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「ロックアウト」 [映画]

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〔2012年/フランス〕


2079年。
CIAのエージェント・ガイ・ピアースは、
組織の重要機密漏洩事件を捜査していたが、
同僚が殺害され、
容疑者として捕まってしまう。


この時代、地球では、
凶悪犯人を宇宙刑務所「MS-1」に送り込み、
コールドスリープにより、完全な管理体制を取るという計画の、
実験段階にあった。


現在、「MS-1」に送り込まれている囚人は約500人。
脱獄不可能ではあったが、
その内部の実態は明らかにされておらず、
人体実験が行われているのではないかとの噂もあった。


アメリカ大統領の娘・マギー・グレイスが、
「MS-1」に調査の為にやって来る。
グレイスは、凶悪犯の一人・ジョゼフ・ギリガンと面会するが、
その際ギリガンが暴れだし、
囚人全員のコールドスリープを解いてしまう。


無法状態となった「MS-1」。
グレイスを救出するようにと、
指令を受けたピアースは、
最初は拒否するが、
囚人の中に自分の無実を知る仲間がいると、
ひそかに告げられ、
出発を決める。


グレイスは助かるのか。
そして、ピアースの無実は晴れるのか・・・。





近未来になっても、
ジョゼフ・ギリガンのような原始的な凶悪犯っているんだなぁというのが
最初の印象。
いるよね、いるんだろうね。
宇宙に刑務所を作る技術があるなら、
凶悪犯を出さないシステムは出来ないものかと思ったけれど、
もちろんそんな事は無理なんでしょうね。


結構面白い。
宇宙空間を漂う刑務所。
そりゃあ、脱獄は不可能だろうけど、
ただ、そこに配属された職員はショックだろうね。
「お、俺!?」って(笑)。
よほど高いお給料を貰って、
短期間で交代という条件じゃなければ辛いわ(笑)。


ガイ・ピアースが思いの外カッコよくて素敵だった。
スーパーヒーローというわけじゃなく、
普通の人なんだけど、
狭い宇宙刑務所の中で、
マギー・グレイスや他の人質の為に、
戦ってくれちゃってる。


まぁ、それは、仲間の囚人を探すという目的があるわけで、
究極は自分の為なんだけど、
逆に、なまじ正義感ぶってるより、
人間的だったし、
その探している仲間に会えた場面も良かった。
(ある理由で、ちょっと悲しいんだけど)


酸欠になったグレイスに、
ピアースがある処置をするんだけど、
直視できなかったな。
その後、何事もなかったかのように起き上がるグレイス。
「あんた、何も違和感ないの?」と聞きたくなったよ(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「人生の特等席」 [映画]

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〔2012年/アメリカ〕


大リーグのスカウトマン・クリント・イーストウッドは、
選手の能力を見抜く力を高く買われていたが、
最近は視力も衰え、
コンピュータによるデータに重きを置く風潮からも、
取り残されている。


彼は若い頃妻を亡くし、
一人娘のエイミー・アダムスは、
遠い親戚の家に預け、
子育ては殆ど他人任せで生きてきた。


現在は優秀な弁護士として働くアダムスだが、
幼い頃、父に捨てられたという思いから抜け出せず、
父娘関係は、決して良好は言えない。


しかし、父の体調が心配でもあるアダムスは、
休暇を取り、父の仕事場に現れる。
ギクシャクしたままの2人だったが、
それでも父親の影響で野球に詳しいアダムスは、
父の力になる。


スカウトマンの中には、
かつての野球選手だったジャスティン・ティンバーレイクがおり、
イーストウッド親子と次第に親しくなってゆく。


しかし、長期で仕事を休むアダムスは、
担当している案件を他の弁護士に取られてしまう。
さらに、ある誤解からティンバーレイクを怒らせてしまい、
何やら人生の泥沼に。


そんな中、イーストウッドは、
アダムスを親戚の家に預けた理由を
彼女に話す・・・。





クリント・イーストウッドの映画は、
私の中でずっとヒット続きだったけれど、
これは平凡かなぁ。


彼が主役を演じるのは、「グラン・トリノ」以来4年ぶりになるのだろうか。
なんだか今回も「老い」がテーマで、
それも悪くはないけれど、
あんまり続き過ぎると、「またか」という感じが拭えない。
まぁ、だからと言って、
若ぶった役をされても、困るんだけど(笑)。


父と娘の確執もありふれていて、
それほどの感情は湧かない。
逆に、トラウマがあると言いながら、
イーストウッドの仕事場に現れる、
エイミー・アダムスって、
普通の娘以上に父親っ子じゃんと思ってしまった。


だって、優秀な弁護士で、
しかも、重要な案件を抱えている最中だって設定なのよ。
自分がいてもいなくても大差ない、親父の仕事場に、
仕事を放り出してまで行くなんて、
どんだけ親思いなんだよって。


それから、スカウトの仕事で、
思うような結果を得られなかったイーストウッドに、
アダムスが偶然に、ある人間を見出して、
結果的に溜飲が下がるという場面があるんだけれど、
それがもう、あまりにもご都合主義で(笑)。
あんなに偶然に、タイミング良く、
人との出会いがあるなんて、突然すごい運気の上昇だよ(笑)。


茶化してばかりでごめんなさい。
悪い映画ではないです。
どうしても、ここ最近のイーストウッド作品と比べっちゃって。


評価 ★★★☆☆

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「悪の教典」 [映画]

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〔2012年/日本〕


高校教師・蓮実聖司(伊藤英明)、通称・ハスミンは、
明るく、理解があり、ルックスも良く、
おまけに頭脳明晰。
生徒たちは彼を慕っている。


しかし、彼は他人が思っているような人間ではない。
彼は他人の痛みに寄り添う事のできない、
反社会性人格障害者で、
自分の人生に邪魔になると思われる人間は、
殺害する事によって排除してきたのだ。


さらに彼は、人の弱みを知るや、
その人に付け入り、
とことん利用する人間でもある。


彼の周囲では、
不自然な死や、行方不明者が多く、
不審に思う者もいたが、
それに気づいた人間も彼の手にかかって、
亡き者にされてゆく。


しかし、そんな事が永遠に続くわけはない。
ほんの一瞬のミスから、
彼の計画が狂ってしまう。
犯罪の発覚を恐れた彼は、
生徒たちを皆殺しにし、
その罪を他の教師になすり付けようと、
銃を乱射し始める・・・。





私は今までずっと、伊藤英明が嫌いだった。
一見カッコ良さげだけれど、
よく見ると目力が弱く、
気が弱そうで、
意志薄弱な印象しかなかった。


この映画の予告を観た時も、
伊藤英明が頭脳明晰な教師かぁ、と、
ちょっと軽んじていた所があった。


けれど、その伊藤英明が最初から魅せる。
生徒から人気の高い教師。
授業も上手く、生徒を引き付け、
他の教師や、父兄の対応も上手いという役を、
うまくこなしている。


私が弱いと思っていた目力も、
上手く利いている。
最初からギラギラした、意志の強い瞳だったら、
「実はサイコパス」の「実は」の部分に、
説得力が無くなってしまう。


ルックスも、
「教師にしては」カッコいいというレベルで、
リアリティがあって良かったな。


なんだか伊藤英明の事ばかりになってしまったけれど(笑)、
映画自体、最初からものすごい緊張感。
平穏そうに見えるけど、
この先絶対何か起こるという空気が充満している。


あんな風に目の前で学友たちが殺されていったら、
生き残ったとしても、
生涯、その光景に悩まされ続けるよね。
死んだ方がマシなんじゃないかと思わされたくらい。


伊藤英明が何かやらかしそうという怖さもあるが、
学校そのものも怖い。


閉鎖された小さな社会。
人口密度の高い教室。
今思えば、何も疑問を持たず、
よく学校に通っていたなぁと思うよ。


評価 ★★★☆☆

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「ニュースの天才」 [映画]

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〔2003年/アメリカ〕


大統領専用機に、唯一置かれているという、
権威ある政治雑誌「ザ・ニュー・リパブリック」。


その雑誌の編集部に籍を置くスティーブン・グラス(ヘイデン・クリステンセン)は、
25歳の最年少にして、
次々スクープをものにする人気記者だった。


また、腰が低く、周囲の気配りも忘れない彼は、
人望が厚く、職場の誰からも好かれる好青年でもあった。


そんなある日、
会長と確執のあったケリー編集長がクビになり、
新しい編集長にレーン(ピーター・サースガード)が指名される。
皆から尊敬されていたケリーの後釜は、
レーンにとって多少荷が重かったが、
結局、就任する。


グラスは、また新しいスクープ、
「ハッカー天国」を発表し、
大きな反響を得るが、
他誌から、
「内容に不自然な点がある」と指摘される。


それをきっかけに、
レーンがグラスの過去記事を調べると、
とんでもない事実が明らかになり・・・。





どんなニュースでも、
その全てが真実だと思い込むのは危険だし、
常に疑いの気持ちを持っていたいとは思うけれど、
反面、権威に弱い私は(笑)、
大統領専用機に唯一積まれている雑誌と聞けば、
そこに書かれている事は、とえあえず信じてしまう気がする。


そんな権威のある雑誌の、
一人の若手人気記者が書いた記事、
41本のうち27本が捏造だったなんて知った日には
卒倒しそうだけれど、
これは実話なのだそうだ。


グラスの記事に疑惑を持ったレーンが、
実際の取材の現場に彼を連れてゆき、
その時の状況を説明させる様子に
ドキドキする。


グラスが取材をしたビルというのが、
その日は閉まっていたと、警備の人が証言。
また200人は人がいたという場所は、
大変に狭く、それほどの人が入れるとは思えない。
その後行ったレストランも、
日曜日は3時から休み。


一つ一つを検証するけれど、
最初グラスは、あーだこーだと、
適当な説明を繰り返す。


嘘を誤魔化すのも大変だけど、
嘘を検証するのも、大変に辛いというか、
ある意味、検証する側の方が、
なんだか恥ずかしいような、
そんな気持ちを覚えた。


ちょっと違うけれど、
以前、考古学の先生が、
次々と土器などを掘り出していたのが、
全て嘘だったという、あの事件を思い出した。
あれも、なんだかこちらの方が恥ずかしかった。


評価 ★★★☆☆

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「ゲットバック」 [映画]

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〔2012年/アメリカ〕


銀行の金を奪う事にかけては天才的な能力を持つ、
ニコラス・ケイジ。
その夜も、仲間3人と深夜の銀行に忍び込み、
まんまと1千万ドルの現金を奪う事に成功する。


ところが逃走中、ささいな仲間割れから、
拳銃が暴発、
相棒・ジョシュ・ルーカスの足に弾が当たってしまう。
さらに、ケイジ1人が警察に追い詰められ、
逮捕される。


7年後。
出所したケイジは真っ直ぐに最愛の娘を訪ねる。
しかし、思春期に入った娘はケイジを拒否。
1人でタクシーに乗り込み、去ってゆく。


その直後、ケイジに電話がかかる。
娘の乗ったタクシーを運転していたのは、
相棒ルーカスだったのだ。
拳銃の暴発が原因で義足となった彼は、
ケイジを恨んでおり、
また、あの夜盗んだ金を寄越さないと、
娘を殺すと言う。


警察に言っても、
ルーカスは死んだことになっており、
相手にされない。
ケイジは娘を救出する事ができるのか・・・。





いいねぇ、ケイジ物(笑)。
別に何がどうってわけじゃないんだけど、
ニコラス・ケイジの映画ってだけで、
なんだか嬉しくなってしまう。


ムショから出てきて、
足を洗う事を決意したケイジ。
だけど、そうは問屋が卸さない。


ケイジは、逮捕される直前に、
その場にあったドラム缶の焚火に、
盗んだ金を投げ込んでしまうんだな。
罪を少しでも軽くするために。


盗んだ金は1,000万ドル。
日本円にしたら、10億円近く。
そんな金が一瞬にして灰だよ。
観ていて、「あ~、勿体ない」と思ってしまった(笑)。


けれど、ジョシュ・ルカースにしてみれば、
そんな事は知らないので、
ケイジが大金を、
何らかの方法でどこかに隠したと思っている。


で、この先が凄い。
ケイジはルーカスに金を返す為、
昼の日中のまだ営業中の銀行の金庫に入っている金塊を
ある方法で、盗み出すんだな。


その方法ってのが、
荒唐無稽というか、有り得ないやり方で、
笑っちゃって。
しかも、めっちゃ短時間で作業完了。
あんな手が使えるなら、
人間みんな、銀行強盗になってるわ(笑)。


ラストのケイジとルーカスの対決も凄い。
ルーカスのしつこさは「ターミネーター」の小型版みたいで(笑)。
くだらない。
くだらないけど大好き。
やっぱりケイジ物はいい!


評価 ★★★☆☆

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