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「フランシスコの2人の息子」 [映画]

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〔2005年/ブラジル〕


ブラジルの小さな町で小作農をするフランシスコ(アンジェロ・アントニオ)は、
音楽が大好き。
愛する妻・エレーナ(ジラ・パエス)が話しかけてもうるさがるくらい、
音楽に聞き入る事がある。


そんな夫妻に長男・ミロズマル(ダブリオ・モレイラ)が生まれる。
フランシスコは、ミロズマルをミュージシャンにしたいという夢から、
アコーディオンを買い与え、練習させる。


また、次男・エミヴァル(マルコス・エンヒケ)にもギターを買い与え、
2人は練習を重ねてゆく。


しかし、周囲の人間は、
そんなフランシスコを正気でないと噂し、
地主であるエレーナの父は、
地代が払えないなら出て行ってくれと厳命し、
一家は、別の町に家を借り、移り住む事となる。
その間にも、子供が次々生まれ、
夫妻は7人の子持ちとなる。


日々の食事にも事欠く一家の為に、
ミロズマルとエミヴァルは、
繁華街で弾き語りを披露する。
美しい2人の歌声に、人気が高まり、
エージェントを名乗る男から声が掛かる。
「ここで歌っているのは勿体ない。
2人ならもっと金になる」、と。


男に連れられ、
旅するようになった兄弟だが、
思わぬアクシデントに見舞われてゆき・・・。





ブラジルに実在するミュージシャン、
ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノの、
半生を描いた作品だそうだ。


しかし、このタイトルは間違いだね。
これだと、フランシスコには息子が2人しかいないという
印象を受けるけれど、
実際には、7人もいるじゃん(笑)。


子供が増えてゆく過程を、
早い映像で見せるものだから、
「え?また?え?」って感じで、
どんどんどんどん多くなってゆく(笑)。
うーん、ブラジルの家族事情はよく知らないけれど、
みんなこんなものなのだろうか。
それとも、ここの家が特殊なのか。


父親がいくら音楽好きでも、
それを子どもの職業にまでさせるって、
どうなのよって感じだけれど、
ブラジルだから許せてしまうというのもある。
これが日本の映画で、
「女優の夢を捨てられない母が、娘にそれをさせる」って内容だったら、
なんかニュアンスが違ってきそう。


フランシスコの拘りの中には、
息子たちをミュージシャンにさせて、
左団扇で暮らしたいというより、
他人と同じにしていたのでは、
この子たちは一生、小作のままだという、
強い焦りが感じられる。
日本の親が子供に、「勉強しろ、いい学校に入れ」と言っているのと、
根っこの所は同じなのかもしれない。


評価 ★★★☆☆

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