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「落下する夕方」 [映画]

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〔1998年/日本〕


原田知世は4年間渡部篤郎と同棲し
それなりに順調な生活だと思ってきたが、
ある日、突然、
渡部から「好きな人ができた」と言われてしまう。


それは青天の霹靂ともいえる出来事で、
原田はショックを受けるが、
渡部は出て行ってしまい、
原田は引っ越す事もせず、同じ部屋で1人の生活が始まる。


今まで2人で払ってきた家賃を
1人で負担するのは辛いと思い始めた頃、
若い女・菅野美穂がいきなり訪ねてきて、
居座ってしまう。


菅野こそ、渡部が思いを寄せる相手で、
原田は戸惑うが、彼女はお構いなし。
自由奔放に振る舞う菅野に原田は振り回されるが、
追い出す事はしない。


なぜなら、彼女がいる限り、
渡部がこの部屋に来てくれるから・・・。





江國香織の同名小説の映画化。
江國さんの本はかなり読んでいると思うのだけれど、
この本に関しては、
読んだかどうか、記憶が定かでない。
なんだかいつも、似たような雰囲気のものが多くて、
よく覚えていないというのが正直なところ。


公開時21歳の菅野美穂の美少女っぷりが凄い。
勝手気ままに振る舞って、
それでも相手を怒らせない役がめっちゃハマってる。
一言で言って「不思議ちゃん」なんだけど、
わざとらしい不思議じゃなくて、
本物に見えて、すんごい魅力的。


実際の彼女はとても堅実で、
決して不思議ちゃんではないと、
何かで読んだ。
あれが演技だとしたら凄い事だわ。


原田知世だって若い頃は、
きっと美少女と呼ばれていたんだろうけど、
菅野と並べてしまうと、
10歳の差は大きい。
もちろんそれは仕方のない事だ。
誰だって年を重ねれば、
いつまでもフワフワしていられないし、
落ち着きも出てくる。


原田が21歳の頃だったら、
菅野の役ができたんだろうな。


菅野は時折、フラっとどこかへ行ってしまって、
何日も帰ってこない。
そんな風のような女の子だけれど、
実は過去にとても悲しい思い出を抱えていて、
それを知った私も、
かなりショックだった。
子供なら、そういう事ってあるかも、と。


原田が渡部を忘れられず、
部屋を出ていけない気持ちも分かるなぁ。
彼女は渡部が帰ってくることを願ってる。
2人で暮らした部屋を出てしまったら、
もう2度と会えない気がする事も。


ラストにタイトルの意味が分かる。
人間って淋しい。


評価 ★★★☆☆

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