◆ツリーハウス◆ [本]
新宿にある中華料理店、「翡翠飯店」。
物語は、店を経営する藤代家の祖父が
亡くなる所から始まる。
祖父も祖母も、
自分たちの過去を語りたがらない。
戦前、満州へ渡った二人の彼(か)の地での生活と、
引き上げの時の苦労、
そこに、
現代の場面が交互に出てくる。
大河ドラマと言っていい。
469ページの大作で、読み応え十分だ。
過去の物語は、
実際にあった事件
(浅間山荘立てこもりやら、オウム真理教やら)
を絡めながら、現代に近づいてゆく。
一見、何の変哲もなさそう見える、
余所の家庭も、
実は様々な深い物語があるのだという、
当たり前の事だが、
普段、考えもしないことを思い出させてくれる。
祖母は、息子と孫に連れられ、
中国に行く。
満州時代、世話になり、
どれだけお礼を言っても言い足りない、
そして、
どれだけ謝っても謝り足りないくらい、
申し訳ない事をしたと思っている、
中国人家族を探す為に・・・。
「ドライブ・アングリー3D」 [映画]
〔2010年/アメリカ〕
3D映画は、今まで何本か観てきたが、
今回ほど、「3Dで良かった~♪」と思った事はない。
だって、だって、あのニコラス・ケイジが飛び出して見えるという、
有り難いんだか、有り難くないんだか、なんだかよく分からないその映像が、
馬鹿馬鹿しくて、可笑しくて、
私にはとても嬉しかったのだよ。
最近のニコラス・ケイジは、
借金地獄、自己破産、韓国系嫁へのDV疑惑などなど、
スキャンダルまみれ。
そこへきて、今度は息子の暴れん坊ぶりまでもが話題となり、
なんだかもう、どうしようもない感丸出しなのだが、
結局それも、ハリウッドのお話となれば、
所詮は海の向こうの出来事、
なぜか憎めない、不思議な存在。
借金の額が多ければ多いほど、大スター感も増すってもんだ(笑)。
それに、そんな酷い噂の割に、
仕事は途切れていない感じ。
(借金返済の為に、仕事を選んでいる場合ではないという説もあるが(笑))
私は彼が好きだから、
映画に出てくれれば、他の事はもうどうでもいいや。
で、この映画。
カルト宗教の教祖、ビリー・バークに娘を殺され、
孫を誘拐されたニコラス・ケイジが、
復讐の鬼と化すという内容なのだが、
わたし的にウケたのは、
ニコラス・ケイジに孫、というその設定。
ショックなような、感慨深いような(笑)。
話は逸れるけど、
じゃあ、彼と同年代の大スターたち、
ジョニー・デップ、ブラッド・ピット、トム・クルーズ、キアヌ・リーブスなども、
そろそろ孫がいる役をしてもおかしくはないって事か。
で、ケイジは、
途中で拾った若い女、アンバー・ハードと一緒に
ビリー・バークを追いかけるんだけど、
このアンバー・ハードという女優は、
綺麗な上に、元気があって中々よろしい。
女の私が見ても、結構好き。
ところがなぜか、ケイジを追いかけてる男、ウィリアム・フィクトナーがいる。
実はケイジにも、フィクトナーにも、
とんでもない秘密があって、笑えるんだな。
そのとんでもなさこそが、ニコラス・ケイジの持ち味。
やっぱり彼は良いよ。
評価 ★★★☆☆