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「夢売るふたり」 [映画]

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〔2012年/日本〕


都内で小さな小料理屋を営む、
阿部サダヲと松たか子夫妻。
店は順調に5周年を迎えたが、
火事を出してしまい、全焼する。


全てを失い、失意のどん底の阿部は無気力になってしまうが、
ある日、店の常連だった女と関係し、
その女から金を貰った事がきっかけで、
松はある事を思い付く。


それは、小金を持っていそうな女を
結婚を餌に阿部が騙し、
金を巻き上げるという手口。
そう、2人は結婚詐欺で、
新しい店の軍資金を稼ごうと決めるのだ。


高級料理店で働き出した2人は、
カモになりそうな女性客を物色する。
ターゲットになりそうな女は沢山いて、
阿部は一人一人から、百万単位の金をせしめてゆく。


しかし、悪人になり切れない阿部と、
冷静な松との間には、
意見の相違が生まれ・・・。





女からすると、
とても意地悪な目線で女を見る映画だった。
「そうなんだよね、女ってそういう事考えるよね」って、
人には知られたくない本音が
表面に出ている感じ。


一番顕著だったのは、
松たか子が、重量挙げの選手・江原由夏を
次のターゲットにし、
阿部に会わせる場面。


もう本当に、この時の松の言った事は意地悪で、
さすがの阿部も松の言葉に怒る。
女の持つ精神の醜悪な部分がモロに出てしまっていて、
女の私にしたら、恥ずかしいような場面。


しかし、だからといって、
阿部が松に愛想を尽かして別れるわけでもなく、
その後も、2人は普通に暮らしている。
男と女ってそんなものなんだよねと
なんか分かるような流れ。


犯罪物の映画を観ていると、
時に、「完全犯罪が成立しますように」と
願ってしまう場合があるけれど、
この映画に関しては、
なんだろう、
「この2人が何とかして御用になりますように」と
思っている自分が不思議だった。


その心理は自分でもよく分からない。
物凄い極悪人でも肩入れしてしまう場合もあるのに、
めちゃくちゃ悪人ではない阿部には、
成功を望まなかった。


被害者の女性が可哀想だからとか、
阿部が根はいい人だからとか、
そんな風な具体的な理由が頭に浮かんだわけではなく、
ただなんとなく、自然に湧いてきた感情。


長いせいか、焦点が絞り切れてしないのが、
ちょっと残念。


評価 ★★★☆☆

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