「うだつ食堂」さんへ。 [できごと]
ここ3回、連続して、
「一人徳島映画祭」をしてきましたが、
映画だけでなく、
徳島で食べた「徳島ラーメン」の美味しさが忘れられず、
↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2020-12-20
都内で食べられるお店はないかと、
ネットで検索してみました。
すると、
何軒かヒットし、
その中の一軒、
都電荒川線・早稲田駅の近くにある、
「うだつ食堂」さんに行ってみたいと思いました。
ただ、その日は1月5日。
緊急事態宣言はまだ出ていないとはいえ、
感染者が増えていた頃で、
やはりやめたほうが方がいいのだろうか、
いや、一人で行って、
「黙食」なら、
迷惑は掛けないんじゃないだろうか、など、
様々な事が頭の中を駆け巡ります。
でも、こんな世の中、
明日には何がどうなっているか分からない。
という事で、
思い切って行きました。
お店の前に、
「徳島ラーメン」についての、
詳しい由来が書かれていて、
入る前に真剣に読んでしまいます。
美味しかったです。
豚バラ肉の量がとても多く、
一般的なラーメンより、
お腹がいっぱいになりました。
私は豚肉は、
バラが一番好きなので、
「徳島ラーメン」は、
自分にすごく合っているように思います。
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このレビューを書くにあたって、
わざわざ「緊急事態宣言前」などと、
言い訳のように記す、気の小さい自分が嫌になります。
あと数年は、大人数での会食は控えたほうがいいというのは
本当なのでしょうか。
どうしても食べたい物があったら、
やっぱり「黙食」?
〇〇はOK
〇〇はNG
というのが、
情報が錯綜しすぎていて、
何が正しいのか、正直分かりません。
もう、自分で考えて、
OKとNGのラインを決めるしかないのでしょうね。
もちろん、
マスクの着用、
手洗いの励行などは、
今までと変わりなく、絶対です。
ああ、
こんな騒動が、
一日も早く終息しますように。
「虹をつかむ男」 [映画]
〔1996年/日本〕
就職試験に失敗した平山亮(吉岡秀隆)は、
実家を飛び出し、
徳島県にやってきた。
古い映画館「オデオン座」で、
館長・白銀活男(西田敏行)から、
「働いてみないか」と声を掛けられた亮は、
映画館に住み着くことになった。
活男は映画を深く愛する男で、
土曜名画劇場や、
巡回映画などにも力を入れ、
多くの人に映画の良さを知ってもらおうと
懸命だった。
明るく、積極的な活男だったが、
幼馴染で未亡人の八重子(田中裕子)にだけは、
恋心を伝えられず・・・。
一人徳島映画祭、
第三弾。
何かで読んだのだけれど、
四国の映画というと、
なぜか、高知県を舞台にした作品が多く、
他の県のものは、あまりないのだとか。
確かに、以前、高知旅行から帰ったあと、
一人高知映画祭をした時は、
↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2018-03-07
どの映画を観ようか迷うくらい、
映画があったと記憶しているし、
別枠で、宮尾登美子さん原作の作品もあった。
徳島県を舞台にした映画を
色々検索してみたけれど、
確かに、数が少ない。
とても素敵な県なのに、
勿体ない気がする。
この、「虹をつかむ男」は、
そんな徳島県を舞台にした作品で、
山田洋次監督の、
映画への思いが伝わってくる内容。
私は、国内に旅行に行ったとき、
できるだけ、その土地の映画館に行くと
決めているのだけれど、
西田敏行さんが館長をする、
「オデオン座」は、
徳島県美馬市に実在するそうで、
映画館としての経営はされていないそうだけれど、
観光名所になっているそうだ。
で、その西田敏行さん扮する、館長の活男が、
とにかく映画が大好きなうえに、
記憶力がいい。
映画のタイトルを聞いただけで、
粗筋から、細かい設定まで、
身振り手振りで、
そこにいる人に説明する。
で、みんな実際にその映画を観ると、
「映画より、かっちゃんの話の方が面白かった」
という始末(笑)。
実は私も、かっちゃんの、
「かくも長き不在」の説明で、
あぁ、そんな映画だったな、と思い出したくらい(笑)。
演じている俳優さんたちが、
「寅さん」でお馴染みの皆様たちなのも、
可笑しい。
吉岡秀隆さんの両親は、
「寅さん」と全く同じ、前田吟さんと、倍賞千恵子さんで、
柴又に住んでいるという設定だし、
下條正巳さん、三崎千恵子さん、佐藤蛾次郎さんなども
出てくる。
本当は、この面子で、
「寅さん」の新作を撮る予定だったのが、
渥美清さんが亡くなられたため、
この映画に変更になったそうだ。
そして、この映画がきっかけで、
西田敏行さんの「釣りバカ日誌」が
始まったというのだから面白い。
評価 ★★★☆☆
「人生、いろどり」 [映画]
〔2012年/日本〕
四国で最も人口が少ない、
徳島県上勝町。
ここは、蜜柑の名産地だったが、
ある年、大変な不作で、
住人たちは、苦境に立たされる。
すると、農協の職員・江田(平岡祐太)が、
料理を彩る葉っぱ、
いわゆる「つま」を売り出したらどうかと提案する。
小さな商店を営む花恵(富司純子)と、
農家の妻・薫(吉行和子)は、
その話に乗り、
市場に「葉っぱ」を出すようになる。
そんな中、
2人の幼馴染で、
学校の教師をしていた路子(中尾ミエ)が
町に帰ってきて、
一緒に仕事をするようになる。
しかし、薫の夫・輝夫(藤竜也)は、
自分の支配下にあった妻が、
新しいことをするのが気に入らず・・・。
一人徳島映画祭、
第二弾。
この物語は実話だそうで、
徳島県上勝町の、
高齢女性たちが始めたビジネスが、
今では年商2億円になるまでに
成長した話を描いたそうだ。
最初は、私も、
不安になる。
山に行けば、いくらでもタダで手に入る
「葉っぱ」が、
売れるわけないんじゃないだろうか、と。
いや、でも、
観ているうちに、その考えは間違いだと気付く。
たしかに、上勝町の景色だけ見ていたら、
「葉っぱ」は、その辺に無限にあるけれど、
少し都会の料亭やレストランにしてみたら、
毎日、自分で「葉っぱ」を取りに行けるわけはなく、
それが市場で売っていたら、
そりゃあ、買うだろうな、と。
それに、葉っぱビジネスが軌道に乗ってくると、
お客様の注文に応じて、
その季節でない葉っぱでも、
いつでも出荷できるようにしたり、
形や大きさなども、
全て揃えなければならず、
思っているより、大変な仕事だ。
試行錯誤を繰り返しながら、
ビジネスを成功させてゆく、
富司純子さん、吉行和子さん、中尾ミエさんが、
とってもいい。
3人が葉っぱビジネスを始めた頃、
一体、葉っぱが、どんな風に使われているのかを、
徳島市の料亭に、
潜入調査(?)のために、お食事に行く場面が大好き。
そんなすごい料亭に行った事のない3人、
特に、
富司純子さんと、吉行和子さんは、
緊張しちゃって、及び腰に。
笑えるし、可愛い。
吉行和子さんと、藤竜也さんが、
夫婦役だと見た途端、
あっ!と思った。
このお二人、
「愛のコリーダ」に続く、
↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2016-08-04
大島渚監督のハードコア映画、
「愛の亡霊」で、
激しいラブシーンを演じたカップルではないか。
それが年を重ねられて、
この映画では、
円熟した夫婦役を。
藤竜也さんが、威張りすぎているのが気にはなるけど、
でも、最後はいい夫婦っぷりで。
俳優さん同士の組み合わせって面白い。
評価 ★★★★☆
「眉山」 [映画]
〔2007年/日本〕
東京の旅行会社で働く、
キャリアウーマンの咲子(松嶋菜々子)は、
徳島で暮らす母(宮本信子)が倒れたとの知らせを受け、
帰郷する。
母はシングルマザーで、
父は死んだと聞かされて育ってきた咲子だが、
幼い頃から薄々、
父は生きているのではないかという思いを
抱いていた。
学生の頃は反発もしたが、
あの強かった母が
余命いくばくもないと知らされ、
きちんと看取ろうと決めた咲子。
そんな中、
父親からだと思われる、
母に宛てた沢山の手紙を読んだ咲子は、
書かれた住所を頼りに、
その場所を訪ね・・・。
本当に楽しかった、昨年の徳島旅行。
あの時の思い出が、
今でも心に沁みついて、
ずっと離れません。
このブログに、街のシンボルのような眉山に登った事を
書いたのだけれど、
↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2020-12-20
そうなると、
映画「眉山」を観ないでいるのは、
落ち着かず、
帰ってからすぐ、DVDを借りてきました。
徳島に行った記憶がまだ新しかったせいもあろうけど、
泣きました。
観られた方は分かると思うのですが、
クライマックスの、
阿波踊りのシーン。
主人公の咲子の母が、
一生にたった一人、
愛した男性と・・・。
私はああいったシーンに弱いな。
泣けて泣けて仕方がなかった。
父と母と関係は、
確かに世間では、
許されない事なのかもしれない。
それは分かってる。
父の妻の立場に立ったら許せない、
と言われる方もおられよう。
でも、人はロボットじゃない。
理屈や法律だけではどうすることも
できない事がある。
それに、
相手の立場に立って
物事を考えることは、確かにとても大切だけど、
そんなにいつもいつもでは、
自分が無くなってしまう。
一生に一度でも、
自分の思うように生きる、
そんなことがあってもいいんじゃないだろうか。
江戸っ子で、
今は、恋人の故郷で料亭を営むという役の
宮本信子さんの気風の良さと、啖呵には、
スッキリする思いだし、
松嶋菜々子さんも美しい。
この映画は、
徳島市の全面的なバックアップがあったそうだ。
眉山から街を見下ろすシーンもあり、
自分が見たのと同じ風景に、
うわーと思ったり。
徳島をそんな風に美しく撮れた映画がある事、
嬉しく思います。
評価 ★★★★☆
「(秘)トルコ風呂」 [映画]
〔1968年/日本〕
東北の寒村で暮らす卵子(大原麗子)は、
臨時芸者として、体を売っていたが、
ある夜、客が腹上死してしまう。
警察に捕まってしまうと思い込んだ卵子は、
慌てて逃げだし、
東京にやって来る。
新宿で、ナミ(中原早苗)という女と知り合った卵子は、
そのまま、彼女のマンションに連れていかれる。
ナミは、トルコ風呂で働いており、
そこで稼いだ金を、
高利で人に貸して、儲けていた。
彼女は実は同性愛者で、卵子を一目見て、
その魅力に取りつかれたのだ。
卵子は、ナミと肉体関係を持つが、
ナミの元夫(梅宮辰夫)とも関係し・・・。
大原麗子さんの、
可愛らしい姿しか知らない私には、
この映画はちょっと驚き。
Wikipediaによると、
大原さんのご親族が書かれた本の中でも、
この映画については触れられていないそうだ。
でも、そこまで黒歴史な内容なんだろうか、とも思う。
確かにショックなシーンは多いけど、
大原さんは、とても魅力的で、
野良猫のような自由奔放さが、
彼女の雰囲気にとても合っているように思った。
出だしは暗い。
大原さんが暮らす、
東北の寒村というのが、
ちょっと驚くくらいの貧しさで、
東北弁で話す彼女の、
一人称は、「おら」。
売春を生業にする彼女が、
仕事中に客に死なれ、
東京へ逃げる・・・
・・・と、ここまで観ると、
ああ、この子は、
東京で地獄まで落ちてゆくのかなぁと、
悪い方へ想像が広がる。
けれど、次第に大原さんの本領発揮。
彼女の魅力と、
自由奔放さは、
周囲の人を取り込み、
物語は次第にサスペンス風に。
特に、ナミに、
忠犬ハチ公のように尽くしていた秘書の男が、
大原さんと組んだ辺りから、
面白さが増す。
あぁ、だからこそ、
ラスト近くで、
大原さんが手にした大金の行方が、
私には悔しくて悔しくて(笑)。
絶対に足のつかない、
誰にも取り返される事もない、
お金だったのに。
人と揉めるときは、
断崖絶壁だけは避けようと、
心から思った場面(笑)。
評価 ★★★★☆