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「アバウト・タイム 愛おしい時間について」 [映画]

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〔2013年/イギリス〕


イギリスの田舎町で、
両親・妹・伯父と暮らすドーナル・グリーソンは、
21歳の誕生日に、
父から驚愕の事実を知らされる。


その内容とは、一族の男たちは全員、
タイムトラベルの能力が備わっているというもので、
暗がりで両手を握りしめ、
行きたい時間を思い浮かべれば、
すぐにそこに行けると言う。
ただし、行けるのは過去のみで、
未来は無理だと。


以来、彼は、
タイムトラベルを繰り返しながら、
過去の小さなミスを修正するようになる。


弁護士になるべく、ロンドンで暮らすようになったグリーソンは、
ある場所で魅力的な女性・レイチェル・マクアダムスと出会う。
しかし、タイムトラベルで知人の危機を救ったせいで、
マクアダムスとは出会っていない事になってしまい、
思案に暮れる。


何とか彼女との再会を果たした彼は、
今度こそと、何度かミスを修正しながら、
やっと恋人同士になれたのだが・・・。





タイムトラベルの能力が備わった主人公、という、
一見、荒唐無稽な設定でありながら、
とても自然で、
涙が滲んでくる物語。


ドーナル・グリーソンの
真面目で誠実な感じが大変にいい。
彼は、自身の能力を、
決して金儲けに使ったりはしない。
とにかく、レイチェル・マクアダムス一筋。


それは、他の女からの誘惑される場面でも顕著で、
もうギリギリ、このまま進めば浮気確実って所でも、
相手を振り切って、マクアダムスの所へ帰る。
女にしたら、理想の相手だわ(笑)。


笑える場面も多く、
劇場内は、クスクスとした声が聞こえる。
私も何度か、声を出して笑っちゃった。
観た方なら分かるけれど、
グリーソンがマクアダムスの両親に会う場面なんか、最高。


これを観ていると、
過去をどんなに修正しても、
結局は、自分が得られるもの以上のものは得られないと分かるし、
それから、2つのものは得られないと分かる。


2つのものを得られないとするなら、
それを得る為には、努力するしかないわけで、
そこで、真面目なグリーソンのキャラが生きてくるというわけだ。


これって、一族の男性にだけ、
その能力が備わってるって設定だけど、
グリーソンの子供が女の子ばかりだとして、
で、孫が生まれる前にグリーソンが亡くなったとしたら、
どうなるの?
能力の事は知らされないままになってしまうのかなぁ。
娘に伝えてあればいいけど、
事故や突然死って事も有り得るし。
そうなったら、勿体ないな(笑)。


それから、もし私に過去に戻れる能力があったとしたら、
どのあたりに戻って、
どこを修正するかなぁと考えたけど、
私には戻りたいような過去はない、
というより、修正したい事だらけで、きりがない(笑)。
それに、本当に修正するなら、
私が生まれる前にまで遡らなければならない気がするし。
(確かユーミンもそんなような事を書いていたような)


私の隣に座っていた、
中学生らしき3人の女の子たちから、
「今まで観た映画の中で一番好き」という
声が聞こえてきた。


まだ若い、可愛い子たち、
そんな風に良い映画を観て、
いっぱい感動して、
その感動をずっと胸に留めておいてほしい、と、
思ってしまった出来事。


評価 ★★★★☆

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