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「ジョニーは戦場へ行った」 [映画]

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〔1971年/アメリカ〕


第一次世界大戦の真っ只中。
ある病院で、四肢をもがれ、
目も、耳も機能しない若い兵士が、
「姓名年齢不詳407号」として、
治療を受ける事になる。


彼の名前はジョニー・ボナム(ティモシー・ボトムズ)。
医師たちは、
「彼には全く意識がない」と言い、
それでも彼を生かしておく理由を、
「我々が学ぶため」だと言う。


しかし、実はジョニーは、
植物状態ではなかった。
彼の脳はハッキリとした意識を持ち、
過去の出来事を思い出し、
現在の状況についても、
次第に分かって来ていた。


医師や看護師は、
ジョニーの脳が死んでいない事に
気付き始めるのだが・・・。





この映画の中で、
私が日頃、当たり前のものとして、
その有難味について深く考えた事のないものが2つあった。


それは、
太陽と言葉。


主人公のジョニーは、
最初、窓をカーテンで閉ざされた、
暗い部屋にいるのだけれど、
新しい看護師さんの方針で、
カーテンが開けられ、
部屋がパッと明るくなる。


その時の彼の喜びったら、
まさしく、心にまで光が差したような瞬間だった。
映画を観る者は、
彼が頭の中で考えている事を、
ナレーションによって知っているので、
心から、
「良かったね」と言いたくなるような場面。


それから、
ジョニーに意思がある事に気付いた看護師が、
彼の胸の上で、指を動かしている。
それが文字を書いているのだと気付いた時の、
彼の興奮。
「MERRY CHRISTMAS」
たったそれだけの言葉が、
彼にどれだけの希望を与えたか。
言葉って、なんて素晴らしいんだろう。


他の場面については、
詳しくは書かない。
どんなに言葉を尽くしても、
私の文章力では、
ありきたりで、陳腐なものになってしまいそうで恥ずかしい。


同じような状況のお話は、
日本でも、
江戸川乱歩の、「芋虫」がある。


あちらも戦争が原因で、
ジョニーと同じような状況で家に戻ってきた兵士が、
妻に介護される物語だった。


生きるってどういう事なんだろう。


評価 ★★★★☆

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