◆オジいサン◆ [本]
益子徳一は72歳の「オジいサン」。
そんな彼の一週間を描いた短編集。
彼は「お爺さん」でもなければ、「おじいさん」でもなく、
「オジいサン」というニュアンスにこだわっているようだ。
仕事を定年退職したあとの年金生活。
特にする事もなく、趣味もなく、
なんとなく生きる毎日。
生涯独身で、友人もなく、
けれど、それを気楽と割り切っている。
割と親しくしている近所の電気屋の二代目は、
テレビの電波が「地デジ」というものに変わるから、
買い替えなくては駄目だと言うが、
なぜ、まだ観られるテレビを捨てなくてはならないのか、
何度説明されても意味が分からない・・・。
私はお爺さんではない。
このままずっと年を取ってゆけば、
いつか必ずお婆さんになる日がくるが、
お爺さんになる事はない。
だから、徳一さんの気持ちを完全に理解できたとは言い難い。
けれど、こんな風に毎日をダラダラ生きるのも悪くないかも、と感じる。
いや、徳一さんが特にダラダラした生活をしているわけではないが、
やっぱり、する事が無い人はダラダラしているような印象を与えるし、
この本自体も、ダラダラした感じで読んでいた(笑)。
それから、この先、私が年を取って、
初めて他人から、「おばあさん」と呼ばれた時、
私はどんな風に感じるのだろうと思った。
ショックを受けるのか、仕方ないと思うのか。
ただ、もし電車で席を譲られたら、素直に座ろうとは決めた。
相手は勇気を出して譲ってくれたのだろうし、
それを断るのは恥をかかせるようで、イヤだもの。
テレビなんて映らなくても構わないと言う徳一さんに、
電気屋の二代目が、
「地震が起きたらどうします?
余震だの、津波だの、交通情報だのが分りませんよ」という箇所があり、
驚いて、初版発行日を見てみると、
なんと今年の3月10日。
震災の前日だった。
偶然とはいえ、ちょっとショック。
「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」 [映画]
〔2011年/アメリカ〕
1969年。
月面に降り立ったアポロ11号の乗組員たちは、
驚くべき事実を目の当たりにする。
月の裏側に行くと、
そこに、トランスフォーマーの宇宙船が不時着していたのだ。
その後40年以上、
アメリカ政府とNASAは、その事実をひた隠しにしていたが、
現代シカゴでトランスフォーマーたちが暴れ出す。
同じ頃、シャイア・ラブーフは、
新恋人、ロージー・ハンティントン・ホワイトリーの家に居候しながら、
職探しの毎日だったが、
またまた、トランスフォーマーの争いに巻き込まれる・・・。
と、こんなストーリーだと思うんだけど、
正直、もう、何がなんだか分からない(笑)。
前半、ちょっと眠くなってしまって、
「いけないいけない、予告で見た、あの凄いメインディッシュを食う前に眠れるか」と、
姿勢を立て直す。
後半の、トランスフォーマーたちの暴れっぷりは、
かなり見応えがあると思う。
私は別にCGは否定しないし、
凄ければ凄いなりに、見入ってしまう。
3Dは好きじゃないけど。
人間ドラマの部分は、最初から期待してはいない。
こんなもんだろう。
シャイア・ラブーフの両親の軽さが、私は結構好き(笑)。
このキャラは1作目から全然変わっていない。
逆に、そのワンパターンが可笑しい。
ロージー・ハンティントン・ホワイトリーは、
こんな内容とはいえ、演技が下手すぎないか?
それほど綺麗とも思えないし。
ジョン・マルコヴィッチはやっぱり良い。
いるだけで存在感有り。
どうでもいい事だけれど、
パトリック・デンプシーの名前が思い出せなくて、
最後までモヤモヤしていた私は馬鹿だね。
なんか変わった名字で、「魔法にかけられて」に出てて・・・、だけで、
2時間半。
エンドロールを見て、やっとスッキリした次第。
評価 ★★★☆☆