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「無宿(やどなし)」 [映画]

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〔1974年/日本〕


同じ日に刑務所を出所した高倉健と勝新太郎。


勝は、恋人・藤間紫の所へ行き、
彼女に預けてあった地図を受け取る。
高倉は、兄貴分の恋人が働いている女郎屋へ行くが、
彼女は既に死んでいた。
同じ女郎屋で働く梶芽衣子から、
「あんな風に死にたくない」と泣かれ、
彼女を連れ出し、列車に乗る。


ある町に辿り着いた高倉と梶だったが、
祭りの人ごみに紛れて、
高倉は姿を消す。
途方にくれた彼女だったが、
偶然、勝に会い彼と行動を共にするようになる。


一方、高倉は、兄貴分を殺した相手を見つけ、
仇を討つが、
そのせいで命を狙われるようになる。


勝と梶は、山陰に行き、
地図をたよりに、海中にある宝を探し当てようとする。
そこへ高倉がやって来て、
浜辺での、奇妙な3人の生活が始まるが・・・。





昨日に引き続き、高倉健さん。
この映画は、勝新太郎さんとの共演という事で、
前から気になっていたのを、
高倉さんの訃報を機に、
観ようと決めた。


高倉さんと勝さんが同じスクリーンに納まるって、
もうそれだけで凄くて、
溜息が出てしまう。
他にお二人が共演した映画ってあるんだろうかと
調べてみたけれど、
これが最初で最後の1本らしく、
それを知ると、さらにお宝感が増す。


二人の対比が面白い。
長身で細身で寡黙な高倉さんと、
ずんぐりとして饒舌な勝さん。
高倉さんだけだったら、
シリアスな物語になっていただろうが、
勝さんのおかげで、
コミカルな味付けが加わって面白い。


これはヤクザ物というより、
お二人プラス梶芽衣子さんの、
海辺での、
短く儚い数日間がメインの映画だと思う。


宝探しをする男2人を、
浜辺で日傘を差しながら、
優雅に見守る梶さん。
宝を見つけたら、
勝さんは、「家を買いたい」、
高倉さんは、「海外に行きたい」と言うけれど、
梶さんは、「この時間が永遠に続いた方がいい」と言う。
それは観ている私も同じ気持ち。


高倉さんが海岸に来るまで、
勝さんは、梶さんを助手(?)のようにして、
宝物を探すんだけど、
梶さんの鈍臭い事ったら(笑)。


勝さんが海に潜っている間、
梶さんが、船上で色々操作するんだけど、
それが中々上手くできず、
勝さんは、「俺を殺す気か!?」って(笑)。


私が梶さんと同じ事をさせられたら、
きっと梶さん以上に鈍臭いはずで、
勝さんからめっちゃ怒られそう。
私には、宝探しなんて無理だわ(笑)。


この、
男2人、女1人の宝探しの物語は、
アラン・ドロン主演の名画、「冒険者たち」をベースにしているそうだ。
私はそちらは未見。
近いうちに観てみたい。


評価 ★★★☆☆

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