SSブログ

「美しい絵の崩壊」 [映画]

utsukushiienohoukai.jpg
〔2014年/オーストラリア〕


ロビン・ライトとナオミ・ワッツは、
オーストラリアの東海岸で育った、
幼馴染で大の親友。


出産したのも同じ年で、
ライトの息子・ジェームズ・フレッシュヴィルと
ワッツの息子・ゼイヴィア・サミュエルは、
それぞれ19歳になり、
母親同士と同様に仲が良い。


そんなある日、
サミュエルからキスされたライトは、
その後、一線を越えてしまう。


フレッシュヴィルはすぐ2人の関係に気付き、
ワッツにそれを報告、
互いにショックを受けながらも、
こちらも男女の関係となる。


2年後。
2組のカップルの交際はまだ続いていたが、
演劇を学ぶフレッシュヴィルは、
若い舞台女優・ジェシカ・トヴェイと恋仲になり、
ワッツと別れ結婚。


そしてサミュエルも、
女友達の一人とソフィー・ロウと軽い気持ちで関係した所、
妊娠させてしまい、
こちらも結婚する事になる。


何もしらないトヴェイとロウは、
家族ぐるみで、幸せに付き合っていたが、
サミュエルが、フレッシュヴィルとワッツの関係が
まだ続いているのを目撃し、
皆の前でそれをぶちまけ・・・。





私も、そう常識があるわけではないので、
大きな事は言えないけれど、
この話は凄いわ(笑)。


19歳の息子がいる中年女2人が、
互いの息子と一線を越えちゃって、
その後ずっと2カップルで、
和気藹々と時を過ごすなんて、
私には考えられん(笑)。


生まれた時から一緒にいる
母親の親友で、実の母親も同然の女と
一線を越えるなんて、
感覚的に、気持ちが悪いと思わずにはいられない。
これが男女入れ替わったらどうよ。
中年のおっさんたちと、互いの娘たちが、って。
やっぱりマズいと思うと思うんだけど。


百歩譲って、
この2カップルに深い愛情が感じられるなら、
もう少し入り込めたのかもしれないけれど、
息子たちの方は単なる性欲の解消、
そして母親たちは、自分の若さと魅力の確認の行為にしか
感じられなかった。


特にナオミ・ワッツとジェームズ・フレッシュヴィルのカップルが
一線を越える理由が安易すぎじゃない?
ロビン・ライトとゼイヴィア・サミュエルが
出来上がったのを知って、
「あいつらがやってるなら、自分らだって」ってか?
そこに愛は微塵も感じられない。
私はワッツが怒って、
絶縁宣言でもするのかと思ったわ。


そして、この4人は、
自分たち以外の他人は全て排除して、
彼らだけの世界でしか生きていない。


ライトの夫、
ワッツに思いを寄せる中年のおっさん、
息子たちの嫁のジェシカ・トヴェイとソフィー・ロウ。
そして彼女たちが生んだ孫までも。
全員が去って行っても、
彼らの作り上げた世界はそのまま。


原作はノーベル文学賞を受賞していて、
去年94歳で亡くなった
女流作家・ドリス・レッシングだそうだ。
きっと本はもっと深いのだろう。
私はこの愛の形が理解できない、
無粋な人間ね(笑)。


評価 ★★★☆☆

nice!(28)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画