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「地球は女で回ってる」 [映画]

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〔1997年/アメリカ〕


私小説家として人気のハリー(ウディ・アレン)の所に、
別れた3番目の妻ジェーン(エイミー・アーヴィング)の
妹・ルーシー(ジュディ・デイヴィス)が
怒鳴り込んでくる。


ハリーとルーシーは以前、
ジェーンの目を盗んでは、肉体関係を持っており、
その事をハリーが小説にして出版したのだ。


その後、ハリーは、
母校の大学で行われる、
自分の表彰式に息子を連れて行きたいと思い、
息子を引き取って育てている
2番目の妻で、精神分析医のジョーン(カースティ・アレイ)に頼み込むが、
断られてしまう。


仕方なく、半ば誘拐のような形で息子を連れ出したハリーは、
親友のリチャードと娼婦のクッキーの4人で、
車で母校へ向かう。


ところが、車内でとんでもない出来事が起こり、
さらに、ハリーは誘拐容疑で、
クッキーは麻薬所持で、
それぞれ逮捕されてしまい・・・。





中学の時、深夜に放送されていた、
ウディ・アレン主演の映画、
「ボギー!俺も男だ」を観た時、
その面白さに笑い転げた。


ウディ・アレンという人はなんて面白いんだろうと、
その後も、テレビで放送された彼の映画を何本か観た。
「ボギー~」ほどには笑えなかったけれど、
それでも、とても面白くて、笑った。


で、この間、何年ぶりかで
「ボギー~」のビデオを観てみたのだけれど、
なぜだ?
全く笑えなかった。
何があんなに面白かったのかと不思議なくらいで、
悲しかったけれど、
でも、分かっていたような気もするし。


大人になる過程で、
アレンが映画の世界では少し変わった立ち位置にいる事を知り、
そして、
「日本人には、彼の映画は十分の一も理解できないだろう」
などという、どこかに書かれた文章を読んだ私は、
アレンの映画というだけで、
いつの間にか、どこか構えるようになってしまってるんだ。


中学生の頃の、「無」だった自分が羨ましい。
昔に戻りたいなんて、
これっぽっちも思った事はないけれど、
「ボギー~」を観て、お腹の底から笑えた感性だけは、
本気で取り戻したいと願う。


ただ、それとは逆に、
アレンの、「笑い」とは別のジャンル、
しっとりとした内容の映画は、
大人になった今、とても心に沁みる。
(「セプテンバー」や「私の中のもうひとりの私」、「インテリア」など)。
感性が鈍ったのではなく、
感動のポイントが変わってきたのかもしれないな。
(と思いたい(笑))


それから、2005年の「マッチポイント」(大傑作!)以降の
アレンの作品には、
なぜかあまり構えずに、楽しんで観られる。
舞台がヨーロッパに変わって、
こちらの気分も気楽になったのだろうか。


で、この映画。
いつものようなアレン節(笑)。
神経衰弱気味で、
常にグズグズ悩んでいて、
でも女にモテるというおっさんの役を、
アレンがいつも通りに演じている。


つまらなくはない。
時折、クスクスと笑ってしまうし、
特に、車の中でのハプニングには、
声をあげて笑ってしまった。
お腹を抱える、というほどではなかったけれども(笑)


評価 ★★★☆☆

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