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「フィリップ、きみを愛してる!」 [映画]

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〔2009年/フランス〕


スティーヴン(ジム・キャリー)は、
幼い頃、実はもらわれっ子だと両親から打ち明けらる。


大人になった彼の職業は警察官。
結婚し、子供にもめぐまれ、幸せに暮らしていたが、
本当の母に会ってみたいという気持ちを抑えきれず、
警官という立場を利用して、母の住所を調べ、訪ねる。
しかし、母はなぜか冷たく、
捨てられたのは3人兄弟の真ん中の自分だけらしい事を知る。


ある日、交通事故で大怪我をした彼は、
本当の自分として生きる事を決意する。
実は彼はゲイなのだ。
妻にそれを打ち明け、
警察を辞め、
詐欺師になる。


詐欺容疑で逮捕されたスティーブンだったが、
刑務所の中で、
一人の男に目が釘付けとなる。
それが彼とフィリップ(ユアン・マクレガー)との出会いだった。


出所した2人は一緒に暮らし始めるが、
フィリップを愛するあまり、
金を稼ごうと、
詐欺行為を繰り返してしまうスティーブンは、
再び刑務所へ。
しかし、フィリップに会いたくてたまらない気持ちが治まらず、
何度も何度も、脱獄するスティーブン・・・。





可愛いです。とっても。
刑務所内で出会い、
愛し合うようになったスティーブンとフィリップ。
まず、フィリップを見つけたスティーブンの場面が素晴らしい。
大勢いる囚人の中から、
フィリップを見た瞬間、
彼から目が離せなくなって、ずっとその姿を追ってしまう、
その様子。
恋って、こうして始まるのねっていう、
テキストみたいな場面。


2人が恋人同士になってから、
娯楽室で古い映画をテレビを見る場面など、
ロマンティックでうっとり。
スティーブンの腕の中で、
フィリップが寄り添って、
本当に恋する2人といった風情。
刑務所が、こんな素敵な場所に見えるなんて(笑)。
恋を語るのに、場所なんて関係ないのね。


刑務所を移される事になったスティーブンを、
フェンス越しに追いかけるフィリップの場面が、またいい。
ユアンってゲイだったっけ?って思うくらい、
彼の演技が上手くて、切なくて。
2人は互いに叫ぶ、
「I Love You!」と。
この時かかる曲が、「ラブ・サムバディ」。
音楽まで美しい。


映画自体は、テンポよく進む。
特に、ジム・キャリーが脱獄を繰り返す場面は、
「え?そんな方法で、刑務所って出られるの?」と思うくらい、
軽妙で、お手軽。
私も刑務所に入ったら、
試してみたいくらい(ウソです(笑))。


フィクションのようだけれど、
主人公のスティーヴン・ラッセルは、
実在の人物で、
現在も懲役167年の刑で服役中だそうだ。


彼の人生を知った人が、
あまりにロマンティックなお話に、
映画化せずにはいられなかったのかと、
勝手に想像している(笑)。


評価 ★★★☆☆