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「悪のシンフォニー」 [映画]

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〔1966年/アメリカ〕


アメリカの麻薬取締官・ベンソン(スティーブン・ボイド)は、
阿片商人に化け、
イランの遊牧民から阿片を買い取る。


ところが数日後、ベンソンは殺され、
テヘランの麻薬対策事務所に、
サレム大佐(ユル・ブリナー)、
ジョーンズ(E・G・マーシャル)、
リンカン(トレヴァー・ハワード)らが集まり、
麻薬業者取り締まりのための会議を開く。


彼らは麻薬に放射性物質を塗り、
どこへ取引されても、
ガイガーカウンターで調べる事ができるようにし、
作戦を実行、それは上手くいくかに思えた。


一方、ベンソンの遺体安置所に、
彼の妻だと名乗る女(アンジ-・ディキンソン)が現れる。
しかしベンソンは独身のはず。
彼女は何者なのか・・・。





今月18日に公開された、
ニコール・キッドマン主演の、「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」。
タイトル通り、キッドマンが、
グレース・ケリーを演じる映画で、
とても楽しみにしている。


で、これを観る前に、
グレース・ケリーの出演作を
何か1本観ようと思ったのだけれど、
女優である期間が短かったせいか、
彼女の出演作は、そう多くはなく、
有名な作品は観てしまっている。
未見の作品で、ソフトが借りられそうなのは、
「モガンボ」、「トコリの橋」、そして本作の3本。


一番観たかったのは「モガンボ」だけれど、
これはレンタル店を2軒探したけれど、
2軒とも貸出し中で、
(私のような人が他にもいるのか?(笑))
この「悪のシンフォニー」を借りた。


これはグレースがモナコ公妃となった後、
本人役として出演している、という予備知識から、
出演時間は、ほんの少しではないかと想像され、
絶対見逃すまいと、いつも以上に真剣にモニターを見つめる。


話しはどんどん進んでいくけれど、
グレースは中々出てこない。
そのうち事件は解決してしまい、
「あれ!?」と思っているうちに、映画が終わってしまった(笑)。


「こんなに目を凝らして見てたのに、見落とした?私って駄目だわ」と思ったけど、
念のため、
ネットで調べて理由が分かった。


私が観たのは、86分の短縮版だったらしい。
グレースの場面はカットされているという。
確かに、変だとは思ったのよね。
105分のつもりで観ていたのに、
随分早く終わってしまって、
データが間違ってるのかなぁ、って。


うーん、ショック。
グレース~(笑)。
でも、まぁ、いいや。
こんな事でもなければ、
この映画を観る事もなかっただろうし、
どんな映画でも、
観て、時間を損したなんて思ったりはしない。
映画なら何でも、観られれば幸せだ。


なんとこの作品は、
国連が作成した、麻薬撲滅のPR映画なのだそうだ。
スターが大勢出てるけど、ギャラなしだったとか。
ラストのセリフには肯いてしまう。
「一人の犯人を捕まえたって、ケシ畑がある限り犯罪はなくならない」
みたいな。
本当にそうだわ。


グレース・ケリーと聞いて、
私が必ず思い出すのは、
彼女の孫のアンドレア・カシラギ。


もう、見てビックリな美形。
これぞ名実共に、本物の王子(笑)。
グレースの血は、ちゃんと受け継がれている。
たまに、美しい男の子を見たいと思う時、
アンドレアを画像検索してはうっとり眺めている私。
(馬鹿~(笑))。

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評価 ★★★☆☆

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「バード・オン・ワイヤー」 [映画]

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〔1990年/アメリカ〕


女性弁護士・ゴールディ・ホーンが、
出張先でガソリンスタンドに立ち寄ったところ、
大変なショックを受ける。
スタンドの店員は、
15年前、事故死したと思われた元フィアンセ・メル・ギブソンではないか。


ギブソンは人違いだと言い張るが間違いない。
彼女はその夜もう一度スタンドに行き、
離れた場所から、双眼鏡で彼を観察していた。


すると、突然、拳銃を持った2人組みの男が、
ギブソンを狙っているのを目撃。
驚いたホーンはギブソンを車に乗せ、
その場を走り去る。


翌日のニュースでは、
ギブソンがスタンドの店主を殺した上に、
火を付けた事にされていた。
実は彼は、麻薬事件の証人として、
FBIから保護されているのだ。


警察と麻薬組織の両方から追われる事になった2人は
どうなるのか・・・。





久し振りにゴールディ・ホーンの映画を観たけど、
やっぱり彼女はいい!
可愛くて、面白くて、
会話のテンポが抜群で、
高飛車な女を演じても、全く嫌味がない。


と、ここまで書いて、
公開当時、彼女が何歳だったのか調べてビックリ。
なんと45歳。
なんてキュートな40代なんだ。


彼女は、メル・ギブソンと一緒に追われる羽目になるのだけれど、
部屋着にしても、買って着替えたお洋服にしても、
ヒラヒラで、何度も何度もスカートの中が見える。
その足がとっても綺麗で、
でも全然いやらしくなくて、
もうこれは彼女の清潔感の賜物と言っていい。


15年前、突然姿を消したメル・ギブソンに対しての、
怒りと、まだ彼を愛する気持ちとが綯い交ぜになって、
それがポンポンとした
テンポのいい会話となって表れる。
時々笑ってしまう。


彼女と比べたら、ギブソンは影が薄いけれど、
でも彼だって、負けてはいないぞ(笑)。
彼はFBIから守られる立場として、
15年間、居場所を転々としていて、
その一箇所が、なんと美容院。


そこで彼はゲイのフリをして働いていたらしく、
昔の仲間に会った途端、女言葉になる(笑)。
ゴールディ・ホーンもビックリだ。


この、「居場所と職を転々」というのが、
ストーリー全体に効いている。
クライマックスも、彼が働いていたという室内動物園。


彼はここに、敵をおびき寄せるんだけど、
肉食系の動物が多数いて・・・と書けば、
オチは想像できよう(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「歌ごよみ お夏清十郎」 [映画]

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〔1954年/日本〕


姫路の米問屋・但馬屋の一人娘・お夏(美空ひばり)は、
手代の清十郎(市川雷蔵)に惚れているが、
清十郎は仕事一筋の堅物人間。
お夏の気持ちを知ってか知らずか、
真面目な態度を崩さない。


奉行所から但馬屋に、
米の買い付け金として五百両が届けられた。
主人の九右衛門(香川良介)は、
このお役目を喜び、
金を土蔵にしまうが、
もう一人の手代・勘十郎が、
その金を盗み、
さらにその罪を、清十郎になすりつけてしまう。


清十郎は島流しの刑となり、
但馬屋は、
勘十郎と、商売敵の近江屋の策略で、
潰されてしまう。


流刑島でその事を知った清十郎は、
島を脱獄し、
お夏の元へ駆けつけるが・・・。





市川雷蔵さんと、美空ひばりさんの共演って、
私には初めてで、
なんだかとても珍しい気がして、
興味深い気持ちで観始める。


私は五社協定というものの、
明確な定義が分からないのだけれど、
雷蔵さんって、
コテコテの大映の人だと思っていたし、
大映以外の映画に出ているなんて
思った事もなかった。


ウィキペディアによると、
「新東宝制作」とある。
そういう事もあったんだと、
ちょっと驚いている。


美空さんは、大きな米問屋のお嬢様で、
雷蔵さんは店の手代。
しかし、雷蔵さんの美しさは世間で評判、という役柄。
確かに、この映画の雷蔵さんは美しい。
堅物一本槍というのが、勿体ないくらい(笑)。
美空さんが惚れるのも無理はない。


ちょっと残念なのは、
お夏と清十郎が、
深く愛し合っているという事実を表す場面が無かった事。
お夏の気持ちは分かるとして、
清十郎の気持ちが今一つ分からない。
お夏を女として好きなのか、
主従関係からの気持ちなのかが。


だから脱獄した理由も、
但馬屋を心配しての事なのか、
お夏の身を案じてなのかが掴めなくて。


この映画はハッピーエンドだけれど、
元の話は違うらしい。
別タイトルが「お夏狂乱」というくらいで、
清十郎を失ったお夏は、
精神の均衡を崩してしまうという事だ。


美空さんが歌う場面が3か所ある。
公開時、彼女は17歳。
相手役に雷蔵さんを持ってきた、
アイドル映画と考えた方がいいのだろうか。
2人の質感がまるで違うのはご愛嬌(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「キラー・インサイド・ミー」 [映画]

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〔2010年/アメリカ〕


西テキサスで保安官をするケーシー・アフレックは、
真面目な青年。
町は平和で、大きな事件は殆どない。


ある日、町はずれで売春をする女がいるとの
苦情が入り、
上司の指示でその家に出向いたアフレックは、
彼を客だと勘違いしたジェシカ・アルバに
迎え入れられる。


しかし、彼が保安官だと知った途端暴れ出したアルバを、
激しく殴打するうちに、
2人は一線を越え、
その後、アフレックは毎日のように
そこに通うようになる。


アルバは、自分に夢中の建設会社のドラ息子から
金を巻き上げようと、アフレックに持ち掛け、
彼もその話に乗ったかに見えた。


ところが実行すると決めた夜、
アフレックはなぜかアルバを
拳で死ぬまで殴り続け・・・。





生々しい。
人を死ぬまで殴り続けるって、
想像以上に生々しい。


それも、
喧嘩して殴ったら、結果的に死んでしまったとか、
そういった事ではなく、
最初から殺すつもりで、ただひたすら殴るって、
殴られる方も辛いけど、殴る方だって大変そうだ。


そんな異常な男の役を、
ケーシー・アフレックが好演している。
一見、純朴そうで、真面目そうなんだけど、
実は悪魔の顔を持つという役が
ピッタリ合っている。


私も最初は騙されたのよ(笑)。
彼は良い人間で、
売春婦のジェシカ・アルバにそそのかされて、
犯罪に手を染めるのかしら?って。


それが途中で、「ん?」と思う出来事があって、
少しづつ、彼の素顔が明らかになっていく。
犯人探しの映画ではなく、
追い詰められてゆく彼の心理を見る映画。


なぜなら、
彼は、殺人を犯したあと、
一所懸命に、場を取り繕うんだけど、
担当検事やら、同僚やらは、
明らかに彼を疑っている。
決定的な証拠がないだけ。


で、アフレックに当てこすりみたいなことを言っては、
彼の様子を観察してるし
アフレックも、ヤバいとは感じてるんだろうけど、
言い逃れできると信じてる。


50年代のお話だから、
今のように、科学捜査がない事が逆に、
お話を面白くしてると言えるのかも。


一見良い人そうに見えるけど、実は○○って、
今年は日本でも、とっても多くない?(笑)。
実は耳が聞こえていた作曲家とか、
201回目の細胞は作れそうにもない女化学者とか、
城崎温泉に105回も出張したと言い張ってた県議とか、
落書き教唆したタレントとか、
政治資金でおむつまで買っていたというお嬢ちゃん議員まで、
一年の総決算にはまだまだ早いけど、
人材豊富で話題に事欠かなかったわ(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「四つの恋の物語」 [映画]

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〔1965年/日本〕


今日は笠智衆の定年退職の日。
彼の4人の娘、
芦川いずみ、
十朱幸代、
吉永小百合、
和泉雅子、
そして幼馴染の浜田光夫が
お祝いのパーティを開く。


その席で笠は、
退職金250万円を5人で50万ずつ分配し、
「この金を結婚の費用にしなさい。自分はもうお役御免」と
宣言する。


芦川は一度結婚しているが、
お人好しだけの夫に愛想を尽かして離婚。
十朱は、恋人・藤竜也の工場が潰れかかっているので、
この50万を用立ててやろうと決心。
和泉は、競馬で手持ちを増やす。


吉永は、大企業の重役の御曹司・関口宏に見初められ、
浮かれ気分でデートに出掛ける。
それを知った浜田は面白くない。
彼は密かに吉永を愛しているのだ。


藤に金を渡した十朱は、
彼からホテルに誘われるが、
芦川が中年男とホテルから出てきた所を目撃してしまう。
どうやら芦川は不倫しているらしい。


そんな中、浜田が愚連隊に腹を刺されるという事件が起こり、
吉永が駆け付ける。
芦川は、吉永の幸せを願い、
関口を選んだ方がいいと、
激しく詰め寄るが・・・。





今年の3月に、
若尾文子さん主演の映画、「家庭の事情」のレビューを書いた時、
全く同じ話が、吉永小百合さん主演で作られているので、
そちらも観たくてたまらない!と書いたけれども、
ソフトを借りる事ができて、
念願叶った。


最近、そういう事がちょっと多くて、
幸せな気分。


基本のお話は若尾さん版と同じで、
四人姉妹が、父親からもらったお金
(生前贈与みたいなものか?)を、
それぞれの事情と個性で使い、
そこに恋愛が絡むという物語。


多少の違いはある。
若尾さん版では、三女は内気で勤めにも出られない設定と
なっているけれど、
こちらの三女・吉永さんは元気いっぱい(笑)。
どちらが原作に近いのかは、
読んでいないので分からないけれども。


笠智衆さんの役柄にもビックリ。
彼は居酒屋の女給さんに言い寄られて、
怪しげな料亭に行くんだけど、
なんだかデレデレして、
いつもの笠さんじゃないみたい(笑)。


私の中の笠さんは、
男だ女だを超越した、
仙人のような人だと思っていたから、
めっちゃ違和感。
いや、笠さんも男だ、
勝手にイメージを付けられる方が迷惑なんだろうが(笑)。


十朱幸代と藤竜也が、
熱烈なキスをしている場面を
なんとなーく観ていたんだけど、
ハッと気が付いた。
私生活での彼の妻は、長女を演じている芦川いずみじゃないか!
こんな所で、奥さんの妹とキスしてていいの?という気持ちになる(笑)。


タイトルは「四つの」とあるけれど
四女の和泉さんに恋愛エピソードは無し。
これも以前に書いた、
吉永さん主演の四姉妹物の「若草物語」でも、
たしか和泉さんは末っ子で、
恋愛話はなかった。
明るく元気、そして、ある意味一番強い、
そんなイメージがピッタリの女優さんだったのかもしれない。


評価 ★★★☆☆

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