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「美女と野獣」 [映画]

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〔2014/フランス〕


自慢の大きな船を3隻も所有している、ある裕福な商人は、
しかし、嵐で全てを失い破産してしまう。


彼は6人の子供と田舎に移り住むが、
贅沢に慣れた子供は不満を募らせ、
ワガママを言わないのは、娘のベル(レア・セドゥ)だけ。


ある日、遠出をした商人は、
雪の中で道に迷い、森の奥の古城に辿り着く。
ベルから、薔薇を土産に所望されていた商人が、
庭に咲いていた一輪を手折ると、
城の主で、怖ろしい風貌の野獣(ヴァンサン・カッセル)が現れる。


野獣は、大切な薔薇を手折られた事に怒り狂い、
「一日だけ猶予を与える。戻って来なければお前の家族を殺す」と言う。
商人は急いで家へ戻り、
子供たちに事情を話す。


自分が望んだ薔薇のせいで、父が殺される。
ベルは父の代わりに馬を走らせ、城に向かう。
彼女を迎えた野獣は、
殺す事はせず、
ベルは城で暮らし始めるが・・・。





子供の頃、何度も繰り返して見る夢があった。
それは、深く暗い森に入ってゆく夢。
今日こそは、森を抜けてみせると、
思うのだけれど、
結局、一度も抜けられなかったように記憶している。


私が見た夢の森は、
今思えば、とても小さくて、
所詮は、子供の頭の中で作られた、
チャチなものだったけれど、
これは、それを何百万倍にも凄くして見せてくれた、
そんな映画。


ストーリーは、
そう特別な事はなかったけれど、
映像の美しさで、
夢中になって観てしまう。


これは私だけの感覚なのか、
他の方も同じなのかは分からないけれど、
動けない事を運命付けられているはずの樹木が動く映像を見ると、
なにか説明しがたい興奮を覚える。
うわーと魅入って、
それだけで、「この映画、好き」と思ってしまう(笑)。
(「スリーピーホロウ」や「ブラザーズ・グリム」なども)


野獣の城も素晴らしい。
古く、大きく、
探索していたら、一日があっと言う間に終わってしまいそう。
ベルは、日中は城や敷地内を自由に動いていいと言われ、
塔の上に登ったりする。
一室に監禁されるなら嫌だけど、
好きにしてていいのなら、
私だったら、一生ここに住んでもいいと思うわ(笑)。


そのベルを演じた、レア・セドゥが、
映画の雰囲気に合っていて素敵。
特別美人とは思わないけど、
野獣が次々差し出すドレスを着て、
優雅にしているのも羨ましい。
いや、別に私にお姫様願望はないけれど(笑)。


一つだけ気になったのは、
内容でなく、宣伝文句の
「待望の実写化」って言葉。
「美女と野獣」といえば、ディズニーアニメが有名だけど、
実写化は、過去に何度かされている。
映画に接して日が浅い中学生なんかの、
古い映画を観る機会を逸してしまいそうな気がして。


評価 ★★★★☆

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