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「砂漠でサーモン・フィッシング」 [映画]

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〔2012年/イギリス〕


水産学者のユアン・マクレガーは、
砂漠の国・イエメンで鮭を放流し、
釣りを楽しむというプロジェクトを聞き、驚く。


それはイエメンの大富豪・アムール・ワケドの夢であり、
金に糸目はつけないとの話であったが、
そもそも、鮭の生態が、
砂漠に合っているとは思えず、一笑に付す。


ところが、イギリスとアフガニスタンの関係が悪化、
外務省はイギリスと中東の仲の良さをアピールしようと、
この話に目を付ける。
マクレガーは、内心、絶対無理だと思いながらも、
クビか、給料倍額かの二者択一を迫られ、
結局、承知する。


プロジェクトの窓口を担当するエミリー・ブラントと、
早速、計画実行へと動き出したマクレガー。
実は2人とも、私生活では悩みを抱えていた。


マクレガーは、マンネリ化した夫婦生活を辛く思っており、
ブラントは、知り合ったばかりの恋人が、
中東へ派兵され、明日の命も分からないのだ。


そんな2人は、ワケドの家を訪ねる。
無理難題を押し付ける中東の富豪という先入観で、
ワケドに会ったマクレガーだが、
彼は立派な紳士で、
金の為でなく、純粋に故郷で釣りを楽しみたいという思いでいる事を知る。


様々な難題を乗り越えて進むプロジェクト。
そして、マクレガーとブラントの間には、
ある感情が流れ始めていた・・・。





中東の大富豪の壮大な夢物語と考えれば、
とても素敵なお話だと思うけれど、
環境の事を考えるとどうなのよ、という、
なんとも判断に困る内容(笑)。


イエメンという国は、
中東にしては、雨量が多いという事で、
アムール・ワケドは、川の上流にダムまで作って、
鮭の放流を楽しみにしている。


個人の資産でダム建設というのも凄いけれど、
元々、その土地に存在しなかったはずの生物を、
1万匹も持ち込むって、
他の自然への影響はどうなんだろうと
考えずにはいられない。
そして、その事に触れる人は誰もいない。
人々の議論は、
イエメンで鮭が生きられるのか、
その点だけに集中している。


ま、いっか。
そんな事を考えなければ、
それなりに楽しめるし。
鮭のおかげでイエメンの人々の生活が潤うかもしれないし、
地球そのものは、
そうやって姿を変えながら、存在していくのかもしれないし。


これって、恋愛部分は必要だったんだろうか。
(ウィキペディアには、恋愛映画と書いてあるけれど)
マクレガーにも、ブラントにも、
元々、別のパートナーがいるという点が、
心から2人を祝福できない気持ちにさせる。
2人が長らく独り身だったのなら、
もっと楽しめたのになぁ。


ユアン・マクレガーは、41歳か。
ちょっとした表情に、
年相応のものを感じるけれど、
私の中のイメージは、いつまでも悩める兄さんって感じで(笑)、
何だか憎めない。
あと10年経ったら、どんな俳優さんになるんだろう。


評価 ★★★☆☆

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