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「春琴抄 お琴と佐助」 [映画]

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〔1935年/日本〕


大阪・道修町の薬問屋の丁稚・佐助(高田浩吉)は、
仕事の傍ら、
店の次女で全盲のお琴(田中絹代)の介助をしている。


お琴は、佐助のきめ細やかな介助を気に入り、
他の者は全く受け付けず、
彼女を不憫に思う両親は、
それを許している。


お琴は琴の名手として、
師匠から一番弟子と呼ばれており、
佐助も見よう見まねで密かに三味線を弾くようになる。


丁稚の仕事と、お琴の介助、自身の三味線と、
手一杯の佐助を見たお琴の両親は、
いっそ佐助をお琴専任にしてはどうかと考え、
佐助は、店の仕事から解放される。


そんなある日、お琴の妊娠が判明。
しかし彼女は決して相手の男の名を言わず・・・。





味わいの違いを確かめたくて
各年代の「春琴抄」を観て3日目。
相当ハマってるわ、自分(笑)。


本作は、今まで6本作られたという「春琴抄」の、
一番古い作品だそうで、
映像はモノクロ。


80年ほども前の作品のせいか、
田中絹代さん演じるお琴は、
気性もそう激しくはなく、
セリフ回しも、たおやかな印象。


というか、やはり最初に斎藤工君版を観てしまったせいで、
どうしても、それが基準になっているのが
いけないのよね。


ところで、斎藤君の時も、山本富士子さんの時も
書かなかったけれど、
唐突に出てくる、
お琴の妊娠のエピソードで、
お腹の子の父親は誰なんだろう。


お琴も、そして佐助も、
「父親は絶対、佐助ではない」と言うけれど、
24時間、片時も離れない2人に、
他の男が入り込む隙間があるのだろうかとも思うし、
やはりネットでも、
それに関する質問がアップされているようだ。


2人が肉体的に結ばれたという表現がないので、
そういった疑問が湧きあがってくるのであろうが、
そんな場面がないからこそ、
余計にイマジネーションが膨らんで、
ものすごくエロティックな雰囲気を醸し出している気がする。


あんな、女王様と下僕みたいな2人が、
閨房ではどんな語らいをするのか・・・
あー、いけないいけない(笑)。


これは谷崎潤一郎の原作でも、
ハッキリは書かれていないらしい。
そうだ、原作を読みもしないで、
あれこれ考えていても仕方がない。
もう絶対、近いうちに読むぞ、と決めた。


評価 ★★★☆☆

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