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「春琴抄」 [映画]

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〔2008年/日本〕


明治時代。


孤児の佐助(斎藤工)は、
盲目のお琴(長澤奈央)の美しさに魅せられ、
彼女の身の回りの世話をするようになる。


我儘でヒステリックなお琴は、
事あるごとに佐助に当たり散らすが、
佐助は顔色一つ変える事なく、
その献身ぶりは、全くブレがない。


お琴は、春琴の名前で琴の師匠をしているが、
弟子に対するヒステリックな態度は同じなため、
評判はあまり良くない。


お琴の美しさに目をつけた、
名家の道楽息子・利太郎(松田悟志)は、
なんとか彼女を自分のものにしようとするが、
強い拒絶にあい、
憎しみを募らす。


そんなある日、お琴の寝屋に
何者かが忍び込み・・・。





濃密な、
なんと濃密な。


斎藤工演じる佐助と、
長澤奈央演じるお琴の、
エロティックな雰囲気がいつまでも私の体にまとって、
離れない。


特別なシーンがあるわけではない。
しかし、例えば、
お琴が、「足が冷たい」と言えば、
佐助は自分の着物の胸元を広げ、
そこにお琴の足を入れ温めてやるなど、
そういった献身の一つ一つに、
大変な色気を感じる。


佐助は、お琴と、
手水場にまで一緒に入り、
後始末までしているという。
利太郎に迫られたお琴は、
「あなたにそこまでできますか?」と仄めかし、
利太郎はたじろぐが、
観ているこちらは、
「真の献身とはそういう事なのか」と、
ちょっとした衝撃。


斎藤工が素晴らしい。
ほぼ表情を変えない演技なのに、
その胸の内が痛いほど伝わってくる。
あんなイケメンにかしずかれるなんて、
それって何プレイ?って感じで、
私はSでもMでもないけど、
思いっ切りハマってしまったよ(笑)。


お琴を演じる長澤奈央さんという女優さんの事は
よくは知らないけれど、
硬質な感じがとても良かった。
お琴の役に合ってると思ったな。


実は、これを観た翌日、
味わいの違いを確かめたくて、
山本富士子さん版の「お琴と佐助」を観た。
けれど、私が変なのか、
こちらの斎藤版の方が、好きだと思った。


もちろん、なんでもかんでも古いものが良いという
わけではないし、
現代風に分かり易く作ってもあるのだろうし、
そう思ってしまったものは仕方がない。
「お琴と佐助」については、
また後日、書いてみたい。


斎藤工くんって、
最近ドラマで大ブレイクした方ですよね。
考えてみれば、私は、
愛と誠」の舞台挨拶の時、
最前列で斎藤くんを見ている。


けれどその時の私は、妻夫木君を愛するあまり、
斎藤君の事はほぼ覚えていないという(笑)。
彼の名前さえ読めなくて、
「斎藤・・・こう?」などと言ってたくらいで。
勿体ない事をしたわ(笑)。


彼の人気は、この間した、
女性だけの飲み会の席でも分かった。


私が「斎藤君の春琴抄を観た」と言った時の、
友人たちの色めき立った事ったら。
「そんなのあるの!?」って感じで、
スマホで検索して大騒ぎ(笑)。
私が、「斎藤君にかしずかれたいっ」と言ったら、
みんな、「きゃー☆」って。
全員、アホだ(笑)。


評価 ★★★★☆

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