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「深呼吸の必要」 [映画]

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〔2004年/日本〕


2月の沖縄の離島。
船着場に、香里奈、谷原章介、成宮寛貴、長沢まさみ、金子さやかの5人が
降り立った。
そこへ、ライトバンを運転する大森南朋がやって来て、
老夫婦が生活する家に、彼らを連れてゆく。


彼らは互いに面識はなく、
“きび刈り隊”と呼ばれる、さとうきびの収穫のバイトをする為、
本土からこの島にやって来たのだ。
大森は、この季節には必ずここに来て、収穫を手伝う、
いわばベテランで、毎年バイトに来る若者に仕事を教えている。
その大森から、今後の説明を受ける5人。


収穫は35日間。
日当5,000円。
部屋は一つしかないから、カーテンで仕切って男女で分かれる。
言いたくない事は、言わなくていい・・・などなど。


翌日、さとうきび畑に連れていかれた5人は、
7万本ものさとうきびが茂る、
想像をはるかに越えた広い畑に驚く。


最初は手際も悪く、苛立つ事も多かった彼らだが、
仕事にも慣れてきた頃、
互いの境遇が少しずつ分かってくる。
そんな中、ある事故が起こり、
さとうきびの収穫はピンチを迎える・・・。





話の流れは想像通り。
季節はずれの沖縄に、
わざわざバイトにやって来る若者に、
何か理由がないわけはなく、
それが次第に分かってくるというのも、
よくある展開。


香里奈がとても真っ当で、ホッとできる。
最初からハキハキとした受け答えのできる明るい女性で、
他人への接し方もきちんとしている。
彼女の役が一番平凡だけど、
この手の映画は、誰か真っ当な人がいないと、
めちゃくちゃになっちゃいそうで(笑)。


大森南朋は、野菜や果実の収穫の為、
季節ごとに日本全国を回っていると言う。
それを話す大森の様子は、
どこか、「何ものにも縛られない自由な俺」みたいな空気が感じられて、
案の定、大学生の成宮寛貴から痛烈な反撃を受ける。
何も言い返せない大森。


小心者の私もやっぱり、
大森南朋のような暮しは出来そうにもないな。
サラリーマンを馬鹿にするような物言いも、
どうなんだろう。
一生懸命働いているのは、誰もが同じなんだから。


悪い映画ではない。
やっぱり考えさせられる。
放浪はできそうにもない私でも、
35日間という期間限定なら、
なんとかできそう、という気にさせられるし、
その見慣れない収穫場面も、
なんだか珍しくて、やってみたくなった。


評価 ★★★☆☆

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