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「バンディダス」 [映画]

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〔2006年/メキシコ・アメリカ〕


メキシコのある町。
アメリカ資本の銀行が、
鉄道誘致に絡んで、
現地の人から、土地を奪っては殺すという事件が発生。


ペネロペ・クルスの父親も、
殺害された中の1人。
彼女の心は怒りに燃える。


同じ頃、富豪の娘・サルマ・ハエックも、
クルスと同じ男に父を殺される。
お嬢様のハエックは、大変なショックを受けるが、
父の仇を取るという目的で、
クルスと組み、
銀行を襲い、金を奪い始める。


彼女たちを捕まえる為、
派遣されたアメリカの鑑識官・スティーヴ・ザーンは、
いつしか彼女たちの味方となり、
銀行に押し入る仲間となる。
ザーンを挟んでの、
微妙な三角関係を保ちながら、
強奪を続ける一行は・・・。





ペネロペ・クルスとサルマ・ハエックの競演。
もう、そう聞いただけで、
濃すぎて、喉が渇きそう(笑)。
友人にこの映画の話をしたら、
「うげー、胃がもたれそうで観たくないー」と言われてしまった。
みんな感じる事はおんなじね(笑)。


撮影中、2人はどんな感じだったんだろう。
なんだか興味深い。
口もきかなそうな感じだけど、
それはあくまでもイメージで、
本当は和気藹々かもしれないし、分からない。


2人が初めて出会う場面も、
お互い敵対心剥き出しで、
見えない火花が飛んでいるようだった(笑)。
コンビを組んでからも、それが続くけれど、
しかし、ある出来事をきっかけに、打ち解けあう。
そこは2人ともラテンの女。
一度信頼した相手に対して、その絆は強い。


映画の中で、
なんとクルスが、生娘だと分かるシーンがある。
「さすがにそれは無理があるでしょ」と、
ゴシップ誌が好きな人なら、
全員が突っ込み入れそうな場面だった(笑)。


まぁ、だからといって、
クルスとハエックの役を入れ替えても、
違和感がある事に変わりはないけどね(笑)。


ストーリーは、至って普通。
女義賊の2人が、
胸を強調した服を着ながら暴れる西部劇。
一番美味しいのは、スティーヴ・ザーン。
なにせ、クルスのキスの練習台にまでされちゃってるの(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「勝利者」 [映画]

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〔1957年/日本〕


ラピュタ阿佐ヶ谷で観た。

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元ボクサーの三橋達也は、
チャンピオンになれず、夢を諦めた過去があった。


現在は、婚約者・南田洋子の父のナイトクラブで、
支配人をしているが、
ボクシングへの思いを捨てきれず、
チャンピオンを育てる事に賭けていた。


ある日、三橋は、ボクシングの才能に溢れた
青年・石原裕次郎と知り合う。
石原を育ててみたいという思いに駆られた三橋は、
知り合いのトレーナー・殿山泰司に彼を預ける。


また、三橋は、
ナイトクラブの踊り子・北原三枝が、
バレリーナの夢を捨て田舎に帰る事を知り、
「自分が生活費を出すから、
バレエの勉強を続けなさい」と申し出る。


その後、石原と北原は知り合い、
親しくなってゆく。
ボクシングとバレエ、
それぞれの夢を叶えるためには、
寄り道は禁物。
三橋はそれを2人に言い渡す。


彼らの夢はどうなるのか・・・。




観ていて、何が可笑しいって、
三橋達也が北原三枝に、
生活費を出すのに、何の見返りも要求しない所(笑)。


彼が毎月出すと提示した金額は2万円。
現代に換算すると、
10倍として、20万円よ!
しかも、三橋自身が大金持ちならともかく、
彼は南田洋子の父から、
金を借りたりしている。
面白い男だなぁ。


しかも、彼はチャンピオンを育てる事に夢中で、
南田との結婚を、
いつまでも引き延ばす。
なんだかとっても都合がいいわ(笑)。


石原裕次郎と、北原三枝の場面はちょっとドキドキ。
実生活で、この3年後に2人は結婚するようだけれど、
裕次郎さんは、こういう人が好きだったんだと、
なんだか北原さんばかり見てしまう。
特別美人とは思わないけれど、
背がスッと高くて、
今でいうと、小雪みたいな感じかなと思う。


その北原さんが、
バレエを踊る場面がある。
おそらく、彼女にはバレエの素養がないのであろう。
途中からミュージカルのようになっていたのが、
ご愛嬌だった。


評価 ★★★☆☆

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「天地明察」 [映画]

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〔2012年/日本〕


江戸時代。
囲碁の名人・安井算哲(岡田准一)は、
算術と星を見るのが大好きな青年。


安井の能力を知った会津藩主・保科正之(松本幸四郎)は、
一年間、日本をくまなく歩いて、
北極星の高度を測り、
土地の位置を割り出すという作業を命じる。


建部伝内(笹野高史)や伊藤重孝(岸部一徳)らと、
調査に出かける安井。
作業は思ったより時間がかかり、
半年もオーバーしてしまう。


安井には、思いを寄せる娘・えん(宮崎あおい)がおり、
「一年間待っていてほしい」と言い残していたが、
安井が戻ってみると、
彼女は嫁に行った後であった。


調査の結果、
暦にズレが出てきている事が分かる。
当時、日本で使われていた暦は、
800年も前に中国から渡ってきたものなのだ。


新しい暦作製の総大将に任命された安井は、
試行錯誤しながら、
作業に取り組む。
そこには、離縁されて出戻ってきていた、
えんが寄り添っていた・・・。





冲方丁さんの同名小説は、
図書館で借りたのだが、
時間がなく、最後まで読めなかったという、
悔しい思いが私の中にある。


なので今回は、映画でリベンジというわけだ。
別に無理にリベンジする必要もないんだけど(笑)。
本当の本音を言えば、
私は若手俳優の中では、岡田准一君が、
妻夫木くんの次に好きで、
あの端整なお顔を堪能したかっただけなのだけれど(笑)。


頭が数学的に出来ていない私には、
安井算哲のような人は、
超人のようにしか見えなかった(笑)。


岡田准一演じる安井は、
おっとりしていて、
自分を超人だなんて思っていないようだけれども。


彼は、出世などの欲はないけれど、
一つの事に集中すると、
他が見えなくなってしまうようだ。
やっぱり、何かを成し遂げる人って、
文字通り、寝食を忘れるくらいにのめり込める人なんだと、
あらためてそう思う。


暦がズレると、
大安や仏滅の日もズレるというのが、なんだか可笑しい。
つまり、そういった事って、
やっぱり占いの域を出ておらず、
暦の読み方一つで、
どうとでも変わってしまうんだなぁ、って。


評価 ★★★☆☆

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「銀座っ子物語」 [映画]

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〔1961年/日本〕


ラピュタ阿佐ヶ谷で観た。
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銀座の呉服屋の3人息子、
川崎敬三、川口浩、本郷功次郎。


スポーツマンでハンサムな3人は、
近所でも評判の息子たちで、
女の子たちは、みんな彼らを狙っている。
しかし、父親・中村鴈治郎は、
誰一人、店を継ごうとしない彼らに不満顔だ。


ある日、川口が勤務するブティックに、
美しい女性・若尾文子がやって来る。
一目惚れしてしまう川口。


また、別の日、川崎の勤務先の会社にもやって来る若尾。
川崎も彼女に一目惚れ。


本郷が、大学のボクシング部の寄付を集めに出掛けた先の高級ホテルで、
応対に出たのも若尾。
彼女はこのホテル経営者の令嬢で、
本郷も彼女に惚れてしまう。


つまり3兄弟は、同じ女性に恋をしてしまったわけだ。
若尾にいい所を見せようと頑張る3人。
彼女の心を射止めるのは誰なのか・・・。





3人の兄弟が、
偶然、同じ女に惚れてしまうという、
まぁ、普通なら有り得ない、
脳天気なコメディ(笑)。


3人が若尾の気を引こうとする方法も、
全く同じ。
川崎はレスリング、
川口はアメフト、
本郷はボクシングと、
全てスポーツがらみで、
さらに3人とも、気絶という醜態を晒す所もまるで同じ(笑)。


タイトルに「銀座」とあるが、
別に舞台は銀座でなくてもいいと思うくらい、
銀座は殆ど関係無いのも可笑しい。


コテコテの関西人の中村鴈治郎が、
なぜ銀座の呉服屋の主人?と思ったが、
関西から出てきて、
一代で店を築いたという設定らしい。
だから、近所の人が皆、
「立派な息子を3人も持って羨ましい」と盛んに言っても、
店を継がない息子たちは中村にとって、
納得いかない存在なのだ。


その中村の、
無類の女好きな様子が可笑しい。
とにかくどこへ行っても、女を口説きまくる。
でも、全然憎めなくて、劇場内で笑いが起こる。
いい俳優さんだ。


映画とは関係ないけど、
彼の話し方を聞いていると、
実の娘の中村玉緒さんによく似ている事に気が付いた。
やっぱり親子なのね。


実の親子といえば、
川口浩様の実のお母さん・三益愛子さんが、
母親役を演じていた。
それから、親戚の娘で、家事見習い住み込んでいるのが、
野添ひとみさん。
すごいわ、川口家多数出演(笑)。


若尾さんのお洋服や帽子がとっても可愛い。
銀座らしかったのは彼女だけかな(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「宝石泥棒」 [映画]

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〔1962年/日本〕


ラピュタ阿佐ヶ谷の現在のテーマは、
「娯楽の達人 監督・井上梅次の職人芸」。

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山本富士子と野添ひとみは、
宝石泥棒の美人コンビ。


今日は箱根のレイクサイドホテルで、
お仕事予定。
逗留している金持ちの未亡人・角梨枝子が所有するダイヤ、
“ヴィーナスの涙”を頂戴するつもり。


財閥のお嬢様と、その使用人を名乗り、
チェックインした2人だけれど、
なんと、その財閥本人・船越英二と川口浩も
来ていて大慌て。
遠い親戚だと話を合わせ、なんとか事無きを得る。


角の胸元に輝く“ヴィーナスの涙”を見た2人は、
早くそれを自分たちの物にしたいと、
あれこれ作戦を練るが、
ホテルに泊まっている黒メガネの男・菅原謙二の様子がおかしい。
もしかして、彼も泥棒で、
“ヴィーナスの涙”を狙っているのかも。
そうだとしたら、負けてはいられない。


けれど、船越や川口をお食事したり、
ダンスをしたりするうちに、
惚れっぽい山本は、
川口を本気に好きなりはじめる。
宝石は彼女たちの手に入るのか。
山本と川口の恋の行方は・・・。





山本富士子が泥棒を演じるという、
なんだかおかしなコメディ。


もちろん泥棒といっても、
山本さんの事だから、
とってもエレガントで、
財閥を名乗っても、全く疑われる事のない上品さ。
疑う人は誰もいない。


しかも彼女は、
ベテランという割に、
ホテルルームに設えられた、
たかがドレッサーの、
鍵を開ける事にもモタつく(笑)。
あんな手際じゃ、すぐ捕まると思うんだけど(笑)。


盗みに入った部屋で見つかりそうになって、
窓の外の狭い足場に隠れる山本さん。
この間観た映画、「崖っぷちの男」状態(笑)。
何度も何度も、足を踏み外しそうになって、
雨樋まで壊してしまう。
この場面って、
ヌードとか、ベッドのシーンとは全く違うけれど、
ある意味、山本富士子ファンへのサービスシーンかもと
思ってしまった。
「あの」山本富士子が、こんな事してますって(笑)。


彼女は惚れてしまった浩様を、
「ハンサムで、スマートで、素敵♪」と評する。
そうでしょう、そうでしょう。
私もいつもそう思っているのよと、
言いたくなった場面(笑)。


でも、この時はもう、
浩様と野添さんは夫婦だったんだよね。
そう考えると、
山本さんと浩様の恋を、
呆れながら見守る野添さんという図が、
なんだか可笑しい。


評価 ★★★☆☆

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