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◆海を感じる時◆ [本]


海を感じる時・水平線上にて (講談社文芸文庫)

海を感じる時・水平線上にて (講談社文芸文庫)

  • 作者: 中沢 けい
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1995/03/06
  • メディア: 文庫


9月に、映画「海を感じる時」の感想を書いた時、
「原作が自分には合わなかった」と断じてしまったけれど、
なんだか気になって、
もう一度図書館で借りて読み返してみた。


意外にも、自分が記憶しているほどには悪くないかもと、
思った。
数年前、何が気に入らなかったんだろう、自分(笑)。


もちろん、そう面白いというわけではないけれど、
女子高生のみずみずしい感覚は、
ちゃんと伝わってくる。
自分が変わったのか、
映像化されたものを観て、
理解を深めたのか。


インパクトが弱いのは仕方がないか。
これは著者・中沢けいさんのデビュー作で、
しかも19歳。
ほぼ素人が書いた小説と言っていい気がする。
全体に薄くて、
あまり記憶に残らない。
だから「好きじゃない」と思ってしまったのかな。


それから、自分で書いた感想で、
笑ってしまう部分があった。
↓ (以下、その部分のコピー)


『この話は、
恋愛と並行して、主人公と母親との確執も大きなテーマだ。
小説の細部は殆ど忘れてしまった私が、
たった一つ記憶に残っているのが、
娘が男と体を重ねているのを知った母が、


「夜遅くなったあなたを迎えに行ったのは何のためだと思ってるの!」と
罵倒する場面。
やはり、そこは映画でも使われていたけど、


でも、お母さん、
それとこれとは、ちょっと違うんじゃないのかなぁ。
夜迎えに行ったのは、
本人が望まない性体験を避けるためであって、
池松と関係しているのは、
娘が好きでやってるんだから、仕方ないじゃないかと思ってしまうのは、
現代の考えなんだろうか。』


で、本の、この箇所を読んだら、
全く同じ事が書いてあった。


性体験をした主人公に、
母親が、「夜迎えに行ったのは云々」と言った時、
彼女は、
「それは私が不本意な性関係を持たないためではないのか。
 私は望んで、彼と関係しているのだ」、と、母親に言い返す。


うーん、まるでパクり(笑)。


これを書いた時、
パクったという思いは全くなく、
本当に、思った事を書いたつもりだった。
もしかして、
頭のどこかで、本の記憶が残っていたのかもしれないけれど、
母親のあんな発言を聞けば、
誰だってそう思う気がする。
・・・と、言い訳しちゃう(笑)。


とにかく、映画の感想で、
あまりいい事が書けなかったのは、
ちょっと失礼だったかな、と思った次第。
本当に、そう悪くはないです。

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