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「赤い風車」 [映画]

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〔1952年/アメリカ・イギリス〕


パリで一番有名なキャバレー「ムーラン・ルージュ(赤い風車)」で、
踊子たちのレビューを
スケッチする一人の男がいた。
後に、この店のポスターで有名になる、
ロートレック(ホセ・フェラー)だ。


彼は名門貴族の生まれで、
大金持ちであったが、
幼い頃、階段の最上階から転げ落ちたせいで、
足を骨折、
さらに、手術が失敗したため、
障害者として生きるしかなかった。


障害ゆえ、女性との恋愛を成就させる事は、
困難に思われたが、
ある日、警察に追われていた女・マリーを助けた事から、
2人は親密になってゆく。


しかし結局マリーに去られたロートレックは、
失意のどん底から、自殺未遂をはかる。
が、すんでの所で思い直し、
絵に、さらなる情熱を傾けるようになる。


彼の描いたムーラン・ルージュのポスターが
一躍有名になり、
店も繁盛する。
さらに、
また新しい恋の予感があった。


しかし、過去に女性で良い思いをした事のなかった彼は、
屈折した態度しかできず、
結局、また、女は去ってゆく。
酒に溺れ、また階段から落ちた彼は・・・。





邦題から、
どこか郊外の農場か何かが舞台なのかと思っていたら、
画家・ロートレックの生涯を描いた、
都会の物語であった。


ロートレックの絵(特にポスター)は見た事があるけれど、
足が不自由という事までは知らなかった。
階段から落ちた時の怪我がきっかけのようではあるが、
当時の貴族が近親婚を繰り返したせいでの、
遺伝的要因もあったとも言われているようだ。


ロートレックの足の事を知らない、
私のような者からすると、
彼の障害を見せる、
その演出は秀逸だ。


登場した時、彼は、
「ムーラン・ルージュ」で、
スケッチをしている。
レビューが跳ね、
祭りの後とでもいうような、淋しい店内で、
彼がスッと立ち上がった瞬間、
映画を観る者は、彼の足に気付くという仕組みなのだ。
監督はジョン・ヒューストン。
流石の演出といっていいと思う。


ロートレックの、
斜に構えた、
何事も真っ直ぐには見られない性格が悲しい。
今まで、他人から受けてきた仕打ちを考えると、
それは仕方のない事であり、
彼を責める気にはなれない。


彼は、父親にも捨てられている。
「足の悪い子どもはいらない」と。
最後には和解するにしても、
あまりにも悲しすぎる。


ただ、それでも、
彼が裕福だった事が救い。
絵を続けていても、
お金は十分あるようで、
生活に困窮するような事はない。
それだけ、ホッとする。


「ムーラン・ルージュ」での、
レビューの場面がいい。
踊り子さんたちが音楽に合わせて踊る様子に
見入ってしまう。


評価 ★★★☆☆

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