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「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」 [映画]

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〔2012/アメリカ〕


インドで動物園を経営する父親の、
突然の宣言で、
カナダに移住する事になった家族。


次男のパイ(スラージ・シャルマ)は、
ガールフレンドもおり、
インドを離れるのは辛かったが、
父親の決定なら従わざるを得ない。


動物たちを船にのせ、
航海に出た家族だったが、
途中で嵐に遭い、船が沈没。


たった一人生き残ったパイだったが、
救命ボートには、
シマウマ、ハイエナ、オランウータン、
そして、以前からピーター・パーカーと呼んでいる
トラが乗っていた。


パーカー以外の動物たちは死に、
パイはパーカーと2人(?)だけになってしまう。
太平洋の真ん中で、
パイはどうやって生還したのか・・・。





私は肉食系の動物が好き。
テレビなどで、
その種の動物の生態が放映されれば、
ジッと見てしまうし、
動物園に行く機会があったら、
檻の前で、ずっと様子を観察してしまう。


けれど、それは、
あくまでも自分に危険がない事が前提であって、
当たり前だけど、
いくら好きでも、
同じ檻に入る事は有り得ない。


しかし、
それをしてしまったのが、この映画。
しかも、檻ならまだ逃げ道もあろうが、
太平洋の真ん中で、
小さなボートだけで。
想像しただけで怖ろしい。


ずっと海の上だけの映画を、
果たして仕事帰りの頭で、
眠くならずに観ていられるのかという不安もあったけれど、
それは杞憂に終わり、
結構細かなエピソードの羅列で、
飽きる事はない。


漂流し始めた頃、パーカーが海に落ち、
このまま放っておけば死ぬという状況になった時、
パイはパーカーを助ける。
正直、その時は、
「何でまた」と思ったのだが、
後になってパイは述懐する。
「パーカーがいたから頑張れた」と。


それは結果論かもしれないけれど、
確かにそうだろうと、
物語が進行するうちに、こちらもそう思うようになった。


トビウオの大群のシーンは、
盛り上がる場面の一つだけど、
やっぱり目を見張る。
広大な海では、
人の知らない所で、
毎日あんな光景が繰り広げられているんだなぁ、と、
不思議な気持ちになる。
そう思うと、人間って本当に小さい。


宗教臭い場面も多いけれど、
それはインド人が主人公だと思えば、
まぁ、そんなものかなと思う。
そういえば、
「複数の神に祈るのは、何も信仰していないのと同じ」みたいなセリフに、
「あはは、それって日本人じゃん」と可笑しくなった。


評価 ★★★★☆

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