「キッズ・オールライト」 [映画]
〔2010年/アメリカ〕
ジュリアン・ムーアとアネット・ベニングは、
同性愛の夫婦。
ムーアには、15歳の息子ジョシュ・ハッチャーソンが、
ベニングには、18歳の娘ミア・ワシコウスカがいる。
子どもたちは、精子バンクから精子の提供を受けて生まれた子で、
精子の提供者は同一人物だ。
ベニングは医者として、一家の大黒柱的な存在、
ムーアは専業主婦的な役割を担っており、
子どもたちは、母親たちの事を、
友人に恥じる事も、隠す事もなく、
4人は平和に暮らしていた。
しかし、子どもたちにはいつしか、
生物学上の父親に会ってみたいと思い始め、
それを実行する。
父親、マーク・ラファロは、人気レストランのオーナーで、
気ままに暮らす独身。
子どもたちがラファロに会ったと知った母親たちは驚き、戸惑うが、
彼を食事に招待する。
しかし彼の出現は、
家族に小さな波風を立て始める・・・。
これが同性愛夫婦でなく、
ラファロが精子提供者ではなかったら、
まったく平凡な家族の物語として、
特筆すべき点はなかったであろう。
同性愛を否定する気は全く無いが、
もし私の近所にこのような家族がいたら、
やはり奇異に思うだろうし、
アメリカにだって、どこにでもある風景だとは思えない。
ただ、自分たちの性的指向を隠す事なく、
差別される事もなく、
誰もが幸せに暮らせる社会は、
とても良いものだと感じられた。
同性愛カップルの力関係は難しいものだね。
これが男女なら、
男が働いて、女が主婦、という図式を、
特に考えもせずに受け入れる夫婦も多いだろうが、
同性同士という、全く対等の立場で、
片方が仕事をし、片方がしていないとなると、
男女間以上に、不公平感が出てしまう。
しかしこの映画は、
同性愛夫婦の数々の問題を、
コミカルに、笑えるように描いてある。
特に、ムーアとラファロの描写は、
劇場から笑い声が聞こえるくらい可笑しい。
子どもたちの友人との関係や、
ラファロのガールフレンドや、
造園を手伝うおじさんなど、
後で何か重大な事件を起こすのかと思われる人々のエピソードが、
全く生きてこなかったのが残念。
評価 ★★★☆☆
このポスター(チラシかな?)良いですよね♪
観に行きたいと思っているのですが、腰が重くて重くて(苦笑)。
一番最近映画館で観たのって、「バレンタイン・デー」なんですよ。
見逃したものが、次々とDVDになっていきます(笑)。
by yonta* (2011-05-03 23:04)
yonta*さん
「映画は映画館で」と言われる向きもありますが、
私は、今はそんな時代ではないと、
yonta*さんに話を合わせているわけではなく、
本気でそう思っています。
これだけ数々の媒体がある時代なのですから、
それを利用しない手はありません。
だからこそ、私だって、
古い映画を沢山観られるわけですし。
映画館で観なくたって、
DVDやBDやテレビ放送やネットや、
とにかく色々利用しなくては損です(笑)。
by 青山実花 (2011-05-06 18:21)
確かに、言われてみれば、息子の悪友とか、別にいらないエピソードだったかも〜。
2人の女優の存在感は素晴らしかったです。過剰なレズ臭さが無いところが良かったかな。
by のむら (2011-05-08 15:23)
のむらさん
アネット・ベニングとジュリアン・ムーアは、
とても自然で良かったですね。
殊更、同性愛をアピールする事なく、
当たり前に暮らしている。
これからはそんなカップルも増えるのでしょうか。
by 青山実花 (2011-05-09 21:37)