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◆白銀ジャック◆ [本]


白銀ジャック (実業之日本社文庫)

白銀ジャック (実業之日本社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2010/10/05
  • メディア: ペーパーバック


スキー場に届いた、一通の脅迫メール。
ゲレンデに爆弾を仕掛けたというその内容に、
関係者は驚く。


警察に通報すれば、
スキー場の閉鎖は必至。
ただでさえ苦しい経営が破綻してしまう。


これはもう、
犯人の言いなりになるしかないのか・・・。



東野氏がウィンタースポーツがいかに好きかが
分かる一冊。
一度もスキーもスノボーもした事のない私でも、
とても詳しそうな様子が伝わってくる。


ただ、内容については普通。
東野氏にしては、緊張感も捻りもなかった。


登場人物たちも、
あまり好きになれなかったな。


犯人が余計な事をするなと言っているのだから、
それに従いなよ、と言いたくなるパトロール隊員やら、
男二人女一人で来ている、妙に軽いいとこ同士の客やら、
イライラさせられる奴らばかり。
全体的に、皆が幼い。


28歳にもなった女性パトロール隊員の、
あの喋り口調もなんだかな。

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「キッズ・オールライト」 [映画]

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〔2010年/アメリカ〕


ジュリアン・ムーアとアネット・ベニングは、
同性愛の夫婦。


ムーアには、15歳の息子ジョシュ・ハッチャーソンが、
ベニングには、18歳の娘ミア・ワシコウスカがいる。
子どもたちは、精子バンクから精子の提供を受けて生まれた子で、
精子の提供者は同一人物だ。


ベニングは医者として、一家の大黒柱的な存在、
ムーアは専業主婦的な役割を担っており、
子どもたちは、母親たちの事を、
友人に恥じる事も、隠す事もなく、
4人は平和に暮らしていた。


しかし、子どもたちにはいつしか、
生物学上の父親に会ってみたいと思い始め、
それを実行する。


父親、マーク・ラファロは、人気レストランのオーナーで、
気ままに暮らす独身。
子どもたちがラファロに会ったと知った母親たちは驚き、戸惑うが、
彼を食事に招待する。
しかし彼の出現は、
家族に小さな波風を立て始める・・・。





これが同性愛夫婦でなく、
ラファロが精子提供者ではなかったら、
まったく平凡な家族の物語として、
特筆すべき点はなかったであろう。


同性愛を否定する気は全く無いが、
もし私の近所にこのような家族がいたら、
やはり奇異に思うだろうし、
アメリカにだって、どこにでもある風景だとは思えない。
ただ、自分たちの性的指向を隠す事なく、
差別される事もなく、
誰もが幸せに暮らせる社会は、
とても良いものだと感じられた。


同性愛カップルの力関係は難しいものだね。
これが男女なら、
男が働いて、女が主婦、という図式を、
特に考えもせずに受け入れる夫婦も多いだろうが、
同性同士という、全く対等の立場で、
片方が仕事をし、片方がしていないとなると、
男女間以上に、不公平感が出てしまう。


しかしこの映画は、
同性愛夫婦の数々の問題を、
コミカルに、笑えるように描いてある。
特に、ムーアとラファロの描写は、
劇場から笑い声が聞こえるくらい可笑しい。


子どもたちの友人との関係や、
ラファロのガールフレンドや、
造園を手伝うおじさんなど、
後で何か重大な事件を起こすのかと思われる人々のエピソードが、
全く生きてこなかったのが残念。


評価 ★★★☆☆

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