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「ジェイン・オースティン 秘められた恋」 [映画]

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〔2007年/イギリス・アメリカ〕  


1970年代後半、
イギリス、ハンプシャーに住むジェイン・オースティン(アン・ハサウェイ)は、
文章で身を立てたいと願う20歳。


ジェインの家は貧しく、
その為、母親は彼女を資産家の家に嫁がせようと必死だった。
その日の見合い相手は、
地元の金持ち、レディ・グレシャム(マギー・スミス)の
自慢の甥っ子、ウィスリー(ローレンス・フォックス)で、
階級や資産で人を区別する事が、今よりあからさまだった
当時のイギリスにおいて、それは身分不相応ともいえる、
願ってもない縁談だった。


しかし、そんな価値観を嫌い、
もっと自由に生きたいと望んでいたジェインは、
ウィスリーを好きになる事ができない。


そんな時、彼女は、ロンドンから来た
若い法律家、トム・ルフロイ(ジェームズ・マカヴォイ)と知り合う。
トムはハンプシャーのような田舎の生活を馬鹿にし、
また、ジェインが姉の婚約式で朗読した文章を、
「都会人には退屈すぎる」と批判する。


「君の無知も仕方があるまい。君には男性経験が欠けている。
 だから君の文章のレベルもあの程度だ。
 男性小説家と肩を並べたかったら経験無しでは無理だ」と。
腹を立てるジェインだが、それは図星で、
大きく反論する事はできなかった。


しかし、その後、互いを知るにつれ、惹かれ合い、
恋に落ちる二人。
トムは、自分の生活の面倒をみてくれている、
叔父のラングロイス判事(イアン・リチャードソン)にジェインを紹介すべく、
ロンドンへ彼女の招くが、
叔父は、あまりに身分の違いすぎる彼女を認める事はできず、
トムも、一度は叔父の意見を聞き入れ、ジェインと別れる。


しかし、ジェインを忘れられないトムは、
ハンプシャーにやって来て、駆け落ちを提案。
けれど、トムの実家の経済は、
叔父の援助無しではやってゆけない事を知ったジェインは、
今度こそ身を引く決心をする。


十数年後、小説家として成功したジェインは、
娘を連れたトムと再会する。
そして、その時ジェインは、
トムが心から彼女を愛していた証の、ある事実を知るのだった・・・。





2007年には、なぜかジェイン・オースティンの名を付けられた映画が
2本作られているようだ。
本作と、「ジェイン・オースティンの読書会」。
「読書会」の方は観ているが、あちらは現代劇なので、
オースティン自身が主人公となった本作の方が、
オースティンファンにはより、雰囲気を楽しめるかもしれない。


私はオースティンの小説を読んだ事がないので、
なんとも言えないのだが、
これは実話なのか、創作なのか。
いずれにせよ、イギリスのあからさまな階級制度には驚く。
まぁ、いつの時代も、どこの国でも、
身分違いの恋による悲劇の物語は多数あり、
障害が大きければ大きいほど燃えるというのも、
よくある話だ。


しかし、この映画は、身分違いだけでなく、
ジェインは、見合い相手と結婚すれば、
そしてトムも、叔父の言う通りにしていれば、
どちらも実家が経済的に救われるというのだから、
より面倒臭い。
駆け落ちしたせいで、彼の実家が経済的に困窮する事が分かっていて、
我儘を押し通せる女は少ないだろう。


アン・ハサウェイはやっぱり可愛い。
小さな顔に、めいっぱい大きなパーツが詰め込まれているもんだから、
ものすごく華やかに見える。
こんなに可愛かったら、
身分違いなんか、どこかに吹っ飛んじゃいそうだけどね。


「男を知らないと深い文章が書けない」と揶揄した、
当の男と恋に落ちて、
結果、作家として成功するのだから、
人生なんて面白いものだな。
それともトムは、下心があってジェインにそう言ったのか?
その時は、そんな風には感じられなかったけど。


評価 ★★★☆☆

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