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「酔っぱらい天国」 [映画]

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〔1962年/日本〕

笠智衆は、10年前に妻を亡くし、
今は息子・石浜朗と2人暮らし。


笠は酒が大好きで、
飲むと普段の温厚な性格から、
人が変わったようになってしまう。
今日も、警察に保護され、
酔いが醒めると恐縮しきり。


そんなある日、石浜が、
恋人・倍賞千恵子と結婚したいと言い出した。
石浜と2人の生活を気に入っている笠は反対するが、
石浜は、彼女は妊娠していると嘘をつき、
なんとか認めさせる。


ところが、数日後、
バーで、喧嘩に巻き込まれた石浜は、
プロ野球選手・津川雅彦が振り回したバットが頭に当たり、
打ち所が悪く、死んでしまう・・・





タイトルから、勝手にコメディだと思い込んでいた
私が悪いのだけれど、
これはない。
辛すぎる。


酔っ払いの喧嘩に巻き込まれて、
息子が死んでしまうなんて、
観ていて、
「え、嘘でしょ・・・」って感じだった。
「もしかして、夢オチ?というか酔いオチ?」とまで思った。


笠さんは、息子を深く愛していて、
妻亡きあと、彼を生き甲斐にしている。
なので、息子が死んだ時のショックな様子に
胸が詰まる思いがする。


私だって、自分の身内が、
酔っぱらいの喧嘩に巻き込まれて死んだりしたら、
その相手を絶対に許しはしない。


息子の結婚に反対していた笠さんだけど、
倍賞さんのお腹に息子の子供がいる事を気にかけ、
一緒に暮らさないか、とまで言う。
妊娠は嘘だとも知らずに。


一度はOKした倍賞さんだけど、
なんと彼女は、
故意ではないにせよ、
結果的に恋人を殺した野球選手に誘惑され、
恋仲になってしまうんだな。


それを知った笠さんの衝撃。


つまりこの映画のタイトルは、
酔った上での事だと言えば、
全てが許される日本、
「酔っぱらいにとって、天国のような国」と
いう意味なのだろう。


後味の悪い映画だった。


評価 ★★★☆☆

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