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「ふしだらな女」 [映画]

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〔1926年/イギリス〕  


若く美しい人妻、ラリータは、
ある画家の絵のモデルをした事から、
画家との関係を疑わる。


夫と画家は刃傷沙汰となり、
ラリータは夫から、離婚訴訟裁判を起こされ、
離婚が確定。


また、この事が新聞ネタとして、
大きく記事になり、
彼女は世間の人々から好奇の目に晒される。


逃げるように、南仏へ旅に出たラリータは、
旅先のホテルで、富豪の息子、ジョンと知り合う。
ジョンはラリータの記事を読んでいないらしく、
彼女を色眼鏡で見る事はなかった。
ほどなくして、二人は深く愛し合い、結婚する。


ジョンは実家にラリータを連れてゆくが、
ジョンの母親は、ラリータを気に入らず、
彼女に冷たく当たり、
さらに、彼女を「どこかで見た顔だ」と言い出し、
ついに、彼女の裁判の載った新聞を探し出す。


母親は、新聞をジョンに見せ、
ジョンもショックな様子。
ラリータとジョンはどうなるのか・・・。





ヒッチコックの初期のサイレント映画。
60分の短い作品で、
今見ると、なんという事はないストーリーだが、
85年も前には、これでも十分受けたのであろう。


一人の女が離婚するだけで、
新聞記事になるというのだから、
当時の倫理観が偲ばれる。
刃傷沙汰のせいかもしれぬが、
それだけの事で、
世間に顔が知られ渡るとは、
女にとって窮屈な時代だったのであろうし、
今のようには犯罪自体が多くなかったのかもしれない。


題名から、どんな凄い女が主人公なのかと思っていたが、
今の時代に見ると、かわいそうになってしまう。
「ふしだらな女」というより、
「ふしだらな女と呼ばれて」とでもいった方がいい気がするよ。


評価 ★★★☆☆

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「ベスト・キッド2」 [映画]

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〔1986年/アメリカ〕  


1作目での空手の試合から半年後、
ラルフ・マッチオと、師匠ノリユキ・パット・モリタの所へ
モリタの父親が危篤だと連絡が入り、
急遽、二人は沖縄へ向かう事になった。


モリタの父親は、かつてモリタに空手を教えた師匠でもあり、
また、モリタの親友サトーも、一緒に空手を習った仲だった。
しかし、モリタとサトーは、一人の女性ユキエを巡って対立し、
モリタが争いを避け、アメリカに渡ったという過去があった。


サトーはその時の事で恥をかかされたと、
今でも恨みに思っており、
手下のユージ・オクモトを使い、
モリタとマッチオへの嫌がらせを始める。


モリタの父は、臨終のきわに、モリタとサトーの和解を求めながら
死んでゆくが、
しかし、それでサトーの心が解けたわけではなく、
対立は激化するばかりだった。


その一方でマッチオは、ユキエの姪のタムリン・トミタと恋に落ち、
デートを重ねるようになる。


そんなある日、大きな嵐が沖縄を襲った。
人々は避難するが、
サトーは倒壊した家の下敷きとなり動けずにいた。
それを助けるモリタとマッチオ。


さらに、逃げ遅れた幼い少女を命がけで助けるマッチオを見たサトーは、
救出を拒否したオクモトを見て、
自分の指導が間違っていた事を知り、オクモトに破門を言い渡す。


村には平和が訪れたが、
それで終わるオクモトではなく、
盆踊り大会の晩、マッチオとオクモトの対戦が始まる・・・。





いやはや、このような展開になるとは。
予備知識ゼロで見始めたので、
まさか舞台が沖縄に移ろうとは想像もしていなかった(笑)。
てっきり、一作目で敵役だったウィリアム・ザブカとマッチオが
もう一度戦うのだとばかり思っていたから。


一作目の脇役は殆ど出てこず、
出演者たちは総入れ替え。
そして、前作同様、ラスト以外で空手の実戦場面が全く無いのが
笑える。
たった一箇所、でんでん太鼓の原理を利用して、
相手を倒せとマッチオに教えるモリタだけど、
でんでん太鼓て(笑)。


ほぼ全編、サトー一味の嫌がらせと、
マッチオとタムリン・トミタとのデートの場面が続く。
それに沖縄のイメージが物凄く悪くなりそうな作り。
何も知らない外国の人がこれを観て、
これが沖縄だと思い込まれたら嫌だな(笑)。
まぁ、勧善懲悪なのが気持ち良かったけど。


この先まだ、3作4作と続くこの映画。
こうなったら、絶対全部観てやるぞ(笑)。


評価 ★★★☆☆

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◆タイニーストーリーズ◆ [本]


タイニーストーリーズ

タイニーストーリーズ

  • 作者: 山田 詠美
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/10/28
  • メディア: 単行本


文体も、雰囲気も、内容も、
どれも全く異なった小説の集合体。
題名の通りの「小さな物語たち」。


たぶん山田氏の原点であろう、
黒人男性との恋愛物語が、
この中にも5編含まれていて、
それだけは、どれも「GIと遊んだ話」という同じタイトルに、
ナンバーがふられていた。


やっぱり、私はこの「GI」の話が一番好き。
一番生き生きとした感じがするし、
日常生活の中では得られない、
独特の空気感がある。


他の物語はどれも中々シニカルで、
ホラーテイストな内容のものも多い。
眠る前に、ちょっとずつ読むのもいい。

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「ベスト・キッド」 [映画]

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〔1984年/アメリカ〕 


ラルフ・マッチオは母親の仕事の都合で、
ニュー・ジャージーからカリフォルニアに引っ越してきた高校生。


転校先の同級生、エリザベス・シューといい雰囲気になるが、
シューの元彼、ウィリアム・ザブカに嫉妬され、
以来、ザブカとその子分たちから、
イジメられるようになってしまう。


ザブカたちは空手を習っていたが、
その道場は、相手が弱者でも、とにかく倒せばいいといった、
武道の精神からはかけ離れた教義を生徒たちに教えており、
ザブカたちから日常的に暴力を振るわれ、
体に傷の絶えないマッチオ。


そんな彼は、近所で修理工をしている日系の老人、
ノリユキ・パット・モリタと知り合う。
あるパーティの夜、
ザブカたちに追いかけられ、
酷い暴力を受けそうになっていたマッチオは、
すんでの所でモリタに助けられる。
どうもモリタには空手の心得があるらしい。


モリタに空手を教えてくれと頼んだマッチオだが、
まずは、ザブカの通う道場に抗議に行く二人。
しかし、その指導内容に怒ったモリタは、
この決着は空手の大会でつけると宣言する。


翌日からモリタはマッチオに、
車のワックスがけ、床磨き、垣根や家の外壁のペンキ塗りなどを
命じる。
そんな事より、空手を教わりたいマッチオだが、
モリタの指導には理由があった。


さて、大会当日。
マッチオはザブカに勝てるのか・・・。





昨年、ジェイデン・スミスでリメイクされた「ベスト・キッド」。
リメイク版の方は、いずれ必ず観るであろうから、
その前にオリジナルを観ておこうと思い、借りてきた。


空手の場面が殆どなのかと思っていたら、
ラルフ・マッチオとエリザベス・シューのデートの場面などに、
結構な時間を割いており、
普通の青春物みたいだ。


そのエリザベス・シューの家というのがまた、
大金持ちらしくて、超豪邸。
さらに両親とお食事に行く先というのが、
レストランではなく、金持ちだけが集まる「クラブ」、
そしてそこは、ウィリアム・ザブカも常連らしい・・・とくれば、
これはもう、身分違いの恋、
シューの両親も、娘とマッチオの交際を快くは思っていない・・・
・・・やっぱり空手より、恋愛場面ばかり思い出してしまう(笑)。


だって、その空手の練習というのが、
ワックスがけに、床みがきに、ペンキ塗りだけってんじゃ、
中古車屋さんや、塗装屋さんなどは、みんな空手の名手になれる(笑)。


一度も実戦をする事なく、
試合会場に向かうマッチオ。
「だ、大丈夫!?」と、観ている方が心配になったよ(笑)。
そうなると、逆に続編が楽しみだ。
ネット検索すると、
続編の方がさらに評価が低いようだが(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「眠狂四郎 勝負」 [映画]

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〔1964年/日本〕 


眠狂四郎(市川雷蔵)は、正月、人でごった返す神社で、
一人の老人と知り合う。


この、一見風采の上がらない老人は、朝比奈伊織(加藤嘉)といい、
勘定奉行の役に就く、高潔な人物であり、
その人柄に強く惹かれる狂四郎。
朝比奈もまた、狂四郎の刀の腕前に驚き、
他の侍とは一線を画した目で、彼を見つめるのであった。


実は朝比奈は、財政を預かる身として、
無駄な出費は一切控えるような決め事を作った為、
(今の仕訳けみたいなものか)
命を狙われており、
狂四郎は、朝比奈にまとわりつくフリをしながら、
彼を助けるのであった。


次々と現れる刺客に、狂四郎の円月殺法。
淫蕩な姫に、謎の美人占い師。
狂四郎と朝比奈の運命は・・・。





シリーズ第2作目。
1作目より、格段に面白い。


前作は、狂四郎がなんだかとても軽く感じられたが、
本作は、その孤独な感じ、
そしてストイックな感じが強調されており、
まるで別人のようだ。
据え膳も食わないし(笑)。


今まで市川雷蔵をそれほど好きだと思った事はなかったけれど、
これを観たら、その人気の理由も分かる気がした。


それに今回は、狂四郎が入浴中に刺客に襲われるという、
サービスカットまであるのだよ(笑)。
変な筋肉なんかついていない、
普通の痩せた体は、
最近の俳優を見慣れた目には、逆に新鮮。
ちょっぴりときめく(笑)。


刺客は、
「お前も裸で殺された日にゃあ、末代までの恥」
みたいな事を言うのだけれど、
意外な方法で、その場を切り抜ける狂四郎。
観ている方は、え!?どうやって?と一瞬思うけれど、
あとで分かる、その仕掛け。
納得。


加藤嘉も、一本筋の通ったおじいさん役がとても良い。
彼って、こんなに前から、
ずっと同じようなおじいさん役をしていたんだ、と思うと、
なんだか可笑しかった。
女優さんでいうと、北林谷栄や浦辺粂子のような感じ。
それほどの年齢でもないのに老人役をする俳優さんは、
逆に、ずっと年を取らない印象が残る。


評価 ★★★★☆

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