「マダム・マロリーと魔法のスパイス」 [映画]
〔2014年/インド・アメリカ〕
インド人の青年・ハッサン(マニシュ・ダヤル)は、
家族で南フランスにやって来る。
料理人の彼の為に、
父は空き家になっているレストランを買い取り、
そこで営業を始めるが、
なんと、通りを挟んだ向こうには、
ミシュランで一つ星を付けられている、
フレンチレストランがあった。
経営者・マダム・マロリー(ヘレン・ミレン)は、
ハッサンの店から漂ってくるスパイスの香りや、
大音響で聞こえるインド音楽や、
派手な電飾の店構えを毛嫌いし、
両店は対立する事になってしまう。
しかし、ある事がきっかけで、
ハッサンの料理を食べたマロリーは、
彼の天才的な料理の腕に驚く・・・。
インド料理とフランス料理。
味も雰囲気も、全く違うお店が、
向い合せで対立するってお話だけれど、
コミカルかつハートウォーミングでなかなか面白い。
インドとイギリスには、どこか密接な繋がりがありそうだけど、
フランスとなると、全く共通点が浮かばない。
(私だけ?)
そんな両国の人たちが、
どこで折り合いを付けていくのか、
その展開を楽しみにして観る。
主人公の青年・ハッサンは、
若いせいか、はたまた性格か、
他人との争いは好まないようだけれど、
その分、
彼の父と、マダム・マロリーのやり取りが可笑しくて。
この2人のしている事は、
まるで子供の喧嘩(笑)。
相手のレシピに載っている食材を、
市場で買い占めて、
作らせないようにしたり、
自分の正当性を町長に訴えたり。
観ているこちらにしたら、
お料理のジャンルが違うんだから、
仲良くすればいいのに、と思ってしまう。
だって、これがもし、
同じフランス料理のお店同士だったら、
事はもっと重大になっていた気がするもの。
この両方のレストランで作られるお料理の
美味しそうな事ったら!
食べ物がテーマの映画を観ると、
本当にお腹が空いてきて困ってしまう(笑)。
特にハッサンは、
インド料理が専門でありながら、
その天才的な能力で、
ササッとフランス料理を作ってしまう。
盛り付けも、本当に綺麗で、
それだけで、観て得した気持ちになれる。
私の近所に、こんな美味しそうなレストランが
向い合せで経営していたら、
週替わりで通ってしまいそう。
あぁ、これを書きながら、またお腹が空いてきた(笑)。
評価 ★★★☆☆