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「眠狂四郎 勝負」 [映画]

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〔1964年/日本〕 


眠狂四郎(市川雷蔵)は、正月、人でごった返す神社で、
一人の老人と知り合う。


この、一見風采の上がらない老人は、朝比奈伊織(加藤嘉)といい、
勘定奉行の役に就く、高潔な人物であり、
その人柄に強く惹かれる狂四郎。
朝比奈もまた、狂四郎の刀の腕前に驚き、
他の侍とは一線を画した目で、彼を見つめるのであった。


実は朝比奈は、財政を預かる身として、
無駄な出費は一切控えるような決め事を作った為、
(今の仕訳けみたいなものか)
命を狙われており、
狂四郎は、朝比奈にまとわりつくフリをしながら、
彼を助けるのであった。


次々と現れる刺客に、狂四郎の円月殺法。
淫蕩な姫に、謎の美人占い師。
狂四郎と朝比奈の運命は・・・。





シリーズ第2作目。
1作目より、格段に面白い。


前作は、狂四郎がなんだかとても軽く感じられたが、
本作は、その孤独な感じ、
そしてストイックな感じが強調されており、
まるで別人のようだ。
据え膳も食わないし(笑)。


今まで市川雷蔵をそれほど好きだと思った事はなかったけれど、
これを観たら、その人気の理由も分かる気がした。


それに今回は、狂四郎が入浴中に刺客に襲われるという、
サービスカットまであるのだよ(笑)。
変な筋肉なんかついていない、
普通の痩せた体は、
最近の俳優を見慣れた目には、逆に新鮮。
ちょっぴりときめく(笑)。


刺客は、
「お前も裸で殺された日にゃあ、末代までの恥」
みたいな事を言うのだけれど、
意外な方法で、その場を切り抜ける狂四郎。
観ている方は、え!?どうやって?と一瞬思うけれど、
あとで分かる、その仕掛け。
納得。


加藤嘉も、一本筋の通ったおじいさん役がとても良い。
彼って、こんなに前から、
ずっと同じようなおじいさん役をしていたんだ、と思うと、
なんだか可笑しかった。
女優さんでいうと、北林谷栄や浦辺粂子のような感じ。
それほどの年齢でもないのに老人役をする俳優さんは、
逆に、ずっと年を取らない印象が残る。


評価 ★★★★☆

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