SSブログ

「続 愛と誠」 [映画]

zokuaitomakoto.jpg
〔1975年/日本〕


私立の名門・青葉台高校を退学となった太賀誠(南条弘二)は、
不良の巣窟として名高い花園実業高校に転校する。


転校生だというのに、全く物怖じしない誠に、
不良たちは苛立ち、
ついにスケバンのガム子が、最初に手を出すも失敗。
誠は自身の力を不良たちに見せつけるが、
それは、彼を追い込む事でもあった。


教師や生徒たちが恐れる「影の大番長」の存在に気付いた誠は、
それが誰なのか追及を始めるが、
中々正体が分からない。


そんな花園実業に、誠を追って青葉台から早乙女愛が転校してくる。
青葉台とは180度雰囲気の違う花園実業であったが、
校庭の片隅でツルゲーネフの「初恋」を読む、
美少女・高原由紀(多岐川裕美)に出会い、
彼女となら友達になれそうだと安堵する愛。


ところが、放課後の繁華街で由紀を見かけ、
後を追った愛は、
スケバンたちがたむろするスナックで、
女王然と振る舞う彼女を見て驚く。
由紀こそが「影の大番長」だったのだ・・・。





以前にも書いたけれど、
「愛と誠」は、私が今まで読んだ漫画の中で、
オールタイムベスト5に入る、とにかく好きな作品。


このブログを始めて半年くらい経った頃、
西城秀樹さんが誠を演じる1974年版の映画の感想を書いた。
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2011-05-30


その時はまだ、
DVDのレンタルがなくて、
中古のビデオテープを買って観たのだと記憶している。
読み返してみると、
「いつか3部作全部を観てみたい」とある。


で、この間、レンタル店で偶然、
続編の2本が棚にあってビックリ。
いつの間に(笑)。
なんにしても喜ばしい事だ。
嬉しくてすぐに借りた。
プレーヤーにソフトをセットするだけでワクワクする。


物語は、コミックでは4巻の最初の方の、
太賀誠が花園実業に転校した場面から始まる。
私はこの花園実業が好きで好きで(笑)。


生徒全員が不良という、
有り得ない高校な上に、
彼らのルックスや、する事なす事昭和なのがウケる(笑)。


こんな学校に、誠を追って転校してくる、
早乙女財閥の超お嬢様・早乙女愛。
私は高校を転校した事がないから、
よくは分からないけど、
それをするには、親の許可が必要不可欠なのでは?(笑)
もう絶対そんな事、
愛の両親が許すわけないと思うんだけど(笑)。


花園実業に新任教師としてやって来た、
体育教師・天地大介(森次晃嗣)の
空気の読めなさっぷりが滑稽で。
彼は武道やラグビーや野球の達人らしいけど、
そんなものは、花園で通用しはしない。


というより、スポーツさえしていれば
健全な精神が養われるという、
筋肉馬鹿(ごめんなさい)の単純な発想が、
花園の生徒たちにどう思われるのかを、
考えようともしない。
案の定、彼は大変な報復を受け、
精神を病んで花園を去ってゆく。


この映画の主人公は、
早乙女愛より、高原由紀だと思う。
彼女が登場してから、
「影の大番長」として正体を現し、
そして、誠を愛してしまうかもしれないという葛藤から
自殺するまでを、
早乙女愛の出番より多いと思われるくらい
長い時間を割いて描かれる。


「影の主人公」(私が勝手に決めた(笑))、
岩清水弘は、本作には登場しない。
確かにコミックでも、
岩清水が花園に転校してくるのは、
由紀の死後だものね。
その流れは正しい。


評価 ★★★☆☆

nice!(47)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画