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「わたしに××しなさい!」 [映画]

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〔2018年/日本〕


氷室雪菜(玉城ティナ)は女子中学生だが、
実は、人気ウェブ作家でもあった。
そのことを知っているのは、
従兄弟で同じ学校の霜月晶(佐藤寛太)だけ。


読者の要望に応えるため、
小説に恋愛要素を盛り込もうとするも、
恋したことすらない雪菜は困り、
学校の誰かと疑似恋愛しようと決める。


さて、相手は誰にしようか。
え?生徒会長の北見時雨(小関裕太)?
ダメダメ、あんな、
絵に描いたような人畜無害の好青年、
面白くもなんともありゃしない・・・


・・・って、あれ?誰かの生徒手帳が落ちてるよ。
誰のだろ、時雨んじゃん。
えーー!何これ?
時雨ったら、自分に告ってきた女子たちの名前を
記録してるよ。
なんだ、この裏の顔は。
決めた、
私と疑似恋愛するのは、あやつだ・・・。





これを書くにあたって、
色々調べていてビックリ。
この登場人物たちって、
中学生なの!?


てっきり高校生だと思って、
観ていたんだけど、
いや、原作漫画が中学生ってだけで、
映画ではどうなんだろう。
思い込みで観ていた私が悪い。


中学生で、人気ウェブ作家かぁ。
しかも、ただのネット上だけの評判で、
得られるのは広告収入だけ、
なんて、生易しいものじゃない。
雪菜には、ちゃんとした出版社が付いていて、
担当さんまでいるのだ。


中学生で、一体いくら稼いでいるのか、
才能のある子が羨ましい・・・
・・・って、金か?
この物語の主題は、金なのか?(笑)。


・・・当然違う。
純粋な読者の皆様は、
雪菜と時雨の、
疑似恋愛から、本物の恋愛に発展してゆく過程に、
胸もキュンキュンさせてるのよね、
金でなく(しつこい(笑))。


それから、
もう一人、重要人物、
ネット小説のライバル作家・氷雨ってのが、
実は、時雨の弟だったというのも、
すごい展開。


雪菜や時雨が中3ってことは、
1つ下の氷雨は中2!?


なにもかもが凄い展開であった。
いろんな意味で。


評価 ★★☆☆☆

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「我等の生涯の最良の年」 [映画]

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〔1946年/アメリカ〕


長かった第二次世界大戦が終わり、
復員兵たちが、アメリカ本土に戻りつつある頃。
軍曹のアル(フレドリック・マーチ)、
飛行大尉のフレッド(ダナ・アンドリュース)、
水兵のホーマー(ハロルド・ラッセル)の3人は、
故郷が同じだったため、
軍用輸送機に乗せてもらい、帰ってくる。


アルは、妻や、
成長した子供たちに迎えられ、
その後、元の勤め先の銀行に
副頭取として勤務することになるが、
融資を希望する復員兵に、
担保無しで金を貸してしまい、
頭取から軽く注意を受ける。


フレッドは、中々仕事が決まらず、
派手好きな妻・マリーから馬鹿にされる。
外出や外食を好むマリーに、
質素な生活を望んでも、伝わらない。


ホーマーは、戦地で両手を失い、
義手を器用に使いこなすが、
婚約者のウィルマと、彼女の両親は、
ショックを隠し切れない。


そんな中、
アルの娘・ペギーが、
フレッドに恋をしてしまう・・・。





「ローマの休日」で有名な、
巨匠ウィリアム・ワイラー監督の作品。


第二次世界大戦後の
復員兵の愛と苦悩を描いた
172分の大作で、
アカデミー賞作品賞を受賞した映画でもある。


作品の所々で、
第二次世界大戦を批判するような
セリフがある。
アメリカが戦争について、
自己批判する映画は、
数少ないそうだ。
確かに、そう言われてみると、
日本に原爆を落とした事も、
多くのアメリカ人が、
「必要な事だった」と答えた統計を見た事がある。


アルの息子が、
「日本人は家族を大切にすると聞いた。
 原子力でなく、人間は共存すべきだ」
などと発言したり、
フレッドとホーマーが、
見知らぬ老人から、
「君たちは犠牲者だ」と言われたり。


これが最近の映画なら、
戦争から大分時間が経って、
昔の事を俯瞰で眺める事ができるようになったのだと
思うんだろうけど、
戦争の翌年の映画なのだから驚く。
私は、アメリカは勝利に浮かれているのだとばかり思っていた。


そして、そんな復員兵たちを支え、
また、時に、苦しめる女性たち。


ホーマーとウィルマの事は、
多くの方が書かれているので、
言及しないけど、
私は、フレッドとマリーの夫婦が
面白かったな。
こういう悪妻って、
いつの時代もいたんだなぁ、と(笑)。


最後は、とりあえず、みんなハッピーに。
もちろん、現実は、
この先も人生は続くわけだけど。


評価 ★★★★☆

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「季節風の彼方に」 [映画]

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〔1958年/日本〕


ある豪雪地方の丘陵地帯。
高校生の文江(久我美子)は、
成績優秀で、
大学進学を望んでおり、
担任教師の幸田(高倉健)も、それを勧めている。


しかし、炭焼きを生業にしている
文江の家は貧しく、
進学など、夢のまた夢。


進学を諦めた文江は、
さらに山奥にある中学に、
臨時教員として働き始めるが・・・。





この映画は、
結局何が言いたかったのであろうか。


東北の寒村で暮らす女学生が、
貧しさゆえに進学を諦めて、
中学の臨時教師になる。


けれど、勤め先の中学では、
古い因習が幅をきかせており、
教師や生徒が、新しい事を始めようとすると、
校長からの激しい叱責にあうのだ。


久我美子さんは若いのに、
何も楽しみが無いように見える。
もちろん、
学校の仕事は一生懸命だし、
それは生き甲斐にもなっているけれど、
それはあくまでも仕事であって、
他に何か、というと何もない。
若くて綺麗なのに、勿体ない。


彼女の心の拠り所で、
全幅の信頼を寄せていた、
担任教師の高倉健さんは、
突然、東京に行ってしまい、
もうこの地にはいない。


ただ、どんな環境でも、
結局は、
その人の性格と生き方で、
見える風景は変わる、とも言える。
だって、久我さんの妹は、
久我さんよりずっと気儘に生きてるし。


持って生まれた性分、
姉的な性格、
妹的な性格、
これはもう仕方のない事なのかもしれない。


なんだか、何が言いたいんだか、
自分でもよく分からないや(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「踊り子行状記」 [映画]

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〔1955年/日本〕


旗本の軽輩、
安堂左馬之助(市川雷蔵)と武智十郎太(勝新太郎)は、
親友同士。


剣の腕を買われた2人は、
共に、異例の出世し、
その祝宴の席に呼ばれた
踊り子・誰弥(山本富士子)と団七(長谷川裕美子)は、
どちらも、馬之助に心惹かれる。


その翌日、
2人の出世を快く思わない香東玄六(河野秋武)から、
ひどく絡まれた安堂左と武智。
武智は香東の無礼な物言いに怒り、
彼を斬って、死なせてしまう。


安堂左は、
自分の妹と武智が婚約している事、
武智には母親がいる事などの理由で、
自分が罪をかぶり、
身を隠すため、誰弥の家に匿ってもらうのだが・・・。





これはちょっと納得がいかないなぁ。


香東玄六という、酒乱で、いけ好かないおっさんに、
理不尽に絡まれた、
雷蔵さんと、勝新さん。


勝新さんは、思い余って玄六を斬り捨てるのだけれど、
これって、どう見ても正当防衛じゃないか。


あの場で、玄六を斬らなければ、
逆に自分たちが斬られていただろうことは、
十分あり得ることで、
勝新さんが悪いとは、とても思えない。


時代劇って、
バッタバッタと人を斬り殺す場面があるかと思えば、
たった一人の人間を、
正当防衛で殺めてしまっただけで、
罪に問われるなど、
どうも、基準がよく分からない。


まぁ、よい。
そんな事より、
勝新さんの罪を被って、
ほとぼりが冷めるまで、隠れるつもりの雷蔵さんは、
踊り子・山本富士子さんの家の二階に。


山本富士子さんは、
先の宴席で、雷蔵さんに惚れちまったもんだから、
「きゃ☆」てなもんである(笑)。


そりゃそうだ、
私だって、自分ちの二階に雷蔵さんを置いてやってくれ、
なーんて言われたら舞い上がる(笑)。
どーぞどーぞ、
永遠にいてちょうだい、と大歓迎するであろう(笑)。


けれど、それを面白く思わないのが、
山本さんのライバルの踊り子・長谷川裕美子さん。


長谷川さんは、女の勘で、
雷蔵さんが、山本さんちの二階にいると察する。
そこから、色々物語が発展するんだけど、
長谷川さんも、
山本さんと違った意味で、いい女である。


彼女は、悪女のようで悪女でなく、
場面によっては、
山本さんより洒落た事を言ってのける。


長谷川さんは、名前の通り、
長谷川一夫の姪なのだそうだ。


それから、船越英二さんの奥さんでもあるそうで、
それってつまり、あの松居一代さんの姑って事よね(笑)。
いや、まさか、
このような時代劇から、松居一代さんに辿り着くとは思ってもみなかった(笑)。


評価 ★★★☆☆

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『ありがとう 看護婦編』 [ドラマ]

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先日、
昭和のドラマ、「ありがとう」の「婦人警官編」を見て、
レビューを書いたけれど、
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2020-08-01
そのあと、
すぐに、シリーズ第二弾、
「看護婦編」に取り掛かった。


取り掛かったといっても、もう何度も見ているので、
流れはすっかり分かっているのだけれど、
やはり何度見ても、面白い。


なにせ、52話もあるので、
何話かに1度、クライマックスシーンがあって、
飽きる事がない。


物語は、東京の阿佐ヶ谷にある、
十(つなし)病院を舞台に、
そこで働く人々の人生模様が描かれ、
メインは、山岡久乃さんと水前寺清子さんの母娘。
そこに、病院長の次男で、
小児科医の石坂浩二さんと水前寺さんの恋愛が絡んでくる。


水前寺さんと、石坂さんは、
お互いに恋し合いながらも、
中々気持ちを打ち明ける事ができず、
顔を合わせば喧嘩ばかり。


しかも、石坂さんには、
彼に熱烈に片思いする同僚看護婦の上村香子さんや、
関西の病院のお嬢様の見合い相手などがいて、
見ているこちらは、ヤキモキヤキモキ(笑)。


あぁ、でも、
見た事のあるかたならご存だと思うのだけれど、
石坂さんが、水前寺さんにプロポーズする場面は、
胸キュンすぎて、悶絶死しそう(笑)。


沢山の俳優さん、女優さんが出ておられて、
皆様、とても魅力的なのだけれど、
私が好きなのは、
河内桃子さん。


河内さんは、病院長の長男・児玉清さんの妻で、
小学生の息子の母親でもあるのだけれど、
日本中の女性が全員、
河内さんのような妻であり、母であったら、
どんだけ品のいい国になるだろうってくらい、素敵。


Wikipediaによると、
河内さんは、女優さんの中では、
久我美子さんと並ぶ、名家の出身なんだとか。
あー、お二人とも納得。


このレビューを書くにあたり、
河内桃子さんの事を調べていたら、
児玉清さんと河内さんは、
1979年のドラマ「沿線地図」で、
またご夫婦を演じておられるのですね。


「沿線地図」も再放送で見た事があるけれど、
(私はドラマをリアルタイムで見た事が、殆ど無い)
お二人の事は忘れていた。


そうなると、「沿線地図」が見たくなってくる。
TBSさん、再放送してほしいです。

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