「おかしな奴」 [映画]
〔1956年/日本〕
ラピュタ阿佐ヶ谷で観た。
とあるバーで知り合った、小林桂樹と笠智衆。
紀州で捕鯨船員をしていると話す小林だが、
なんと、彼の持っている鞄に、
大量の札束が詰まっており、笠も他の人間も驚く。
小林は、伯父から100万円の遺産を受け継いだが、
その遺言状には、
「全て使い尽くせ」と書かれており、
それを実行するために、東京に出てきたと言う。
笠の家に泊まる事になった小林は、
早速、翌日から東京見物へと繰り出す。
お供は笠の弟子・安西郷子。
昼は動物園に出掛け、
夜はキャバレーへ。
キャバレーに来ていた、
美術評論家や株屋や、そしてホステスは、
小林の金の事を知るや、
なんとか都合してもらおうと、
別の料亭に出掛け、
機嫌を取ろうとする。
翌日、笠の妻の知り合いが経営する、
闇カジノに連れて行かれ、
派手に賭けをしたところ当たってしまい、
100万が750万にまでなってしまう!
金を使い切るまでは、紀州へは帰れない。
困り果てた小林だが・・・。
100万円を使い切るという使命に燃えて、
東京に出てきた男。
100万って、今でいうといくらくらいなんだろう。
10倍としても1,000万か。
そんな大金を現金で持ち歩く人がいたら、
そりゃあ、みんな驚くだろう。
こういう映画は、
「自分だったら何に使うだろう」と考えるのが、
楽しいと思うのだけれど、
うーん、考えても考えても、
これといった良い案が浮かんでこない。
特別、今欲しい物もないしなぁ。
不動産を買うには中途半端だし。
せいぜい、高級ホテルに泊まって、
美味しいものの食べ歩き。
でも、それじゃ、お金は中々減らないね(笑)。
他のかたは、何に使うと考えるだろう。
ただ、そのお金が
7,500万となると、
また話は違ってくるわ。
あー、妄想は膨らむばかり(笑)。
小林桂樹は、
純朴で、とてもいい人。
紀州の捕鯨仲間も、それは同じで、
大金を受け継いだ小林に嫉妬するわけでもなく、
気持ち良く、東京に送り出してくれる。
そんな環境で暮らしているせいか、
彼は、人を疑う事をしない。
ただ、それはいいけど、
一つだけどうしても、私の神経に触る事があって。
彼が大金を入れている鞄というのが、
口金が緩んでいて、
すぐに、カパカパ開いてしまい、
他人に金が見えたり、時には全額、外に飛び出してしまう。
演出とは分かっているけれど、
私、そういうのダメで(笑)。
「あなたがそのお金で、一番最初に買わなくてはならないのは、
その金を入れる鞄でしょ!」と言いたくなった(笑)。
評価 ★★★☆☆