◎生誕100年 岡本太郎展◎ [美術]
絵心がまるで無いので、
美術について語る事はできないのだけれど、
岡本太郎の作品は面白くて好きだ。
何かに衝き動かされるようなタッチで描かれた絵には、
どれにも、物凄い情熱を感じる。
岡本さんは、自分の作品を
売りに出すのを嫌ったそうである。
「一人の人が所有してしまうと、沢山の人に見てもらえない」というのが
理由だそうだ。
来館者は、出口で三角くじのような、御神籤のような紙を
一枚引けるようになっていた。
私が引いた紙には、
「下手のほうがいいんだ。
笑い出すほど不器用だったら、
それはかえって楽しいじゃないか」
と書かれてあった。
“何も深刻に考える事はないんだ”と言われているようで、
なんだか嬉しくなった。
「不敵な男」 [映画]
〔1958年/日本〕
現在の神保町シアターのテーマは、
「華麗なるダメ男たち ~色男、金と力はなかりけり~」。
若尾文子様の映画にハマって、
数々の作品を観ているうちに、
別の収穫があった。
俳優、川口浩の魅力を知り、大好きになったのだ。
川口浩といえば、「探検隊」。
世間の殆どの人が彼に持っているイメージはそれであろうし、
もちろん私もそうだった。
いつも秘境の地へ赴いては、
未確認生物を探したり、ピラニアと闘ったりする人、
本気なんだか、ヤラセなんだか分からない事に血道をあげてる人、
という認識しかなく、
彼が元々俳優で、
沢山の映画に出ているなど、想像した事もなかった。
しかししかし、
若い頃の川口浩の素敵な事ったら!
正統派の美男子とは違うけれど、
ファニーフェイスで可愛くって、
やんちゃな男の子といった風情の彼は、
私の好みにピッタリだ。
映画俳優としてピークだった頃の彼が今いたら、
きっと夢中になっていただろう。
今までDVDでしか、彼のお姿を拝めなかったが、
今回初めて、大きなスクリーンで彼を観た。
やっぱり素敵だった。
リアルタイムで彼の映画を観た人が羨ましい。
本作は、川口浩が、
不幸な家庭環境から、最低の悪人になってゆく過程を描いた内容である。
人を殺したり、
田舎から出てきた女の子を手籠めにしたり、
やりたい放題で、反省の色もない若者を、
スネたような表情で演じている。
共演は、後に彼と結婚する野添ひとみ。
川口浩がよく共演していた、
若尾文子や京マチ子だと、
年齢からいっても、どうしても姉と弟という雰囲気になりがちだが、
野添ひとみのその可愛くておきゃんな様子は、
川口浩にピッタリだ。
お似合いの二人だと思う。
本気で羨ましい(笑)。
余談だが、
川口浩は、「探検隊」の仕事を、
意外にも、嬉々としてこなしていたと何かで読んだ。
それを知った時は、なんだか嬉しかったな。
もしあれが、嫌々で、やっつけな感じだったら、
やっぱり悲しいもの。
「探検隊」は、実は彼の性分にとても合った仕事だったのではないかと、
そんな風に思うとホッとする。
評価 ★★★☆☆