、脚色してある部分も多いだろうし、
逆に、彼女の人生の艱難辛苦は、
こんな短い映画では描ききれないだろうとも思う。


藤圭子を見出し、上京させ、
厳しいレッスンをした石中という作曲家は、
Wikipediaを見ると、
石坂まさをさんだと思われるけれど、


劇中、石中は、
圭子を育てる事に夢中になるあまり、
夫婦関係が崩壊し、
家庭がめちゃめちゃになってしまうというエピソードがある。


もちろん、そんな事を圭子が望むはずはなく、
彼女は、大変に心を痛めるのだけれど、
今も昔も、
芸能界って、そういう事があるんだろうなぁと
思ったりする。


それにしても、藤圭子さんの名前が、
そのままタイトルになり、
脇を固めるのが大スターばかり
(伴淳三郎さん、坂上二郎さん、左とん平さんなどが、
 チョイ役で出演)の映画が作られるなんて、
当時の彼女が、
どれだけ人気があったのかが、
偲ばれるようにも思う。


評価 ★★★☆☆

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「花のいのちを」 [映画]

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〔1954年/日本〕


昭和19年。
綾乃(沢村美智子)と田鶴子(山本富士子)は、
同じ女学校を卒業した親友同士だったが、
田鶴子が密かに思いを寄せる健太郎(菅原謙二)が、
綾乃と愛し合うようになり、
田鶴子の心は乱れる。


失意の田鶴子に、
彼女の従兄・秋彦(高松英郎)は、
薬を入れた酒を飲ませ、
凌辱する。


戦争が激しくなり、
健太郎は出征。
綾乃は、彼の帰りを待つと誓うが、
健太郎が復員してくると、
綾乃の住んでいた辺りは焦土となっていた。


一方、綾乃は、
秋彦から、
「健太郎は戦死した」と嘘を教えられ、
凌辱されそうになった所を、
必死で逃げ出し、
信州の叔父夫婦の家に身を寄せた。
ところが、
ここにも秋彦の手が伸びてきて・・・。





あーーーーー、
あまりの、すれ違いすれ違いすれ違い、の連続に、
イライラが止まらん!(笑)


どうにも、まだるっこしくて、
じっと観ていられなくて、
綾乃が、最後、幸せになれるのか否かを
知っておきたいと思い、
早送りして、
ラストを、先に確認しちゃった(笑)。


山本富士子さんが出演されているから
楽しみにしていたのだけれど、
山本さんの名前は3番目。
主役じゃない?と思ったら、
主人公のお友達の役、
しかも、普段、性格のいい役が多い山本さんにしては、
出だし、嫌な女だった。


まぁ、山本さんの嫌な役は、
片思いする彼の気持ちが、
親友に向いてしまった事への嫉妬で、
仕方ないともいえるけど、


最悪なのが、高松英郎さん。
高松英郎さんって、
私生活では、とても人格者だったと
聞いた事があるけど、
映画では、
なぜか悪役が多い。
この映画でも、
どうにも、更生のしようがない、
悪党を演じていて、
観ているこちらが、
ストレスで、憤死しそう(笑)。


そういえば、ずっと前に、
映画「マチネの終わりに」のレビューに、
【ケータイから送られてきたメールを打っているのは、
 そのケータイの持ち主であると、疑ったりはしない】
と書いたけれど、
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2022-07-28

この作品で、
高松さんは、
電報を使って、綾乃を騙す。


確かに、電報も、
まさか、その内容が嘘だなんて、
疑う人はいないものね。
メールの無い時代にも、
そういう事をする悪党はいたのだと
思い知らされる、
本当に腹立つ場面だった。


まったく、こんなにストレス溜めてまで、
観るなよ、って話だけど、
古い邦画はやっぱり大好きで、
観てしまう(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「朽ちないサクラ」 [映画]

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〔2024年/日本〕


警察の広報課で
事務員として働く森口泉(杉咲花)は、
親友で新聞記者の津村千佳に、
警察内のある秘密をうっかり喋ってしまい、
慌てて口止めする。


しかし、その事が新聞にスクープとして載ってしまう。
千佳は「自分がネタ元ではない」と、
必死に泉に訴えるが、
泉は信じる事ができない。
すると千佳は「疑いを晴らせてみせる」と言い、
その日は別れる。


一週間後。
千佳が殺害される。
千佳の訴えは本当だったのか、
なぜ殺されなければならなかったのか。


泉は同期の刑事・磯川(萩原利久)と共に、
千佳殺害の真相の調査を始めるが、
そこには怖ろしい事実が・・・。





原作は柚月裕子さん。
相変わらず凄いな。
今の時代、
男だ、女だなどと
言ってはいけないんだろうけど、
到底、女の書くものとは思えない。


以前、「孤狼の血」を観て、
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2019-09-14
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2021-08-15
これが女性が原作だと知った時は、
驚いたものだ。
柚月さんご自身も「男の世界」が好きだと言う。
世の中はますます多様化している。


主役の泉を演じる杉咲花がいい。
見た目が小柄で幼い感じなので、
少女のような演技なのかと思ったら、
親友の死の真相を探る、
芯の通った役を、
上手く演じている。


泉は、自分が、
警察内の秘密を、
うっかり新聞社勤務の親友・千佳に漏らしてしまい、
その事がスクープとして新聞に載せられると、
それを千佳のせいだと思ってしまうわけだけど、


これは、どちらの立場も苦しい。
秘密を話してしまった泉が
絶対的に悪いけど、
聞いてしまった親友にしてみれば、
友情か、仕事かの
板挟みになってしまう。


物語は、
あるカルト教団に繋がってゆくのだけれど、
この教団が起こしたテロというのが、
以前、日本中を震撼させた事件を思い起こさせて、
背筋が寒くなる。


それから、架空の話とはいえ、
警察の内部ってのは、
こんなにも
得体が知れないものだというのも、
怖ろしい。


評価 ★★★☆☆

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