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「アオラレ」 [映画]

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〔2020年/アメリカ〕


レイチェルは、
15歳の息子・カイル、
弟、
弟の婚約者と暮らす、
離婚調停中の女性。


ある朝、レイチェルは、
カイルを学校に送る途中、
青信号なのに、
動き出さない前の車に向けて、
激しいクラクションを鳴らしたところ、
それが、運転手の男(ラッセル・クロウ)の
逆鱗に触れてしまう。


車の窓越しに言い争いになったが、
とにかく男から離れ、
カイルを学校で下ろし、
ガソリンスタンドに寄ったレイチェルは、
また男と再会する。


薄気味悪いその男に
付きまとわれ、
その日、レイチェルは、
地獄のような一日を味わう事になる・・・。





試写会で観た。


キレてるわー、ラッセル・クロウ(笑)。
映画が、ラッセル・クロウ主演の、
煽り運転をテーマにした内容だとの予備知識はあったけれど、
ラッセル・クロウが、
煽られる側なのか、
煽る側なのか、
それがハッキリ分からなかった。


あのラッセル・クロウが、
他人から煽られて、
泣くような男とはとても思えないし、
でも主演だし・・・
うーん、どっちだろう、と思っていたら、
いやー、彼は「煽り」なんて言葉が甘すぎるくらいの、
トンデモサイコ野郎だった(笑)。


何せ、ラッセル・クロウは、
主人公のレイチェルに絡む前に、
元妻を殺し、
ガソリンを撒いて、火を付けるという、
事件を起こして逃げているのだ。
捨てるものが何もなくなった男、
それは最凶。


で、ラッセル・クロウが、
それはもう、
蛇のような気持ちの悪さ、
粘着質のしつこさで、
レイチェルに絡んでくる。
レイチェルだけでなく、
彼女の家族にまで累が及ぶ。


ただ、
映画の演出なのは分かってるけど、
レイチェルも、
日頃の生活習慣が、
だらしがなさすぎないか?とイライラする。
それが、この事件が起こった理由の一つでもあるような。


何せ彼女、
・仕事や息子の学校があるのに、目覚まし時計をかけ忘れ、
・そのせいで、出掛けるのが遅れ、
・そのせいで、遅刻しそうになり、焦りまくり、
 (セリフから察するに、どうも遅刻の常習犯っぽい)
・そのせいで、必要以上に激しくクラクションを鳴らし、
・「面倒くさい」という理由で、スマホにロックもかけず、
・そのスマホを、車の中に放置したまま買い物に


などなど、
あとちょっと、キッチリしていたら、
防げた問題なのでは、
と思われる事が多い・・・


・・・って、
いやいやいやいや、
これは全て、
私自身への戒めです(笑)。
自分も気を付けねば、と思われる事ばかり。
スマホのロックだけはかけてありますが(笑)。


評価 ★★★★☆

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「劇場版 シグナル 長期未解決事件捜査班」 [映画]

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〔2021年/日本〕


2021年。
首都高速で、
政府高官・三谷(杉本哲太)が、
運転手もろとも、交通事故で死ぬ。


死因を調べた結果、
これは単なる事故でなく、
車の通風孔から出た、
猛毒ガスが原因だと分かり、
日本中が騒然とする。


なぜなら、この猛毒ガスは、
数年前に、
某カルト集団が、
新宿の公園で散布し、
多数の犠牲者を出したものだったからだ。


カルト集団は全員逮捕され、
猛毒ガスは全て押収されたはず。
なのに、何故。


長期未解決事件捜査班の刑事・三枝健人(坂口健太郎)は、
事件の中にある、
闇を追究してゆくが・・・。





試写会で観た。


この映画は、
2018年にフジテレビで放送されたドラマ、
「シグナル 長期未解決事件捜査班」を
映画化した作品だそうだ。


とはいえ、
いつもの事だけれど、
私は、テレビドラマに疎く、
申し訳ない気持ちで観る。


観ているうちに、
この物語が、
他の刑事ものとは、少し違う事が分かってくる。


というのも、
坂口健太郎くん演じる刑事・三枝は、
不思議な無線機を持っていて、
それは、
過去にいた刑事・大山(北村一輝)と繋がっているのだ。


で、大山から、
過去の出来事を聞きながら、
事件を解決したり、
また、大山も、
未来にいる三枝から、
過去の事件を教わり、
未然に防いだりする、というわけで。


激しいアクションと、
時空を超えたファンタジーという、
1本で2つ美味しい内容(笑)。


さらに、
過去を変えると、
人々の記憶も、
PCのデータも瞬時に書き換わってしまうという、
ちょっとびっくりな展開。
過去って、そんなに簡単に変えてもいいんだろうか、
とは思うけど、まぁ、そこには触れまい(笑)。


それにしても、
実際に、大量殺人を目論むテロリスト集団がいたとして、
その目的を達成するのは、
想像以上に簡単だな、と、
あらためて、背筋が寒くなるような思いがする。
日本は既に、
一度その経験をしているわけだし。


評価 ★★★☆☆

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「ステージ・マザー」 [映画]

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〔2020年/カナダ〕


テキサスの田舎町で暮らす主婦・メイベリン(ジャッキー・ウィーヴァー)は、
ある日、突然、
疎遠だった息子・リッキーの死を知らされる。


メイベリンと、夫のジェブは、
リッキーから、同性愛者だと知らされた事が受け入れ難く、
リッキーは家を出ていったのだ。


ジェブの反対を押し切り、
葬儀に参列するため、
サンフランシスコに赴いたメイベリンは、
リッキーがショーパブを経営していたことを知る。


ショーパブの相続権が自分にあると知ったメイベリンは、
経営が思わしくないその店の、再建に乗り出すが・・・。





田舎町から、
息子の葬儀のために都会に出てきた、
母親・メイベリンが、
ド素人ながら、
ショーパブの再建に奮闘するという物語。


息子が同性愛という事実を、
耐え難いと思っていたメイベリンの
普通の主婦といった風情がいい。


もし彼女が、
派手な、
イケイケなおばちゃんだったら、
そこまで話は
面白くなかったのではないかと思われる。


リッキーのパートナーで、
共同経営者のネイサンは、
リッキーから、
両親との関係を聞かされていたようで、
最初は、メイベリンが葬儀に来ても、
心を閉ざして、
受け入れてくれる気配もない。


ネイサンの気持ちは、分かる、とっても。
ただ、両親にしてみたら、
年齢的にも、
環境的にも、
そう簡単に息子の性的傾向を受け入れることが
できなかったのでしょう。
どちらの気持ちも分かるから、
苦しい。


いや、実はメイベリンは、
心のどこかで、
リッキーを受け入れていた風に取れる。
リッキーを、強く忌み嫌ったのは、
夫の方で、
メイベリンは、そんな夫に
引きずられて、
疎遠になってしまったような。


だから、ショーパブの経営のために、
テキサスに帰らなくなったメイベリンを
迎えに来て、
叱った夫に対して、
彼女は、初めて自分の気持ちをぶつけるのだ。


ラスト、泣いちゃった。
メイベリンが、
衣装を着て、ステージに立ち、
ボニー・タイラーの、
「Total Eclipse of the Heart」を歌い、
お客さんも一緒に歌い出す。
あぁ、なんて名曲なんだ。


しかも、この曲、
メイベリンとリッキーの
思い出が詰まっているらしく・・・。
あんなのを見たら、
泣かずにはいられないよ。


評価 ★★★★☆

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「ワン・モア・ライフ!」 [映画]

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〔2019年/イタリア〕


中年男・パウロは、
スクーターに乗って、
交差点を渡ろうとしたところで、
車にぶつかり、
即死してしまう。


天国の入国管理局で、
「自分の死は早すぎる!」と
抗議したところ、
確かに、
計算ミスがあることが発覚。


係官(?)から、
命の延長をしてやるから、
地上に降りていい、と言われ、
大喜びするも、
その時間、
たったの1時間半。


1時間半の貴重な時間に、
パウロが取った行動は・・・。





人生のやり直しができるという映画は、
今までにも沢山あったと思うけど、
1時間半とは、
あまりに短すぎ。


この映画は、
映画の時間が、
そのままパウロに残された時間という事で、
物語はリアルに進行する。


主人公のパウロが、
この短時間に、
一体何をするのだろうと、
期待に胸膨らんだけど、
回想シーンが多く、
しかも、
その内容ときたら、
彼の女遍歴が殆ど。


私は、浮気者のパウロが、
この機会に、
妻や、年頃の子供たちと向き合って、
愛に溢れた、濃密な時間を
過ごすのだと思っていたから、
ちょっと肩透かし。
おっさんの女問題を見させられても、
嬉しくない(笑)。


にしても、
パウロが天国の入国管理局で、
必死になって訴えたのが、


「あれほど健康に注意していたのに」
「健康にいいことは何でもしてきたのに」
「スムージーを毎日飲んでいたのに」


という事。


で、地上に戻れたのは、
スムージーの分が加算されていなかったというミス(笑)。


確かに、人生って、
一寸先は、どうなっているか分からない。
どんなに健康に注意していたって、
駄目な時は駄目なんだなぁと、
そこは痛感する。


もし、自分が余命1時間半、と言われたら、
どうしようと思うけど、
結局、オタオタして、
終わっちゃうかもしれないな。


会いたい人がいたとしても、
1時間半の間に
会える距離にいるのか、
会える状況なのかも分からないし。


実際、パウロも、
特に、「これをした!」という事はなく、
あっという間に時が過ぎていった感じ。
これが一週間だったら、
話はまた、違ってくるんだろうけど。


評価 ★★★☆☆

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「最後に笑う男」 [映画]

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〔1949年/日本〕


サーカス団「東洋曲芸団」は、
興行不振が続き、
テコ入れのため、
人気空中ブランコ乗りの
飛鳥兄弟を招いて、
挽回を図ろうとする。


飛鳥兄弟のおかげで、
「東洋曲芸団」は、
久し振りに大入り満員となるが、
ピエロ役の大庭(滝沢修)は、
なぜか祝宴には参加しない。


実は、大庭は、
恋人に捨てられた過去があり、
その恋人・みどりは、
今、飛鳥兄弟の兄・太郎の妻になっているのだ。


そんな中、飛鳥兄弟の弟・三郎が怪我をしてしまい、
空中ブランコができなくなる。
団長は困り果てるが、
実は大庭が、
かつてブランコ乗りの名手、
「海燕のミユー」だと分かり・・・。





なぜ、この映画を観たのかって、
それは京マチ子さんが出ているから。


一部では、
京マチ子さんのデビュー作と言われているらしいけれど、
京さんがデビューしたのは、
この映画の5年も前だから、
そのデータは間違いだ。


京さんは、
「東洋曲芸団」の団員の一人で、
大庭に恋心を抱いている女の子という
役柄。


「東洋曲芸団」に助っ人に来た、
飛鳥兄弟の兄の太郎ってのが、
大変なスケこましで、
京さんを自分のホテルの部屋に連れ込み、
手籠めにしようとする。
京さんの貞操が危ない!というところで、
妻・みどりが帰ってきて、事なきを得る。


みどりは昔、
恋人だった大庭を捨て、
太郎の元に走ったわけだけど、
その結婚生活は悲惨で、
気の毒なくらい。


大庭は、その噂を聞き、
みどりを憎む気持ちと、
助けてやりたいという気持ちとで、
揺れる。


そしてクライマックスの、
空中ブランコのシーン。


みどりと大庭の過去を知った太郎は、
わざとブランコで失敗して、
大庭を殺そうとまでする。
最低。


それに気付いたみどりの機転で、
空中ブランコは無事終了。


でも、この映画、
物語はそれで終わりだけど、
続きがあるとしたら、どうなるんだろう。


大庭は、京さんを選ぶのか、
みどりを選ぶのか。
どちらを選んでも、
選ばれなかった片方が可哀そうで。


評価 ★★★☆☆





この作品で、
京マチ子さんの出演映画、100本中84本を観た事となりました。


(★は観た作品)


★化粧 (1984)
★男はつらいよ 寅次郎純情詩集 (1976)
 妖婆 (1976)
★金環蝕 (1975)
★ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 (1975)
★華麗なる一族 (1974)
★玄海遊侠伝 破れかぶれ (1970)
★千羽鶴 (1969)
★小さい逃亡者 (1966)
★沈丁花 (1966)
★他人の顔 (1966)
★甘い汗 (1964)
★現代インチキ物語 ど狸 (1964)
★女系家族 (1963)
★女の一生 (1962)
★仲よし音頭 日本一だよ (1962)
★黒蜥蜴 (1962)
★釈迦 (1961)
 小太刀を使う女 (1961)
★女の勲章 (1961)
★濡れ髪牡丹 (1961)
★婚期 (1961)
★お傳地獄 (1960)
★顔 (1960)
★足にさわった女 (1960)
★三人の顔役 (1960)
★ぼんち (1960)
★流転の王妃 (1960)
★女経 (1960)
★浮草 (1959)
★鍵 (1959)
★次郎長富士 (1959)
★夜の闘魚 (1959)
★女と海賊 (1959)
★細雪 (1959)
★あなたと私の合言葉 さようなら、今日は (1959)
★娘の冒険 (1958)
★夜の素顔 (1958)
★赤線の灯は消えず (1958)
★大阪の女 (1958)
★忠臣蔵 (1958)
★母 (1958)
★悲しみは女だけに (1958)
★有楽町で逢いましょう (1958)
★穴 (1957)
★夜の蝶 (1957)
★地獄花 (1957)
★女の肌 (1957)
★踊子 (1957)
★いとはん物語 (1957)
★スタジオはてんやわんや (1957)
★八月十五夜の茶屋 (1956)
★月形半平太 (1956)
★赤線地帯 (1956)
★虹いくたび (1956)
★新・平家物語 義仲をめぐる三人の女 (1956)
 新女性問答(1955)
★藤十郎の恋 (1955)
★楊貴妃 (1955)
★薔薇いくたびか (1955)
 春の渦巻 (1954)
 馬賊芸者 (1954)
★千姫 (1954)
★浅草の夜 (1954)
★春琴物語 (1954)
★愛染かつら (1954)
★或る女 (1954)
★地獄門 (1953)
★あに・いもうと (1953)
 黒豹 (1953)
★雨月物語 (1953)
★彼女の特ダネ (1952)
★大佛開眼 (1952)
★美女と盗賊 (1952)
★瀧の白糸 (1952)
★長崎の歌は忘れじ (1952)
★浅草紅団 (1952)
★踊る京マチ子 歌う乙羽信子 (1952)
 恋の阿蘭蛇坂(1951)
 情炎の波止場(1951)
★馬喰一代 (1951)
★源氏物語 (1951)
 牝犬 (1951)
★自由学校 (1951)
★偽れる盛装 (1951)
 美貌の海(1950)
 復活(1950)
★火の鳥(1950)
★羅生門 (1950)
★浅草の肌 (1950)
 遙かなり母の国 (1950)
★続蛇姫道中 (1950)
★蛇姫道中 (1949)
★最後に笑う男(1949)
★痴人の愛 (1949)
 三つの真珠 (1949)
★地下街の弾痕 (1949)
★花くらべ狸御殿 (1949)
 天狗倒し(1944)
 団十郎三代 (1944)

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