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「トカレフ」 [映画]

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〔2014年/アメリカ〕


昔はギャングだったが、
今は足を洗い、
家族と幸せに暮らしているニコラス・ケイジ。


ある夜、彼と妻が会食の為外出している最中、
3人組みの覆面をした男が押し入り、
留守番をしていた高校生の娘がさらわれてしまう。


数日後、遺体となって発見された娘。
凶器はロシア製の拳銃「トカレフ」。


「トカレフ」と聞いて、
ケイジには思い当たる事があった。
昔、ロシアンマフィアの金を奪った上、
殺人を犯した事があったのだ。


娘の殺害は
その時の復讐に違いない。
ケイジの心は復讐に燃える・・・。





家族の為に戦う(復讐する)って、
最近のニコラス・ケイジには
そんな役が多くない?(笑)


おそらく、そう面白くないんだろうと、
想像できるのだけれど、
でも観てしまう、ケイジ物。
どんなにくだらなくても、ケイジが好きな事には変わりない(笑)。


アクションも、銃撃戦も、
何もかもに既視感があって、
目新しい事は何もないのだけれど、


そんな事より、
ケイジの嫁にビックリ。


彼は再婚らしく、
嫁がめっちゃ若い!
どちらが娘で、どちらが嫁なのか、
混乱するくらいに。


ケイジはどこであんな嫁、見つけたんだろう(笑)。
嫁にとってこの結婚は、
何のメリットがあるんだろう。
やっぱり金?
確かに金は持ってそうだったけど。


アクション映画を観にいって、
こんな事に気を取られるなんて、
私にこの映画を観る資格無し。
でも気にならない?
ケイジの結婚生活(笑)。


この映画で得た教訓はたった1つ。
「酒を飲んだら銃は持たない」。
気を付けよっと(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「私の男」 [映画]

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〔2014年/日本〕


北海道・奥尻島の津波で家族を失った10歳の少女・花は、
遠い親戚の男・淳悟(浅野忠信)に引き取られる。


2人は雪と流氷に閉ざされた紋別の町で、
暮らすようになる。


中学生になった花(二階堂ふみ)。
2人は、表向きは父と娘の関係を取り繕ってはいるが、
いつしか肉体関係を結ぶようになり、
自宅は、自分たちだけの濃密な世界。


淳悟には恋人・小町(河井青葉)がいるが、
彼女は淳悟と花のただならぬ関係を察知し、
姿を消す。


小町の父・大塩(藤竜也)は、
淳悟と花の生活を気にかけ、
世話を焼いてくれていたが、
彼らの家を訪ねた際、
2人が性交している現場を見てしまう。


大塩は、「このままではいけない」と、
2人を引き離そうとするが、
淳悟と離れる事など、
花に考えられるはずもなく、
大塩にある仕打ちをする。


その後、逃げるように東京に出た2人は・・・。





原作は桜庭一樹さんの同名小説。
読んだ時は、
映画ほど直接的なシーンはなかったような気がしていたのだけれど、
7年も前なので、
記憶違いかもしれない。


小説と違って、
映像となると、
やっぱり私の中の倫理観が邪魔になるかなぁ。
別に倫理がどうのなんて、エラソーに言える私じゃないけど、
中年のおっさんが、
引き取った孤児と関係するって設定は、あまり好きにはなれない。


これを純愛と取るのか、
気持ち悪いと取るのかで、
感想は全く変わってくると思う。
本ではそれほど嫌悪感が無かったけど、
映像で、
実年齢41歳の浅野忠信と19歳の二階堂ふみの性交シーンは、
美しいとは思えなかった。


二階堂ふみは、
それなりに体を張って、
頑張ってたとは思うけど、
どうせするなら、
ヌードになるくらいの潔さがほしかった。
なんか中途半端。
アイドル女優の、
あれが限界なのか。


それから、めっちゃイラついたのが、
藤竜也演じる、近所の爺さんが、
淳悟と花の関係を知って、
花を追いかけるシーン。


花は流氷を渡って、
どんどんどんどん沖の方へ逃げてゆく。
爺さんは、「危ない、戻りなさい」と言いながら、
さらに追いかける。


それって、爺さんが追いかけるからいけないんじゃない?
危ないと思ったら、
爺さんの方が途中で引き返せば、
花だって戻ってくるはず。
しつこい。


東京に出て、
OLになった花が、高良健吾演じるエリートサラリーマンと親しくなって、
淳悟と暮らす家に送られてくるシーンが凄い。


この家っていうのが、
なんというか、いわゆる今話題のゴミ屋敷状態で、
そんな家を見た高良君は、
ビックリのドン引き。


そりゃそうだよね、
会社で綺麗なお姉さんしてるOLの家がゴミ屋敷なんて、
私だってショックだわ(笑)。


物凄く変な人だと思われるのを覚悟で書くけど、
私はゴミ屋敷の画像を見るのがとっても好きで、
時々、検索してしまう。
(親しい人は知っている)
自分の家は、
極力、物を置かないようにしているのだけれど、
なぜかゴミ屋敷には強い興味がある。
っていうより、
ゴミ屋敷にしてしまう人の心理がとても気になる。


だから、この場面は真剣に見てしまった。
この映画のゴミ屋敷は、
結構リアルかも。
ただ、私が高良君だったら、
中には入らないな(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「エデンより彼方に」 [映画]

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〔2002年/アメリカ〕


1950年代のアメリカ、コネティカット州。
専業主婦・ジュリアン・ムーアは、
誰もが羨む生活を送っていた。


一流企業に勤める夫・デニス・クエイドと2人の子供がいる暮らし。
良妻賢母で、
経済的にも恵まれている。
雑誌社から、主婦のお手本として、
取材を受ける事もある。


ある日、ムーアは、
残業で遅くなったクエイドの為に、
食事を届けようと彼の事務所に入った所、
夫の秘密を知ってしまい、
大変なショックを受ける。


今まで築いてきた幸せな家庭像が、
音を立てて崩れそうな衝撃。
しかし夫婦は、
今の地位を手離す考えはなく、
なんとかやり直そうと努力を始める。


そんなムーアは、
新しくやってきた黒人の庭師・デニス・ヘイスバードと話すと
心の安らぎを得られる自分に気付く。
ヘイスバードは知的で教養に溢れた、
心の広い男だった。


しかし時代はまだ、黒人差別が激しく、
ムーアとヘイスバードが一緒に車に乗っただけで、
たちまち噂になってしまう。


さらに夫は、
夫婦関係が修復不可能なほど、
ムーアから心が離れてしまい・・・。





1950年代の裕福な専業主婦が、
思いもよらない出来事から、
現在の幸福は砂上の楼閣だった事に気付く物語。


まだまだ差別が根強く残る、
古い時代のアメリカの主婦をジュリアン・ムーアが好演。
出だしは彼女の、
幸福の絶頂の場面から始まる。


素敵な夫、可愛い子供、
自宅で開かれるホームパーティ。
非の打ちどころのない生活。


だからこそ、夫の隠し事を知る場面は、
「あちゃー」って感じで(笑)。
いや、笑い事じゃないけどね、
それに、その前から秘密を仄めかす場面があって、
なんとなく予感はあったのだけれど。


その後、ムーアと黒人のデニス・ヘイスバードが、
とても親しくなるわけだけど、


やっぱりムーアの行動は、
多少軽率だったと言わざるを得ない。


彼女は、自分がヘイスバードと一緒にいる時の、
人々の興味本位の視線を知らないわけじゃない。
私がもしムーアの立場で、
家族との平穏な生活をこの先も永遠に望むなら、
ヘイスバードと出掛けたりはしない。
狭い町で、噂になるのは火を見るより明らかだもの。
李下に冠を正さず、
瓜田に靴を納ず、だ。


ムーアが友達だと思ってきた主婦が、
実はぜーんぜん友達じゃなかった場面も、
すごくヤな感じ。
意地悪そうな顔してると思ったのよね。
こやつ絶対ムーアの事を本気で心配なんかしてないな、って。


時代のせいなのか、性格なのか、
ムーアは自分から大きく人生を動かそうなんて、
夢にも思ってはいないようだ。
黒人の地位向上委員会に電話した時も、
ボランティア以上の事をしようとは考えていない。


でも、この映画はそれでいい。
例えば、ムーアが差別撤廃に目覚めて、
突然こぶしを振り上げるような展開になっていたら、
余韻は何も残らなかっただろう。
1人の主婦の、
人生のある時期を切り取って見せたような、
面白い映画だった。


評価 ★★★★☆

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「てなもんや三度笠」 [映画]

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〔1963年/日本〕


浪花のヤクザ・あんかけ時次郎(藤田まこと)は、
喧嘩は弱いが、口だけは達者。


ある日彼は、小柄な坊主・珍念(白木みのる)と知り合い、
詐欺まがいの金稼ぎをしながら、
寝食を共にするようになる。


その時代は、
ヤクザ者は誰しも、
清水に行って、次郎長を斬り、
名を上げる事を夢見ており、
時次郎たちも彼(か)の地を目指す事となる。


途中、時次郎は、殺し屋グループのリーダーに
祭り上げられてしまい、
逃げようとするが発見され、
しかし、上手く相手を倒したせいで、
自分に妙な自信を付けてしまう。


清水に着いた時次郎と珍念は、
次郎長一家に入り込むが・・・。





「てなもんや三度笠」は、タイトルだけは知っている。
昔、大阪で放送された、
大人気のテレビ番組だったとか。


よくは分からないけれど、
観客公開の時代劇コメディで、
録画されたものが、編集もされないまま放送されたという。


映画サイトでの評価を見てみると、
なかなか点数が高い。
ただ、書かれているのは、
「懐かしい」という言葉が多く、
正直、私にはこの面白さが今一つ理解できなかったのが残念。


テレビを知っている方なら、
きっと大変に楽しめるのではないかと思う。
逆に、テレビを知らないのに、
あえて映画版を観てみようと思う人は、
殆どいないのかもしれない。


確かに藤田まことと白木みのるのやりとりは、
漫才のようで可笑しい。
口ばかり達者で、
実力が伴わない藤田と、
大人のようで、時折子ども顔を見せる白木のコンビは絶妙で、
当時の人々はきっと、大いに笑ったのだろう。


映画は2人が清水まで旅する内容だけれど、
テレビはどうだったんだろう。
大阪の中で騒ぎを起こしていたのか、
大阪の外に出ていたのか。


清水の人々の殆どが大阪弁を話していたけれど、
それはご愛嬌(笑)。


評価 ★★★☆☆
=
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「リンカーン弁護士」 [映画]

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〔2011年/アメリカ〕


マシュー・マコノヒーは、
いくつもの案件を抱える敏腕弁護士。


ある日彼は、
大きな不動産会社の御曹司・ライアン・フィリップが起こした、
娼婦殴打事件の弁護を依頼される。


留置所から、とりあえずフィリップを保釈させた彼は、
親友の探偵・ウィリアム・H・メイシーを同席させ、
フィリップから事件の詳しい経緯を聞く。


バーで被害者の娼婦と知り合ったフィリップは、
誘われるままに彼女の家に行くが、
玄関に入った途端殴られ、
気が付くと、彼女が怪我をしており、
犯人に仕立てられたと主張する。


金持ちの自分を狙った、でっち上げだというフィリップの話は、
娼婦の証言とは正反対。
マコノヒーは司法取引を主張するも、
フィリップは、自分は無罪だと拒否。


その後、さらに調査を重ねてゆくうちに、
数年前、似たような事件があった事を思い出したマコノヒーは、
その時、自分が刑務所に入れた男に会いに行くが・・・。





「リンカーン弁護士」と聞いて、
リンカーン大統領のお抱え弁護士なのか、
リンカーン大統領の子孫の弁護士なのか、
リンカーン大統領のような立派な弁護士なのか、
そんな風に思ったわけだけれど、


全然違ってた。
マシュー・マコノヒー演じる主人公は、
“高級車リンカーンを事務所代わりにする弁護士”なのだそうだ。
とはいえ、車はどれも同じにしか見えない私は、
「ずいぶんでかい車だな」くらいしか感じず、
タイトルはあまり効いてこなかった(笑)。


そんな高級車に乗るマコノヒーは、
お金大好きな弁護士ではあるけれども、
決してスカしているわけではなく、
その顔の広さがとても面白い。


娼婦とか暴走族とかチンピラなどの、
いわゆる下層階級の者たちを
上手く使いながら、
事件に向かう。
これは彼の金払いの良さもあるだろうが、
結構「いい奴」なのが理由だろう。
リンカーンの運転手に対して言った一言は、
その人柄を端的に表している。


しかし、要領のいい弁護士でも、
やっぱり窮地に立たされる。
弁護士が有している
守秘義務やら何やらが、
この映画では逆手に取られ、
嵌められる。


いつも思うけど、
弁護士って大変だ。
依頼人の話している事が嘘でも本当でも、
とにかく信じて弁護するしかない。
明らかに、
「お前犯人じゃん」と思うケースでも、
何とか対処しなければならない。
私には絶対無理だわ。
(なれないから心配無用だよ(笑))


ライアン・フィリップが不動産屋の息子という役を
ピッタリのイメージで演じておった。
なんだろうね、彼から受けるこの印象は。
いくつになってもドラ息子感が抜けない感じ。
日本でいえば、某二世タレントから受ける印象と似ている。
(実際の人柄は知らないけど)


これ、シリーズ化されたら面白いのに。
原作小説もシリーズらしいし。


評価 ★★★☆☆

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