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「マイ・ブラザー」 [映画]

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〔2009年/アメリカ〕


トビー・マグワイアとナタリー・ポートマンは、
仲の良い夫婦。
マグワイアは軍人で、人格的にも優れており、
良き夫、良き父。
彼の父、サム・シェパードも、
彼の事を大変に誇りに思っている。


一方、マグワイアの弟・ジェイク・ギレンホールは厄介者。
銀行強盗の罪で服役しているが、
今日は出所の日。
休暇で帰省中のマグワイアが迎えに行き、
家族で食事会をするが、
シェパードはギレンホールへの嫌悪を隠そうともしない。


マグワイアが再びアフガニスタンに戻った。
ところが、ヘリコプターが撃墜され、
ポートマンへ死亡通知が届く。
悲しみに暮れる彼女と娘たちを慰めるギレンホール。


実はマグワイアは死んでおらず、
テロリストたちの捕虜になっていた。
数か月後に救い出され、
アメリカに帰った彼だが、
以前とは人が変わったようになっており・・・。





以前、このブログに書いた
デンマーク映画、「ある愛の風景」をハリウッドでリメイク。
アメリカとアフガニスタンは、
切っても切れない腐れ縁というイメージがあるので、
よりリアルかも。


ただ、主人公が体験した、
捕虜中の出来事をすでに知っているせいで、
「ある愛~」ほどの衝撃はなかった。
「ある愛~」でそれを見た時は、
後頭部を殴られたようなショックを感じたけれど。


そして私の感想は、
「ある愛~」と全く同じ。
戦争で体験した全ての事は、
戦争という狂気がさせたもので、
決して一兵士のせいじゃない。


忘れるのは無理かもしれないけど、
どうか悩まないで。
自分の幸せを追求する事が、
一番大切。


マグワイアが、
ポートマンとギレンホールの仲を
何度も疑うんだけど、
彼らが何故もっと強く否定しないのかと、
ちょっとイライラした。


確かに2人は、
マグワイアが死んだと知らされたあと、
次第に心惹かれ合っていた。
一度だけキスもしている。
だから、その後ろめたさから、
強く言えないのも、分からなくもない。


でも、心に傷を負って苦しんでいるマグワイアを
少しでも楽にしてあげた方がいいんじゃないか、と。
この際、嘘も方便だ。
そもそも、嘘ってほどの事でもないし。


戦場から戻って、
人が変わったようになってしまった男を、
マグワイアがとても上手く演じていたように思った。
兄と正反対のヤンチャな弟という役のギレンホールもピッタリだったし。


これもある種の反戦映画。
戦争なんかしたって、
ロクな事になりはしない。
良い事なんか一つもないと、
あらためて思い知らされる。


評価 ★★★☆☆

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