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◆光GENJIへ―元フォーリーブス北公次の禁断の半生記◆ [本]


光GENJIへ―元フォーリーブス北公次の禁断の半生記

光GENJIへ―元フォーリーブス北公次の禁断の半生記

  • 作者: 北 公次
  • 出版社/メーカー: データハウス
  • 発売日: 2023/10/22
  • メディア: 単行本


まだ私がとても若かった頃、


ある本屋さんに、なんとなく立ち寄ったところ、
北公次さん著作の、
「光GENJIへ―元フォーリーブス北公次の禁断の半生記」
というタイトルの書籍が、
平積みになっていました。


光GENJIといえば、
当時、飛ぶ鳥を落とす勢いのアイドルグループで、
私自身は、特にファンという事もなかったのですが、
それでも、そんなタイトルを見れば、
ミーハーの端くれとしては、気になります。


何か光GENJIについて書かれた本なのだろうか、
と、何気ない気持ちで手に取り、
立ち読みし始めました。


すると、その内容は、
私が想像していたものとは全く違っていました。
その頃の私は、
まだジャニーズ事務所の秘密を全く知らない、
真っ新な状態でしたので、
その衝撃といったら、
後頭部をバットで殴られたようでした。




その後、私は、
周囲の友人たちに、
「光GENJIへ」に書かれていた事を話しました。


しかし、多くの友人たちは、
「ミーハーの青山が、また何か言ってるよ」くらいの反応で、
本気で取り合ってはくれません。


いえ、別に、その事を怒っているわけではないのです。
そういった類いの話は、
よくある芸能ゴシップ、
週刊誌にあるような、
捏造記事と同等だと思われたのも仕方がない事です。


しかし、私はその本の内容について、
北公次さんが、
嘘を書いている、とか、
話しを盛っている、という風にはとても思えない、
何かを感じていました。


ただ、北公次さんの身に起ったような事は、
まさか、今はないだろう、
ジャニー喜多川だって、
もういい年だし、
それは過去の話と、
自分に言い聞かせました。
そう信じたかったんだと思います。




「光GENJIへ」の出版から35年。
闇に葬られたようなこの本が、
まさかこんなに話題になる日が来るとは、
想像もしていませんでした。
今、ジャニーズ事務所は、
ジャニー喜多川の性加害を公式に認め、
被害者の補償に当たろうとしています。
ジャニー喜多川が、
死ぬ直前まで性加害をしていた事も、
明らかになりました。


今回、こんな事を書いたからと、
私に、何か主張があるわけではなく、
ただ、あの時の衝撃と、
人に話しても信じてもらえないもどかしい気持ちを
残しておこうと思い、
書いてみました。


1つだけ思うのは、
被害に遭ったのが、
例えば、私の弟だったとして、


その弟が、
その事を誰にも言えずに、
家で、一人になった時、
声を殺して泣いている、なんて姿を想像すると、
胸が潰れる思いがする、という事です。


男性から男性への性加害というとピンとこなくても、
例えば、それをいじめやパワハラに置き換え、
被害者が、弟や、息子や、孫だと考えると、
その辛い気持ちが、
分かり易い気がするのですが。

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◆ゆりあ先生の赤い糸◆ [本]


ゆりあ先生の赤い糸(1) (BE・LOVEコミックス)

ゆりあ先生の赤い糸(1) (BE・LOVEコミックス)

  • 作者: 入江喜和
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/07/13
  • メディア: Kindle版


先日、
「第27回 手塚治虫文化賞」授賞式を
観覧させていただきましたが、
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2023-06-09


大賞を受賞されたのが、
この、
入江喜和さんの、
「ゆりあ先生の赤い糸」(全11巻)です。


前回も書いたのですが、
この漫画は、
全巻持っているくらい大好きで、
何度も読んでいます。




主人公の伊沢ゆりあさんは、
大柄で、殆どお化粧もしない、
どちらかといえば、男っぽい印象の女性。
それでも手先がとても器用で、
現在は、自宅で刺繍の先生をしている。


ある日、彼女の夫が、
くも膜下出血で意識不明となってしまうのだが、
それがきっかけとなり、
夫の不倫が発覚。
その相手というのが、
えー--!? という人で、
ゆりあさんも、そして読者も、目を白黒(笑)。


さらに、2人目の愛人?らしき人まで現れて、
またまたショック。
短期間の間に、
ゆりあさんの人生は、大きく変わってゆく。


こんな風に書くと、
ゆりあさんの夫は、
とんでもなくチャラけた男のイメージだけど、
そうではなく、
飄々として、
細かい事に捉われない、
とってもいい人で、怒る気にもなれず(笑)。





すごいのは、
ゆりあさんが、
全てを引き受け、
気が付くと、
彼女の周囲には人がいっぱいになっている事。


すごく頑張ってるんだけど、
でも、がむしゃらというわけではなく、
自然で、
パワフルで、
そんなゆりあさんは、
私にとって、憧れであり、
理想の女性。
架空の人物とはいえ、
とても呼び捨てになんかできないくらい、素敵。


ゆりあさん自身にも、
色々な出来事が勃発し、
その事で、喜んだり悩んだり。
強そうに見えても、
一人になると泣いちゃったり、
弱い部分もちゃんと持ってて、
意外と色っぽい面もあるし(笑)。


時にシリアス、時にコメディ。
そんな内容が面白くて、
電車の中で読んでいて、
吹き出しそうになって、
下を向いて堪えた事もありました(笑)。


ラストは涙です。
人の心は、
善悪だけでは決められない。
白と黒にきっちり分けられるわけでもない。
こんな人生があってもいいと思う、
気持ちのいい、終わりです。

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◆死 宮崎学写真集◆ [本]


死―宮崎学写真集

死―宮崎学写真集

  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 1994/11/01
  • メディア: 大型本


生きとし生けるもの、
全てに、死は必ずやってくる。


この本は、
森の中で死んだ3頭の動物たち、


ニホンカモシカ
ニホンジカ
タヌキ


が、死んだあと、
土に還るまで、
どのような経過を辿るのかを
時間を追って撮影した写真集です。





初めてこの本を見たのは、
20年ほど前。
そして、今でも時々、見ています。


怖くも、気持ち悪くもありません。
むしろ、崇高で美しささえ感じます。
子供さんに見せても、
勉強になると思います。





動物が一頭死ぬと、
すぐに蠅が卵を産み付け、
そして、様々な動物が、
その死骸を食べにやってきます。


特に、タヌキの食欲と好奇心が可愛く、
数日をかけて、
ご馳走を堪能した体は、
明らかに毛並みが良くなっているのが分かります。
「これで元気に冬越しができるだろう」と
書かれています。


テンやネズミ、カラスも死骸を食べ、
モモンガや小鳥は、
巣作りのため、
体毛を持ち帰ります。


1~2カ月後には、
そこに死骸があった事など嘘のように、
また静けさがやってくるのです。


「宴のあと」
という言葉が、
見る度に、
頭に浮かびます。

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◆世界でいちばん私がカワイイ◆ [本]


世界でいちばん私がカワイイ

世界でいちばん私がカワイイ

  • 作者: ブリアナ・ギガンテ
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2022/02/09
  • メディア: 単行本


先日書いた歌、
「可愛くてごめん」に続き、
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2023-03-27
「私は可愛い」シリーズ(笑)、
第二弾。


ドラァグクイーンで、
ポールダンサーで、
youtuberでもある、
ブリアナ・ギガンテさんの
エッセイ。


ブリアナさんは、
超個性的な、
「小粒ちゃんメイク」で、
他のドラァグクイーンさんとは、
一線を画している感じ、
そして、その「小粒ちゃんメイク」が可愛いと、
グッズまで売られている人気っぷりです。


「世界でいちばん私がカワイイ」
このタイトルを、ブリアナさんは、
「わたくしのことに限りません。あなたにも思ってほしいのです」
と前書きに書かれています。
「自分を世界でいちばん可愛いと思って何がいけないのでしょう」と。


そこは、
「可愛くてごめん」の歌詞と
通じるものがありますね。




この本には、ブリアナさんの日頃考えていることが、
ギュッと詰まっているのですが、
その考え方はとても真っ当で、
共感できる事も多いです。
8年間一緒に暮らしている、
恋人・しゅぴきさんとの関係も素敵。


私が特に、あぁ、同じ考えだなぁと思ったのは、
好きな人には毎日、
「大好き」を伝えよう、という部分です。
そういう言葉は、
出会った頃は、毎日伝えていても、
一度言わなくなると、もう言えなくなってしまう。
だから、会う度に伝えるのです。
それは、恋人に限らず、
友達でも、家族でも、同じです。


ブリアナさんの幼少期の事を、
おとぎ話風に書かれた章もあります。
楽しい話ばかりではないエピソードですが、
それも含めて、
今のブリアナさんがあるのだなぁと思います。
どんなにのんきそうで明るく生きている人でも、
過去には何があったかなんて分からない。


「可愛くてごめん」
「世界でいちばん私がカワイイ」
いい年して何言ってんだと言われても、
私も死ぬまで、これらの言葉を胸に生きていこう(笑)。

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◆エゴイスト◆ [本]


エゴイスト (小学館文庫 た 42-1)

エゴイスト (小学館文庫 た 42-1)

  • 作者: 高山 真
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2022/08/05
  • メディア: 文庫


大学を出て、
出版社で働いている浩輔も30代半ばとなり、
体形が気なり始めたため、
8歳年下のパーソナルトレーナー・龍太を紹介してもらう。


2人はすぐに、互いに惹かれ合い、
恋に落ちる。


龍太は、癌に冒された母を養っており、
14歳の時、同じ病で母を亡くした浩輔は、
彼らに手を差し伸べる。


それがこの先、
思わぬ結果を招くとは、
その時は思いもせずに・・・。





編集者でエッセイストの高山真さんが書かれた、
自伝的小説。


タイトルは「エゴイスト」。


エゴイスト?


あれはエゴなのか。
そう言うなら、
この世の愛は、
全てエゴだ。


浩輔と龍太が、
心の底から愛し合い、
龍太の母親まで巻き込んで、
笑い合った日々は、
どのような結末を迎えようと、
人生を彩った、
かけがえのない時間だったはず。





テーマとは関係ないけど、
一つ。


浩輔を、
「オカマ」だと囃し、
自殺を考えるようになるまで、
壮絶ないじめを繰り返し、
浩輔の母の死をも、
小馬鹿にして笑った、
小中学校の同級生ども。


浩輔が、
難関大学を卒業後、
大手出版社に入社し、
高給を得、
ブランド物の服とバッグで身を固め、
颯爽と帰省した際、
偶然出会った、
いじめの主犯格・Aは、
声もかけられず、
目も合わせられず、
こちらを盗み見るだけで、
逃げるように立ち去った場面には、
心底、溜飲が下がる。

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