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「THE GUILTY ギルティ」 [映画]

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〔2018年/デンマーク〕


緊急通報室でオペレーターをする
アスガー・ホルム(ヤコブ・セーダーグレン)は、
別居する夫からDVを受けた挙句、
無理矢理連れ去られたという妻からの
通報を受ける。


妻は、車から電話をかけてきている。
その声はかなり緊迫している。
早く場所と車を特定しないと、
大変な事になる。


アスガーは、
何とかして、
車のナンバーを調べ、
電話の主を救おうとするが・・・。





試写会で観た。


日本でいうところの、
110番のオペレーターをする男性が、
誘拐された女性を救おうとする、
シチュエーションサスペンス。


試写の前に、
注意が書かれた紙を渡される。
「ネットに載せる時は、
 決してネタバレしないでください」と。


確かに、これ、
核心には触れたら、
全然面白くなくなってしまう。
感想は、
予告を観て、想定できるくらいの事しか書けない。


この映画の凄い所は、
全てが聴覚だけで、
状況を把握し、
事件を解決する事。


オペレーターのアスガーは、
一歩の部屋から出ないし、
登場人物も、
同じ部屋にいるオペレーター5~6人。


途中、そうくるか!という場面があって、
面白かった。


上映後、
映画評論家の宇野維正さんによる
トークショーがあり、
とても興味深いお話しを
聞くことができました。

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ここの所、
世界でも突出して、
素晴らしい監督さんを輩出している国といえば、
デンマーク・メキシコ・韓国であり、
そういった国は、
やはり、国が映画学校に運営に
大変に力を入れている。
何もせずに、
いい監督が同じ国から何人も出てくることなど有り得ない、と。


なるほど。
その点、日本は、
ちょっと遅れているという事ね。
まぁ、今の日本は、
他の事で忙しくて、
それどころじゃないんでしょうけど。


評価 ★★★☆☆

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「マスカレード・ホテル」 [映画]

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〔2019年/日本〕


東京都内で、
3件の連続殺人事件が起こる。
エリート刑事・新田浩介(木村拓哉)は、
犯人が現場に残した暗号から、
次の殺人は、
一流ホテル「コルテシア東京」で起こる事を解読する。


何としても、事件を食い止めなくてはならない。
警察は、潜入捜査のため、
ホテルの各部署に、刑事を配属させる。


新田が配属されたのは、フロントクラーク。
そして、新田の教育係に、
優秀なホテルウーマン・山岸尚美(長澤まさみ)が
指名される。


しかし、2人はソリが合わず、
何をしても衝突ばかり。
そんな事で、犯人を逮捕できるのか・・・。





前回のレビューで、
「新宿ピカデリーのプラチナシート体験」を書いたのですが、
 ↓
https://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2019-01-28
その時観た作品が、
この「マスカレード・ホテル」です。


その日、友人と、
プラチナシートを体験する事は決定済みだったのですが、
プラチナシートは、
「スクリーン1」のバルコニーに設置されており、
当日「スクリーン1」に何がかかるかは、
スケジュールが出るまで分かりません。


もし、どうしても趣味に合わない映画だったり、
既に観ている映画だったら、
延期にしようと思っていたのですが、
うーん・・・「マスカレード・ホテル」かぁ・・・うーん(笑)。


いえ、拓哉が嫌いなわけじゃないんです。
むしろ、今までもこのブログで何度も書いているくらい、
私はSMAP大好き。
それは友人も同じで、
一緒にライブに行った事もあるし、
解散の時は、延々と語り合った仲でもあるのです。


ただ、プラチナシートとなると、
ハリウッドの超大作みたいな方が、
より堪能できるかな、と(笑)。
でも、いいや、
高級ホテルが舞台のこの物語を、
高級な席で観る、というのも、
オツなものかもしれません。
という事で、予定は変更せずに、決行。


で、映画は、といえば、
原作を読んでいるので、
犯人は分かっているし、
謎解きより、
高級ホテルの内側が見られるのが、
物珍しく、楽しい。


特に、拓哉が潜入した、
フロントといえば、
ホテルの顔でもあり、玄関でもあり、
とにかく色々お客がやって来る。


中には、殴りつけたくなるような、
理不尽な要求をする客もいて、
その度に、拓哉のこぶしはワナワナするのだけれど、
ベテランの長澤まさみがそれを制する。
そう、この映画、
拓哉と長澤まさみの掛け合いが、
とっても面白いのだ。


さらに、見どころは豪華な俳優陣。
え?こんな大物が?というような俳優さんたちが、
ほんの数分、客として登場する。


相変わらず、
拓哉の演技は拓哉のままだったけど(笑)、
それはご本人も分かっているような事を、
テレビで言ってた(んでしょ?)。
芸能ニュースで見たけど。


もういいじゃん、それで。
拓哉は拓哉にしかなれないんだよ。
それならそれで、
死ぬまでそれを通せばいい。
ここまで来ると、そう思う。


ゴージャスなシートで、
ゴージャスなホテルを観て、
ゴージャスな気分になれた、楽しい日でした。


評価 ★★★☆☆

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新宿ピカデリーのプラチナシートへ。 [できごと]

1月某日。
私の「したい事リスト」にもう何年も前から載っている、
「新宿ピカデリーのプラチナシートで映画を観る」を
ついに実行しました。


この「プラチナシート」とは、
新宿ピカデリーの専用バルコニーで、
女王様気分で(笑)映画を観られるという特別席。
数日前に予約を入れた時から、
ワクワクが止まりません(笑)。

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専用の「プラチナロビー」から、中へ。



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「プラチナエレベーター」に乘って5階へ。
ここでは何にでも、
「プラチナ」という言葉が付いているようです(笑)。



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エレベーターを降りると、
そこは、映画館とは思えない別世界。
受付をして、中へ。



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専用ラウンジがあり、
上映1時間前から入れます。
友人と私は、当然、1時間前から入りました。
ギリギリの時間に駆け込むなんて、
勿体ない事はできません(笑)。



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ウエルカムドリンクとチョコレート。



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時間が来て、係のかたに誘導されて、席へ。
ソファーはカッシーナのオリジナルデザインだそうです。
眠くなったらどうしようと、
ちょっと心配に(笑)。



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バルコニーから下界を覗くと、
狭い席に、人々が座っているのが見えます。
うわー、窮屈そう・・・
・・・って、
わー、嘘です。
本当に本当に冗談です。
一度言ってみたかっただけなんです(笑)。


プラチナシートの料金は5,000円です。
あらゆるものには、適正な価格があります。
映画を5,000円で観る事を、
高いと感じるか、
安いと感じるかは、人それぞれでしょうが、
私にとっては、
わざわざ「したい事リスト」に載せなければならないくらい、
贅沢で、特別な事です。


といっても、
5,000円で驚くのは、まだ早いです。
バルコニーの両サイドには、
「プラチナルーム」という、
料金30,000円の、
周囲からは中が見えないお部屋があるのです。


その席を買われるかたからしたら、
5,000円でオタオタしている私なんか、
「けっ」ってなものなのでしょうね(笑)。


ちなみに、
「プラチナルームで映画を観る」は、
私の「したい事リスト」には入っていません(笑)。

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「未来を乗り換えた男」 [映画]

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〔2018年/ドイツ〕


レジスタンスの青年・ゲオルクは、
祖国ドイツを追われ、
パリに辿り着く。


ゲオルクは、
自殺した作家・ヴァイデルのパスポートを
ひょんな事から手に入れる。
ヴァイデルになりすまし、
メキシコへの亡命を思い立った彼は、
港町・マルセイユに行く。


そんな中、
ゲオルクは、美しい女・マリーと知り合う。
実はマリーは、
ヴァイデルの妻で、
ヴァイデルの自殺を知らず、
夫を探し回っているのだ・・・。





タイトルに惹かれて、
面白そうだと観にいったけれど、
話にちょっと無理があるような。


というのも、
1940年の原作を、
現代に置き換えたという事を知らないで観ると、
いつの時代の話?
ドイツ軍の侵攻?
レジスタンス?と、
ずっと頭に疑問符を抱えながら、
観続ける事になってしまう。
(実は自分がそう(笑))


40年代だとすると、
風景が現代的すぎるし、
現代だとすると、
細部が古すぎる。
ゲオルクが、
パスポートを手作業で作り変えるシーンがあるけど、
今どきのパスポートは、
写真さえ貼り換えればそれでOKなんて、
単純なものではないはずだし。


間違っていたら申し訳ないけど、
ある種の
パラレルワールドだと思えば
いいのであろうか。


マリーの行動も解せない。


彼女は夫・ヴァイデルを探していると言うけれど、
なんだか態度があやふやで、
一体どうしたいの?
と聞きたくなる。


ただ、1箇所、
とても好きだなぁ、と思うシーンがあった。


マリーがヴァイデルの妻だとは知らなかったゲオルクだけど、
彼女が、
ヴァイデルの未発表の小説の一節を口にした事で、
既にそれを読んでいたゲオルクが、
「あ」を気付く場面。


そういうのって、
なんだかロマンを感じる。


評価 ★★★☆☆

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「バハールの涙」 [映画]

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〔2018年/フランス〕


戦場ジャーナリスト・マチルドは、
中東の紛争地域を取材する中で、
女性だけの戦闘部隊「太陽の女たち」の
リーダー格の女・バハールと知り合う。


バハールは、
フランス語も話せる知的な女で、
兵士になる前は、弁護士だったという。


家族と幸せに暮らしていたバハールは、
ある日、突然、家に押し入ってきたISの兵士たちに、
夫や父を殺され、
幼い息子は連れ去られ、
自分や妹は、
IS兵士の、性の慰み者として拉致される。


監禁されていた家から
命からがら逃げ出したバハールたち女は、
息子を取り戻すべく、
「太陽の女たち」を結成し、
今、ISに立ち向かっているのだ・・・。





実話だそうだ。


突然やって来たISの兵士たちに襲われ、
家族をめちゃくちゃにされた、
主人公のバハールだけど、


この時、ISが襲ったのは
バハールの家だけでなく、
無数のクルド人たちが同様の目に遭い、
大人の男は殺され、
少年は戦闘要員として、連れ去られ、
それから、拉致された女は、
なんと、7,000人にものぼったという。


でも、女だって泣いてるだけじゃない。
女だけで結成した戦闘部隊で、
男となんら遜色なく、
ISと立ち向かってゆく姿は、
強いの一言。


「女に殺された男は、天国に行けない」。
この、
女を舐めてんだか、恐れてんだかよく分からない
言い伝えを
ISの連中は本気で信じていて、
だから、バハールは戦闘でISの兵士を殺したあと、
兵士のポケットで鳴っていたケータイに向かって言う。
「お前の兄は、今、あたしが殺してやったよ」と。


まだ女兵士になる前、
ISに監禁されていた家から、
バハールたちが決死の思いで逃げ出した場面の
緊張感ったらない。


見つかれば確実に殺される。
そんな状況の中、
なんと、一人の女が産気づく。


今、産んではならない。
ここで出産したら、間違いなく見つかってしまう。
その女性は、
耐えて耐えて耐えて耐えて、
100%安全と言われる場所に辿り着いた途端、
その場で出産。
壮絶な場面だった。


仮に、仮にだけど、
もしも、第三次世界大戦が始まり、
日本も参戦するとしたら、
その時は、
男女の別は関係なく、
平等に戦地に行かされるだろう、という説を
何かで読んだ事がある。


そんな事にならないためにも、
当たり前の事だけど、
戦争は絶対にしてはならない。


評価 ★★★★☆

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