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「色ぼけ欲ぼけ物語」 [映画]

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〔1963年/日本〕


ホステスの引き抜き業をする伴淳三郎、
そして、彼の戦友、
藤原釜足、石井均、大泉滉らは、
軍隊時代の上官・伊藤雄之助から、
「部隊長だった有島一郎が、
 戦地から時価3億円のダイヤを持ち帰り隠匿した。
 有島を探し出し、山分けしよう」と持ち掛けられる。


実は有島は既に死んでおり、
それは伊藤が考え出した詐欺であったが、
金が欲しい伴らは、
騙されているとも知らず、すぐ話に乗った。


伊藤は、「有島を探す元手が必要。株を買え」と言い、
伴らは、なけなしの金をはたいて、それを購入する。


ところが、ある日、伴は、
屋台のラーメン屋をする有島と再会する。
有島は死んではいなかったのだ。
さらに伴は、
高潔で人格者の有島が、
ダイヤの隠匿などするはずがない事を知り、
自分たちが騙されていた事に気付く。


警察が動き出した。
伴らが出資した金は戻るのか・・・。





すごいタイトルだわ(笑)。
(嫌いじゃないけど)
(むしろ好き(笑))
でも、「欲」の方はともかく、
「色」の方の場面は殆どない。


それに、いかにもふざけたタイトルに反して、
意外と深い人情物で、
結構グッとくる。


部隊長が戦地から持ち帰ったという、
3億円のダイヤモンド(M資金みたいなものか?)を
山分けするという話は
現代より昔の方が、
断然リアルな物語だったんだろうなぁと感じる。


なぜなら、
騙される人たちは全員が、
戦地で戦った元兵隊たちで、
戦中戦後の混乱を、
体で覚えている人たちばかり。
隠匿物資があっても不思議ではないという思いは、
誰もが持っていたのだろうと察する。


そんな話だから、
戦地での様子が回想シーンとして、
時折挟まれる。


ダイヤを持ち去ったという
部隊長の有島一郎は、
大変な人格者で、
とてもそんな事をする悪人とは思えない。
それは兵隊たちも、
よーく知っているはずなのに。


やっぱり金が絡むと、
そんな思い出さえ、消え去ってしまうのね。


もちろん、その後、
有島の素晴らしさを思い出した彼らは、
有島の為に一肌脱ぐという流れになるのは
誰にでも読めるところで、
安心して観ていられる。


戦友というのは、
戦争を知らない私などが想像する以上に
強い絆があるのかなぁと感じる事がある。


私の親類で、
実際に戦地で戦った経験のある男性が亡くなった時、
葬儀には沢山の戦友が来ていた。


毎日が、生きるか死ぬかの瀬戸際を共に過ごした仲間同士というのは、
やはり何か強い結び付きがあるのだろう。
そういえば、
「兵隊やくざ」の大宮と有田の絆も、
めっちゃ強かったものね。


評価 ★★★☆☆

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