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「幸せはシャンソニア劇場から」 [映画]

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〔2008年/フランス〕


1936年。
パリの下町の小さなミュージックホール、
「シャンソニア劇場」は、
不況の波をもろに受け、
閉鎖に追い込まれてしまう。


劇場で長年働いてきたピゴワル(ジェラール・ジュニョ)は、
妻に逃げられ、
次の仕事を探す事もせず、自堕落な日々。
そして、そんなピゴワルを見かねた、
幼い息子ジョジョ(マクサンス・ペラン)は、
金を稼ぐため、街頭でアコーディオン弾きを始める。


しかし、未成年のそんな行為は、
すぐ警察の目に止まる事となり、
ピゴワルは保護者の資格無しと判断され、
ジョジョは、再婚した母の所へ送られてしまう。


このままではいけないと一念発起したピゴワルは、
昔の仲間を誘って、
「シャンソニア劇場」の再興を決心する。
オーディションに来た美しい娘・ドゥース(ノラ・アルネゼデール)を採用し、
初日の幕が上がるが、
客から受けたのはドゥースだけで、
他の出演者たちの芸はスベるばかり・・・。





ハートウォーミングなだけの物語かと思っていたら、
意外にも、
警察の取り調べ室で、
ピゴワルが殺人容疑で尋問されている場面から
映画が始まる。


観ているうちに、
そんな始まりは忘れていくのだが、
途中でふと思い出す。
「ピゴワルは、誰を、なぜ殺したのだろう」と。


昔、この映画のような劇場が、
どれくらいの数あったのかは分からないけれど、
不況になれば、真っ先に潰れてしまうというのは、
分かる気がする。
衣食の足りない人々が節約を考えた時、
真っ先に切られるのは、娯楽だものね。


劇場が再開した初日、
料金は無料とあって、
大勢のお客さんが入るのだけれど、
出てきた芸人さんたちのパフォーマンスが、
惨憺たる有様で(笑)。


申し訳ないけれど、その芸は、
家族や友人同士で、
ちょっとおちゃらけた人なら普通にしていそうな程度のもので、
あれにお金を払おうという人は少ない気がする(笑)。
映画で観ている分には、
そこがまた、可笑しいのだけれど。


ピゴワルを思うジョジョの気持ちが大変にいいし、
ジョジョの母も、不倫はしたけれど、
ジョジョの事は誰よりも愛しているのが分かる。
大人はともかく、
子供が不幸な目に遭うような内容だと辛くなるばかりなので、
その辺は割と安心して観ていられる。


評価 ★★★☆☆

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