◆ツリーハウス◆ [本]
新宿にある中華料理店、「翡翠飯店」。
物語は、店を経営する藤代家の祖父が
亡くなる所から始まる。
祖父も祖母も、
自分たちの過去を語りたがらない。
戦前、満州へ渡った二人の彼(か)の地での生活と、
引き上げの時の苦労、
そこに、
現代の場面が交互に出てくる。
大河ドラマと言っていい。
469ページの大作で、読み応え十分だ。
過去の物語は、
実際にあった事件
(浅間山荘立てこもりやら、オウム真理教やら)
を絡めながら、現代に近づいてゆく。
一見、何の変哲もなさそう見える、
余所の家庭も、
実は様々な深い物語があるのだという、
当たり前の事だが、
普段、考えもしないことを思い出させてくれる。
祖母は、息子と孫に連れられ、
中国に行く。
満州時代、世話になり、
どれだけお礼を言っても言い足りない、
そして、
どれだけ謝っても謝り足りないくらい、
申し訳ない事をしたと思っている、
中国人家族を探す為に・・・。
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